「マットレスは洗えないけどダニが気になる」という問題について、ベストな対応方法は何か気になる方は多いと思います。
この記事では、マットレスのダニをどうにかしたいという方向けに、家庭でできる対策を解説していきます。
株式会社トータルクリーンの工務部門のリーダーとして入社21年、6,000件以上の作業実績を積んできた三浦が、現場で培ってきたノウハウをもとにお伝えします。
マットレスのダニ駆除には、目的が2つあります。刺され対策として考えるか、アレルギー対策として考えるかで、狙うべき相手も、正解の手順も変わってきますので、ポイントをみていきましょう。
-
-
0120-005-713

Table of Contents
マットレスのダニ駆除は「刺され対策」と「アレルギー対策」で手順が変わります
前提として、マットレスのダニ対策は、刺されて困っているのか、アレルギーが心配なのかで、対処の順番・方法が異なります。
- 刺されないようにする対策は、実際に肌を刺してくるツメダニやイエダニを減らすことが目的
- アレルギー対策は、チリダニの死骸やフンをホコリごと取り除くことが目的
大阪府も、ダニアレルギー対策について「ダニを駆除するだけではなくダニをホコリごと除去することが必要です」と案内しています。駆除と除去は、別の作業だということです。
出典:大阪府「ダニとアレルギーの関係」
目的が違えば、優先すべき手順も変わります。整理すると、次のようになります。
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 刺されない対策 | ツメダニ・イエダニを減らす。畳やじゅうたん、寝具の奥まで掃除機と薬剤処理で対応する |
| アレルギー対策 | チリダニの死骸やフンをホコリごと除去する。掃除機がけと湿度管理が中心になる |
朝起きて肌に赤い腫れがあるなら刺されないための対策、喘息や鼻炎、アトピー性皮膚炎といった症状が気になるならアレルギー対策と、まず自分がどちらに当てはまるかを前提を整理した上で対応策を練っていく形になります。
家の中にいるダニの9割以上は、人を刺しません
よくお客様から意外といわれるのですが、家の中にいるダニの9割以上は、人を刺しません。肌を刺してくるのは、ごく一部の種類だけです。
家屋内に生息しているダニは30から40種といわれ、そのうちチリダニ(ヒョウヒダニ)が90%以上を占めています。チリダニとは、家の中にもっとも多く生息していながら、人を刺すことのない種類のダニです。

体の大きさと特徴を整理すると、次のようになります。
| 種類 | 体長 | 特徴 |
|---|---|---|
| チリダニ | 約0.4mm | 人を刺すことはなく、死骸やフンがアレルギーの原因になります |
| ツメダニ | 約0.5〜1mm | 人を刺し、強いかゆみを起こします |
| イエダニ | 約1mm | 通常はネズミを吸血して生きているダニです |
家の中でいちばん数が多いのはチリダニで、実際に肌を刺してくるのは、そのうちのごく一部なんです。
刺しているのはツメダニ|刺されて8〜48時間後に赤く腫れる
寝具まわりで人の肌を刺して強いかゆみを起こしているのは、チリダニではなくツメダニという種類のダニです。

