ゴキブリは殺すと増えると聞いたのですが本当ですか?退治しているのに減らない理由と、正しい対処法も教えてください

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ゴキブリは殺すと増えると聞いたのですが本当ですか?退治しているのに減らない理由と、正しい対処法も教えてください

見つけるたびにスリッパやスプレーで退治しているのに数が一向に減らない、「殺すとかえって増える」という話も耳にして手を出すのが怖くなった、というご相談をいただきました。

殺したから増えるのではありません。減らないのは、殺したあとに残る糞と死骸が次の1匹を呼んでいるからです

「ゴキブリは殺すと増える」という言い伝えに、生き物としての裏づけはありません。潰された個体がそこから数を増やす、という現象は起きないということを冒頭にお伝えします。

ただ、「毎日殺しているのに減った気がしない」という実感を持たれるの方が、実際によくあります。原因は殺したこと自体ではなく、殺したあとの対応にあります。

減らない状態から抜け出すためには、次の4点を押さえてください。

  • 潰した場所と死骸を放置しない。糞には仲間を呼び寄せる集合フェロモンが含まれる
  • 目の前の1匹ではなく、隙間に潜む群れごと叩く。毒エサと残効性薬剤が主役
  • スプレー1本に頼らず、効き方の違う手段を組み合わせる
  • 侵入口と餌を断ち、そもそも住みつけない台所に変える

ゴキブリが減らない状態から抜け出すための対策

理由は、ゴキブリの集まり方にあります。福岡大学の研究チームは、ワモンゴキブリの幼虫がごく微量の集合フェロモンにも反応する感覚神経を持つことを世界で初めて突き止めました。そして、その集合フェロモンはゴキブリの糞に含まれています。研究では「糞が残らないような清浄な空間を維持することが望ましい」と示されました。
出典:福岡大学「幼虫ゴキブリのフェロモンに反応する感覚神経の存在を世界で初めて発見」

整理すると、仕留めた場所を拭かずに放っておくと、そこが「安全な場所」の目印として残ってしまうということで、殺したのに減らないのではなく、殺した跡が次を招いていた、というわけですね。

当社トータルクリーンでは、ゴキブリ駆除の多くの事例があるので、ゴキブリ被害でお悩みの方で自分で対処するのに疲れた方は一度当社にご相談ください。

駆除事例①:京都市下京区・個人宅のゴキブリ駆除の事例(この事例では、台所に溜まった大量の糞と死骸を除去したうえで、即効性・残効性の薬剤と毒エサを併用しました)

ここから先は、言い伝えの中身を1つずつ事実と誤解に切り分けながら、卵鞘の構造、糞が仲間を呼ぶ仕組み、殺し方の優先順位などを順にお伝えします。

この記事では、関西エリアで業績50年以上のトータルクリーンで害虫駆除の責任者をしている角野が回答と解説をしていきます。

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「ゴキブリは殺すと増える」は3つの話が混ざっている

この言い伝えを現場で聞き取っていくと、出どころの違う3つの話が1つに溶け合っているとわかります。混ざったままだと「殺すのが悪い」という結論になり、手を止めてしまう方が出てきました。

まず、それぞれを事実かどうかで仕分けてみましょう。

言い伝え 事実か 実際に起きていること
潰すと卵が飛び散って孵化する ほぼ誤り 卵は硬い卵鞘というカプセルに収まっており、割れれば中身は乾いて死ぬ。ただしメスが抱えていた卵鞘が無傷のまま外れる例はある
死骸や体液が仲間を呼ぶ ほぼ事実 呼んでいるのは死骸そのものより、その場に残る糞。集合フェロモンを含む
殺しても次から次へと出てくる 事実 見えているのは氷山の一角。群れ本体は暗く狭い隙間に残っている

3つのうち、腰を据えた対処が要るのは下の2つでした。
1つめの「卵が飛び散る」はほぼ誤解ですが、潰したあとに卵鞘が落ちていないかの確認だけは欠かせません。これを恐れて叩くのを一切やめてしまうと、かえって成虫を野放しにします。
「ゴキブリは殺すと増える」は間違い?

