【コラム】昆虫も細菌も寄せ付けぬ、キュウリ臭で身を守る
日本沿岸などに生息するクラゲ「カミクラゲ」がキュウリのようなにおいを出していることを、東京海洋大の永井宏史教授らが発見した。このにおい成分には、昆虫や細菌を寄せ付けない作用があり、においを利用して身を守っている可能性があるという。論文が日本水産学会の学術雑誌に掲載された。
クラゲの毒を研究する永井教授らは、東京湾で採取したカミクラゲをすりつぶしてにおいの成分を取り出し、分析した。その結果、においを生み出しているのは、キュウリにも含まれ、抗菌作用などがある「ノネナール」と「ノナジエナール」という二つの物質であることがわかった。
広島大の大塚攻教授はこの研究結果が、陸の生物と海の生物の間で、一部の遺伝子が取り込まれるなどのやり取りがあった可能性を示唆する成果だと話している。
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