ツメダニに刺されると、刺された瞬間は気がつきません。8〜48時間ほど経ってから赤く腫れて、かゆみが出ます。かゆみは1週間ほど続き、あとがしばらく残ります。寝ている間に刺されても、その場では気づかないということです。
面倒なのは、ツメダニが自分だけで勝手に増えるわけではないという点です。
京都市によると「チリダニが大量に発生すると、このチリダニをエサとして、人を刺すツメダニが大量に発生する場合があります」とされています。
こまめな掃除機がけがすすめられるのも、表面に出てきたツメダニを直接取り除けるうえに、エサとなるチリダニやコナダニが減ることで、間接的にツメダニが減っていくという点が背景にあるからです。
イエダニが出ているなら、犯人はネズミ?
肌を刺される被害が続いていて、部屋にネズミの気配があるなら、疑うべきはイエダニです。
イエダニは、本来はマットレスではなくネズミを住みかにするダニで、クマネズミやドブネズミの血を吸って生活していて、春や秋の発生ピーク時には、ネズミの巣から人に移って激しく吸血します。
マットレスや寝具をどれだけ処理しても被害が止まらないなら、天井裏や壁の中で物音がしていないか、ネズミにかじられた食べ物がないか、一度確認してみるべきです。
刺され続けているなら、疑うべきはマットレスの外
マットレスを何度処理しても刺され続けるなら、発生源がマットレスの外にある可能性を考えてください。
家の中でダニのアレルゲンが多い場所は「じゅうたんが圧倒的に量が多く、以下たたみ、板の順です」とされています。
出典:大阪府「ダニとアレルギーの関係」
マットレスを和室に直接置いていたり、カーペットの上に置いていたりする場合は、その下や周囲を疑ってみてください。
尼崎市のマンションで実際にあった事例でも、就寝中にダニに咬まれて背中や腕に湿疹の被害が出たご婦人から、駆除のご依頼をいただきました。このときも処理したのは、寝室として使われていた和室そのものです。押入れの寝具類と部屋全体を対象にしています。
のダニ駆除の事例-1024x536.jpg)
ダニ駆除の関連事例:尼崎市・マンション(個人宅)のダニ駆除の事例
それでも刺され続けるなら、ダニではない可能性があります
対策をしても刺される状態が続くなら、ダニ以外の虫を疑ったほうがいい場合もあります。
朝起きると体に赤い斑点があり、夜中にかゆみで目が覚めるこというような状態が続いているなら、刺しているのはダニではなく、トコジラミ(南京虫)の可能性もあります。
症状だけで、ダニによる被害かトコジラミによる被害かを見分けるのは簡単ではありません。刺され方の特徴や、それぞれの見つけ方は別の記事にまとめていますので、もしかしたらトコジラミかも、と思った方は参考にしてください。
市販のくん煙剤を焚いても、マットレスのダニが減りにくい理由
「とりあえず、くん煙剤を焚けばいい」と考える方も多いですが、マットレスのダニについては、それだけで解決しないことがあります。
理由は2つあります。
1つ目は、くん煙剤が効くダニが限られることです。京都市はイエダニへの対策として「イエダニは、他のダニに比べ、くん煙剤が有効な場合があります」と案内しています。裏を返すと、チリダニやツメダニについては、イエダニに対してほど効かない可能性があるということです。
2つ目は、ダニが潜む場所です。家屋内のダニは暗いところを好み、畳・じゅうたん・寝具・衣類・ぬいぐるみなどに潜って産卵すると言われています。なので、マットレスの内部に潜られてしまえば、部屋の空間に薬剤を広げるだけでは届かないんです。

実際に、当社が対応した神戸市中央区・会社事務所のダニ駆除の事例でも、お客様は市販のくん煙剤を10回ほど焚いてから依頼されています。
事務所兼、宿泊所として利用されている会社で、ダニが湧いて体を刺される被害があり、ご自分で試された市販の薬剤では効かなかったとのことでした。12㎡ほどの事務所に、薬剤入り炭酸ガス、ハンドスプレイヤーによる薬剤散布、最後に空間噴霧という手順で対応しています。
くん煙剤を否定しているわけではありませんが、マットレスの奥や部屋の隅々まで届かせるには、部屋ごと処理するという発想が必要という点は理解しておいた方がいいかと思います。
マットレスは干せない・洗えないという問題点