【卵鞘の中身】潰した卵は本当に孵るのか

割れた卵鞘から卵が生き延びる心配は、まず要りません。
ゴキブリの卵は1個ずつバラバラに産まれるのではなく、卵鞘と呼ばれる硬い殻のカプセルにまとめて収められています。

このカプセルは、外敵と乾燥から中身を守るための構造であり、裏を返せば、殻が割れて外気に触れた時点で、中の卵は乾いて発育を止めます。踏んだ拍子に卵が四方へ散り、それぞれが孵化していく、という事象は起こりません。
【卵鞘の中身】潰した卵は本当に孵るのか

卵鞘だけが無傷で残る場合がある

見落とせない例外が1つだけあります。産卵を控えたメスは、卵鞘をお尻の先に抱えたまま歩き回っているからです。

この状態の成虫を叩くと、硬い卵鞘が本体から外れ、そのまま床や家具の隙間に残ってしまう場合があります。カプセルが割れていなければ、中の卵は生き続ける可能性があります。仕留めたあとにコーヒー豆ほどの茶色い塊が落ちていないか、周囲を必ず見回してください。

「殺すと増える」という言い伝えが完全な作り話として片づけられないのは、この一点があるためです。

本当に警戒すべきは、卵鞘が「貼りつけてある」こと

厄介なのは、卵鞘が潰される前にどこかへ隠されている点にあります。東京文化財研究所の資料では、クロゴキブリは卵鞘を家具の裏など目立たない場所に貼りつけ、その上から成虫がかじり取った木屑を貼りつけて隠すと記されています。また、卵から成虫になるまでには約2〜3年かかります。
出典:東京文化財研究所「クロゴキブリ」

冷蔵庫の裏、シンク下の配管まわり、食器棚の底板。木屑をまとったコーヒー豆ほどの茶色い粒は、掃除機をかけていても見落とされがちでした。

産卵の回数も見過ごせず、大阪府島本町の案内では、クロゴキブリの産卵回数はおよそ17回、チャバネゴキブリはおよそ3から10回とされ、幼虫の期間はクロゴキブリで約半年、チャバネゴキブリで45から125日と示されており、かなりの頻度であることがわかります。
出典:島本町「ゴキブリの習性を知り、適切な駆除をしましょう!」

現場で卵鞘が見つかる定位置

120,000件以上の現場を回ってきた実感として、卵鞘は「動かさない家具の、床から30センチ以内」に集中します。特に、冷蔵庫のコンプレッサー付近は暖かく、掃除の手も入りませんので、好発する場所です。
現場で卵鞘が見つかる定位置

エリア 好発する位置
キッチン 冷蔵庫の背面と下部、シンク下の配管の付け根、レンジ台の隙間
洗面・浴室 洗濯機パンの下、洗面台の収納の奥、給湯配管の貫通部
居室 本棚の背板と壁の間、テレビ台の裏、段ボール箱の重なった内側

ゴキブリをみかけて居場所を特定したい場合、まずはこの3か所を懐中電灯で照らしてみてください。
木屑をまとった粒が見つかれば、成虫を1匹減らすより先にそちらを取り除くほうが効きます。

卵鞘を見つけたときの扱い

見つけた卵鞘は、掃除機で吸い込むのが手早い方法です。ただし紙パック式なら、パックごと密閉して屋外のゴミへ出してください。サイクロン式の場合は、ダストカップの中身を袋へ移し、口を縛ってから捨てましょう。

家具の裏に貼りついて剥がれない卵鞘は、無理にこそげ落とさなくても構いません。ヘラの角で殻に割れ目を入れておけば、中の卵は外気に触れて発育を止めます。処理のあとは、その周囲も中性洗剤で拭き上げておくと良いです。