ネット上で推奨されているダニ対策の中には、マットレスでは実行できないものが混じっています。
寝具のダニ・アレルゲン対策について、一般的に言われている対策は以下です。
- シーツを外して掃除機をかける
- 週に1回を目標に、布団1枚約1分30秒かける
- 布団、毛布の水による丸洗いは、ダニアレルゲン除去に有効
現実的に考えると、家でできる対処として、この中でマットレスに使えるのは、シーツを外して掃除機をかけることくらいです。
水による丸洗いはできませんし、布団のように外に干すこともできません。家庭でできることには、もともと限界があります。
熱を加えるという手も、マットレスでは簡単ではありません。家庭のダニの中でもっとも数が多いヒョウヒダニは乾燥と高温に弱く、約50℃で死にます。ツメダニを退治するにも50℃以上の温度が必要で、天日干しだけでは日陰にまわられてしまうため、殺虫剤も併用することになります。コナダニにいたっては、60℃以上で1時間の加熱が必要です。
布団であれば天日干しで表面温度を上げられますが、ご自宅のマットレスを立てかけて外に運び出すところを想像すると、非現実的ですよね。
家庭でできるマットレスのダニ対策|掃除機の当て方と湿度の管理
整理すると、マットレスのダニ対策として家庭でできることは、掃除機のかけ方と湿度の管理に絞られます。
ここから、家庭でできるマットレスのダニ対策の手順をステップ別に解説していきます。
ステップ①|シーツを外して、掃除機をゆっくりかける
シーツを外して、掃除機をマットレスの表面にゆっくり当てるところが、家庭でできる対策の最初のステップです。
マットレスは布団より表面積が広いぶん、同じ感覚でかけると時間が足りません。時間を計るより、表面全体に掃除機の先端がまんべんなく触れたかどうかを基準にしてください。
ステップ②|部屋の湿度を60%より下げる
ダニが繁殖する条件は温度と湿度ですが、このうち家庭で現実的に手を入れられるのは湿度のほうです。
ダニが繁殖しやすい条件は、温度20〜30℃・湿度60〜80%とされています。コナダニについては、60%以下の低湿度が効果的です。温度を下げるには冷房が要りますが、湿度なら除湿機や換気で対応できます。
最近の住宅は気密性や断熱性が高まり、暖房の普及によって年中ダニが繁殖しやすくなっていますので、梅雨の時期に限らず、湿度は年間を通して見ておいてください。
ステップ③|マットレスの下と、部屋の床を同時にやる
マットレスだけを掃除しても、床にダニが残っていれば、そこからまた戻ってきてしまいます。
家の中でアレルゲンが多いのはじゅうたん、次いで畳、板の順です。マットレスの下や周辺の床も、同時に掃除機をかけてください。家屋内のダニは暗いところを好むため、マットレスの底面と床のあいだは、まさにその条件に当てはまります。

マットレスのダニ駆除でやりがちな失敗
良かれと思ってやっていることが、かえってダニ被害を悪化させている場合があります。いくつか例をご紹介します。
NG①|天日干しして、表面をたたく
天日干しをして表面をたたくだけでは、ダニもアレルゲンも除去できないうえに、かえって逆効果になることがあります。
布団の上げ下ろしをするときには、室内の空中のダニアレルゲン濃度は通常の1,000倍に達することもあると言われているので、注意してください。
布団を持ち上げたり、たたいたりすると、死骸やフンは空気中に舞い上がります。良かれと思ってやっている行動が、部屋の空気を汚す結果になります。
NG②|刺され対策のつもりで、防ダニシーツだけを買う
防ダニシーツを買っただけでは、実際に人を刺すツメダニやイエダニへの対策としては足りません。
実際に人を刺すツメダニやイエダニの発生源は、シーツの外にある畳やじゅうたんです。シーツだけを変えても、発生源そのものは残ります。刺され対策として買うなら、部屋の床側の対策と一緒に考えるべきです。
NG③|刺されている最中に、寝室を変えずに様子を見る
刺され続けているのに寝室を変えずに様子を見ていると、それだけ被害の続く期間が長くなります。
ツメダニに刺されたときのかゆみは、1週間ほど続き、あとがしばらく残ります。何日も掻き続ける状態を、そのままにしておくのは避けた方が無難です。
自己判断で様子を見るより先に、皮膚科への受診を検討してください。
NG④|冬になったから、もう大丈夫だと考える
冬になったからもう安心という判断は早計で、暖房の効いた住宅では季節を問わずダニが繁殖します。
通常、ダニは梅雨時期から9月頃にかけて繁殖して冬に減少しますが、最近の住宅は気密性・断熱性が高まり、年中繁殖が可能になってきています。
当社に寄せられるご依頼も、この傾向と重なります。サイトで公開しているダニ・ノミ駆除の月別実績を2018年から2023年の6年分で合計すると、7月が22件でもっとも多く、1月は4件、2月は2件、3月は3件でした。少ないながらも、ゼロではありません。
先ほどご紹介した尼崎市のマンションでのダニ駆除の事例も、施工したのは11月です。「夏だけ」「冬は来ない」という線引きは、実態に合っていません。