【呼び寄せの正体】糞と死骸が次の1匹を招く仕組み

「増えた」と感じる最大の引き金は、床に残された黒い点です。ゴキブリは仲間の糞に含まれる集合フェロモンを頼りに集まる性質を持っています。

先に触れた福岡大学の研究では、ワモンゴキブリの幼虫の触角内にこれまで報告のなかった嗅覚受容器が見つかり、そこでフェロモンを受け取ることで仲間を認識する仕組みが示されました。ごく微量でも十分に反応します。

ゴキブリの習性として群居性があり、「仲間・親子共々群れをつくって、目のつかない場所に潜んでいる」とされています。

拭き取らないと何が起きるか

スプレーで仕留めた1匹を、ティッシュでつまんでゴミ箱に捨てるという対応は、どなたもやっておられますが、抜けやすいのは、その足元に残った糞と体液のほうです。

殺したあとの行動 その場に残るもの 数日後の状態
死骸だけ捨てて終える 糞・体液・フェロモン 同じ動線を別の個体が歩く
水拭きで軽くならす 薄まったフェロモン 頻度は下がるが目撃は続く
中性洗剤かアルコールで拭き上げる ほぼ残らない その一角への集中が崩れる

ご自宅で今夜できるのは、いちばん下の行だけです。特別な薬剤は要らず、台所用の中性洗剤を含ませた布で拭き、乾いた布で仕上げるだけで、効果があります。

私たちトータルクリーンが駆除対応をした京都市下京区のゴキブリ駆除の事例では、薬剤を撒く前に台所に溜まった糞と死骸の除去から着手しました。溜まった糞を残したまま薬剤だけ足しても、誘引の目印は消えないからです。

【殺し方の格付け】潰す・スプレー・毒エサ・くん煙剤を比較

手段には届く範囲の違いがあり、そこを踏まえずに1つへ頼ると行き詰まります。目の前の1匹に効くものと、隠れている群れに効くものは別物と捉えてください。

手段 届く範囲 残る問題 「増えた」と感じるリスク
叩いて潰す その1匹のみ 糞・体液が床に残る。衛生面の負担も大きい 高い
殺虫スプレー 見えている個体 隙間の群れと卵鞘には届かない 高い
粘着トラップ 通り道の一部 捕獲は生息確認向き。数は減らしきれない
くん煙剤 部屋の露出部 閉じた隙間の内部と卵鞘には届きにくい
毒エサ(ベイト剤) 巣に持ち帰らせる 効果が出るまで日数がかかる 低い
残効性薬剤の塗布 通り道そのもの 塗布位置の見極めに知識が要る 低い

叩いて潰す手段と殺虫スプレーは即効性と引き換えに、群れを丸ごと減らす力を持ちません。逆に毒エサ(ベイト剤)と残効性薬剤の塗布は、その場では何も起きないかわりに、隙間の内側へ効いていきます。
【殺し方の格付け】潰す・スプレー・毒エサ・くん煙剤を比較

残留法・毒餌法・燻煙法・粘着トラップといった方法を挙げたうえで、複数の方法を組み合わせて実施すると駆除効果がより高まるのがプロ目線での意見であり、1本のスプレーで完結させようとしないことが、遠回りに見えて近道であるということを知っておいていただければと思います。

順番を変えるだけで効きが変わる

私たちが個人宅で組み立てる順番は、おおむね次のとおりです。

  • 1日目:糞と死骸の拭き取り、餌になるものの撤去、段ボールの処分
  • 2日目:冷蔵庫裏・シンク下・洗濯機パン下に毒エサを分散設置
  • 3日目以降:通り道と侵入口に残効性薬剤、粘着トラップで生息確認
  • 2週間後:トラップの捕獲数を見て、設置場所を組み替える

拭き取りを先に置く理由は、ここまで述べたとおりです。誘引の目印を消してから毒エサを置くと、ゴキブリが選ぶ先が毒エサだけになります。順番が逆だと、糞のほうが強い目印として残り続けます。