プロはマットレスのある部屋を、どう処理するのか
マットレスのダニ駆除は、マットレス単体ではなく、部屋ごとまとめて処理するのが基本になります。
当社のダニ駆除は、室内の床面への薬剤散布と、室内への薬剤空間噴霧を基本にしています。マットレスではなく部屋を対象にしているのは、発生源が部屋の側にあるからです。
当社で対応した、尼崎市のマンションのダニ駆除の事例では、押入れの中の寝具類には炭酸ガス系の薬剤噴霧、部屋内には薬剤入りの空間噴霧で対応しました。薬剤噴霧後は、約2時間ほど締め切った状態で留守にしていただき、戻ってから換気すれば、普通に部屋を使用できる状態になるように対処いたしました。
この事例では、お客様がトイプードルを飼っていましたが、薬剤噴霧から時間を置けばペットにも安全だと分かって安心した、と話されています。
マットレスに対するダニ対策だけを丁寧にケアしても、部屋がダニにとって快適な環境のままなら、堂々巡りという点は理解しておいてください。
ダニ検査|見えないダニの数を、数値で確かめる方法
マットレスにダニがいるかどうかは、目で数えるのではなく、専用の検査キットで数値として確認できます。
当社のダニ検査は、ダニの発生しやすい場所(カーペット・畳・布製ソファーなど)で約1㎡(1m×1m四方)を電気掃除機で1分間吸引してダニを捕集し、抽出液でアレルゲンを抽出したうえで、専用チェッカーで判定するという手順です。判定は4段階に分かれます。
| 判定 | 数値 | 内容 |
|---|---|---|
| ++ | 35μg(350匹超)/㎡ | 通常よりダニアレルゲンレベルが多く、除去が必要 |
| + | 10μg(100匹超)/㎡ | 一般家庭の通常レベル |
| +− | 5μg(50匹超)/㎡ | 良好なレベル |
| − | 1μg(10匹超)/㎡ | 非常に快適な状態 |
当社のダニ駆除のページでは、文部科学省の判定基準として「ダニ数は100匹/m2以下、または、これと同等のアレルゲン量以下であること」という基準もあわせて紹介しています。
マットレスのダニ駆除でよく聞かれること
マットレスのダニを全滅させることはできますか?
「1匹残らず全滅させたい」というお気持ちはよく分かりますが、それは目標としては現実的ではありません。
実はどこの家にもたくさんのダニがいます。大半のダニは人間生活に影響を与えることはありませんので、ゼロを目指すのではなく、基準以下に抑えて維持することが現実的な目標になります。
マットレスのダニに殺虫剤を直接スプレーしてもいいですか?
殺虫剤を使うこと自体は選択肢のひとつですが、その前に確認していただきたいのは、使う場所です。
人を刺すツメダニは、畳やじゅうたんによく発生します。マットレスの表面だけにスプレーしても、発生源はそのまま残ります。刺され被害が続いているなら、床側にも目を向けてください。
マットレスに直接使ってよい製品かどうかは、素材や製品ごとに異なります。一律にお伝えできる数字はありません。パッケージに記載された使用方法と対象範囲を確認したうえで、判断に迷う場合は当社のような専門業者にご相談ください。
賃貸マンションでも作業できますか?
賃貸にお住まいの場合でも、マンションでのダニ駆除の作業そのものは問題なくおこなえます。
尼崎市のマンション個人宅でも、賃貸物件でしたが駆除作業をおこないました。ただし、作業内容によっては確認が必要になることもあります。お問い合わせの際に、建物の種類をお伝えください。
まとめ|マットレスのダニは「全滅」ではなく「基準以下」を目指す
マットレスのダニ対策は、刺され対策とアレルギー対策を分けて考えることから始まります。
- 刺されているならツメダニやイエダニを、アレルギーが心配ならチリダニの死骸やフンを、それぞれ狙って対策します
- 発生源はマットレスの外、畳やじゅうたんにあることがあり、マットレス単体の処理では戻ってきます
- 家庭でできるのは、シーツを外した掃除機がけと、湿度を60%より下げることです
- 目標は全滅ではなく、基準値以下に抑えて維持することです
当社は日本ペストコントロール協会の正会員として、兵庫・大阪・京都の市や区役所などの公的機関からもご依頼をいただいてきましたので、マットレスのダニでお困りの際は、まず当社までお気軽にご相談ください。

