【状況別の対応】もう潰してしまった/毎日出る/急に見なくなった

同じ「ゴキブリが減らない」という状況でも、置かれている段階によって次の一手は変わりますので、ご自身がどれに当たるか、照らし合わせてみてください。

いまの状況 起きていること 次の一手
さっき潰してしまった 床に糞と体液が残り、誘引の目印になっている 中性洗剤で拭き上げ、周囲1メートルまで広げて清掃
毎日1匹以上見る 屋内に定着し、繁殖が回っている段階 毒エサを3か所以上へ分散。卵鞘の捜索を並行
小さい個体をよく見る 屋内で孵化している。侵入ではなく繁殖 専門業者による生息調査を検討する段階
急に見なくなった 季節要因の可能性。潜伏しているだけのことも 粘着トラップで生息の有無を確認してから判断



【状況別の対応】もう潰してしまった/毎日出る/急に見なくなった

「小さい個体(ゴキブリ)をよく見る」という場合は、対応を急いでください。小さな個体は屋外から入ってきにくく、屋内で生まれた可能性が高いためです。

すぐに済ませたいゴキブリ対策

  • 仕留めた場所と、その周囲1メートルを中性洗剤で拭き上げる
  • シンクの水気を拭き、三角コーナーの生ゴミを袋ごと屋外へ
  • 段ボールと古紙の束を室内に置いたままにしない
  • 冷蔵庫の裏と洗濯機パンの下を懐中電灯で確認する
  • 排水口のトラップに水を溜め、乾いていないかを見る

5つとも道具はほぼ不要です。最後の排水口は見落とされやすく、長期の旅行明けなどで封水が乾いていると、そこが通り道になっているということもあります。

【関西の住まい事情】大阪ミナミの飲食店密集地と築古マンションで減らない理由

関西の住宅事情には、ゴキブリが居つきやすい条件がそろっています。梅雨から夏にかけての高温多湿はその代表です。

ゴキブリの潜伏場所として、「暖かい所・暗い所・エサに近い所・湿気のある所・狭いすきま」が挙げられ、大阪や神戸の市街地に多い築年数の経ったマンションは、この5つが重なりやすい造りになっています。

関西の都市部の飲食店が近い立地での被害の特徴

大阪ミナミや神戸三宮の周辺のように、1階が飲食店で上階が住居という建物では、厨房で増えたチャバネゴキブリが配管や壁の隙間を伝って上がってきます。ご自宅の衛生状態とは無関係に持ち込まれるため、居室側だけの対策では追いつきません。

築年数の経った建物での被害の特徴

配管の貫通部にできたわずかな隙間、玄関ドアの下端のたわみ、エアコンのドレンホースの開口部などは、どれも数ミリの通り道です。物のへりに沿って歩く隅走行性を踏まえると、壁際と配管まわりが主要な動線になります。

まとめ:ゴキブリを殺すのをやめる必要はない

「殺すと増える」は、3つの話が混ざって生まれた言い伝えであり、卵がばらばらに飛び散ることはなく、数を増やしているのは殺した行為そのものではありません。

減らない本当の理由は、その場に残る糞と死骸が集合フェロモンの目印となり、次の個体(ゴキブリ)を同じ場所へ導いていたことにあります。だからこそ、仕留めたあとの拭き取りが最初の一手になります。

すぐに対応すべきなのは、次の3つです。

  • 仕留めた場所と周囲1メートルを、中性洗剤で拭き上げる
  • スプレーだけで終えず、毒エサと残効性薬剤で隙間の群れを狙う
  • 1週間の目撃数を数え、5匹以上か幼虫を見たら調査を依頼する

どうしても自分での対策が難しい場合、プロの駆除会社に頼るのも一手です。関西エリアでゴキブリ駆除業者に相談しようとお考えの方は、トータルクリーンまでお電話いただければと思います。

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