- コウモリ駆除にハッカ油が使われる理由
- ハッカ油スプレーの作り方と使用上の注意点
- ハッカ油を使わないコウモリ駆除の方法
自宅に棲みついたコウモリ駆除の方法として、ハッカ油は有効な手段の一つですが、取り扱いには注意が必要です。
今回は、コウモリ駆除にハッカ油が使われる理由と、ハッカ油スプレーを自作する際の注意点などを記事にしました。
目次
なぜコウモリ駆除にはハッカ油が使われるのか
コウモリは、我々にとってやっかいな害獣ですが、蚊などの害虫を捕食するため益獣とも呼ばれます。
コウモリ駆除にハッカ油を使用する理由は、法律やコウモリの性質が関係しているので、はじめに理解しておきましょう。
コウモリは殺処分や捕獲してはいけません
大前提として、コウモリは鳥獣保護法で守られており、許可なく捕獲したり殺傷すると罰せられます。
しかも保健所や市役所にコウモリ駆除の依頼をしても、対処法などのアドバイス程度しかもらえません。
コウモリは自身で対策するか、業者に駆除の依頼をするしか方法はないのです。
嗅覚が優れたコウモリはハッカ油の臭いが大嫌い
コウモリは超音波を使って周囲の状況を認識しますが、嗅覚も非常に発達しています。
ハッカ油の香りはコウモリにとって不快な臭いのため、忌避剤として使用されます。
しかもハッカ油は天然由来で作られているので、殺処分できないコウモリにはうってつけなのです。
コウモリ駆除以外にもハッカ油は効果的
ハッカ油はコウモリ以外にもネズミ・イノシシ・ハクビシンなどの害獣避けとしても使われます。
動物以外にも、蚊・ゴキブリ・ダニなども寄せ付けないので、ハッカ油スプレーを網戸などに吹き付ければ、害虫の侵入防止になります。
衣服や持ち物にスプレーすれば、虫除けにもなるので、夏場の外出にはもってこいですね。
他にも抗菌消臭やリラックス効果もあるので、芳香剤や入浴剤など幅広く利用できます。
ハッカ油を使用する際に注意すべき3つのこと
害獣・害虫駆除をはじめ、さまざまな効果があるハッカ油ですが、注意すべき点が3つあります。
人体に悪影響を与えることもありますので、使用の際には注意しましょう。
妊婦さん、赤ちゃんには注意が必要です
ハッカ油は妊婦さんに悪影響をおよぼす成分が含まれており、身体の温度も下げるので、妊婦さんが居るなら、使用を避けた方が良いでしょう。
また原液が直接皮膚に付着したり、目に入ると炎症を起こす恐れがあります。
赤ちゃんや幼児は皮膚が弱いため、薄めたハッカ油スプレーでも、直接塗布するのは危険です。
子どもがハッカ油で遊んだり、飲んだりしないよう、手の届かない場所に厳重に保管しましょう。
嗅覚の優れたペットは不調を起こす場合もある
ハッカ油は害獣駆除に効果がありますが、猫や犬・ハムスターの他に、インコなどの鳥類もこの臭いを嫌います。
自宅でペットを飼っていてハッカ油を使用する場合は、使用しない方が無難です。
ハッカ油は可燃性のため火気厳禁
ハッカ油は80度でも引火する恐れがあるため、ストーブやファンヒーターなど、火気の近くでの使用は厳禁です。
冬場に発生しやすい静電気も引火の原因になりますので、静電気を逃がしてから使用してください。
ハッカ油スプレーでコウモリを駆除する方法
妊婦さんや赤ちゃん、ペットなどの心配がないなら、ハッカ油スプレーでコウモリ駆除をしてみましょう。
コウモリ駆除の場合、ハッカ油スプレーを1日〜2日の間隔でスプレーしないと効果がありません。
ハッカ油スプレーはホームセンターなどで売られていますが、費用を抑えたいのであれば、自作をおすすめします。
自宅でできるハッカ油スプレーの作り方
ハッカ油スプレーの自作は意外と簡単ですが、注意点がありますので覚えておきましょう。
ハッカ油スプレーに必要なアイテムと注意点
- ハッカ油( 皮膚につけない、目に入れない、火気厳禁、要換気)
- 無水エタノール(皮膚につけない、目に入れない、火気厳禁、要換気)
- 精製水(飲料ではありません、誤飲に注意)
- スプレーボトル(アルコール耐性のないポリ製は変形や溶ける可能性あり、ガラス製推奨)
ハッカ油スプレー約50mlを作る分量と手順
- ハッカ油 5滴(目安です)
- 無水エタノール 5ml
- 精製水 45ml
ハッカ油と無水エタノールを先に混ぜて、精製水を加えてスプレーボトル内でしっかり振って混ぜ合わせます。
ハッカ油の分量は目安なので、臭いの程度を確認しながら調整して下さい。
無水エタノールはハッカ油同様に引火しやすいですし、精製水も飲んではいけません。
保管場所は火気や高温を避け、子どもの手の届かない所に、まとめて保管しましょう。
作る時に原液に触れたり、目に入らないよう、メガネ・ゴム手袋・マスクを装着すると安全です。
アルコール耐性のないポリ製の素材は、溶けたり変形するので、耐性のあるポリまたはガラス製のボトルを使いましょう。
隙間の奥にもスプレーできるように、ノズルの長いものならなお良いです。
コウモリ駆除に効果的なハッカ油スプレーの使い方
コウモリの巣や糞などには、ダニや病原菌が潜んでいる可能性があります。
病原菌で汚染された粒子を吸い込んだり、肌にダニが付着したりしないよう、長袖長ズボン・メガネ・マスク・帽子・ゴム手袋など、完全防備で臨んで下さい。
ハッカ油スプレーをする時は、コウモリの巣や周辺・玄関・窓・通気口など、出入りが可能と思われる全ての箇所に吹き付けます。
風向きによってはスプレーしても効果がなかったり、返って自分が浴びることになるので注意して下さい。
ハッカ油スプレーは作って時間が経つと効果が弱まりますので、駆除する時に作って使い切る方が良いです。
使いきれず残った場合、遅くとも1週間以内には使い切りましょう。
コウモリ駆除はハッカ油以外でもできるの?
基本的にコウモリ駆除は、追い出して再度侵入されなければ良いので、ハッカ油スプレー以外にも様々な方法があります。
コウモリを寄せ付けないハッカ油以外の臭いとは
コウモリはナフタレンや蚊取り線香の匂いも苦手です。
しかしナフタレンは、人体に悪影響を与える可能性があります。
蚊取り線香は火を使用するため、火災予防の観点から屋根裏などに置くことは、おすすめできません。
他にも害虫用の燻煙剤が効果的という記事もありますが、逆効果になる場合もあります。
光や超音波はコウモリには効果が続かない
コウモリは夜行性のため、まぶしい光で駆除できると思われがちですが、効果は最初だけで持続しません。
CDなどを紐で吊るして、反射でキラキラさせるやり方も見かけますが、実はこれも効果はほとんどないです。
超音波も最初は嫌うようですが、時間が経つとコウモリが慣れて適応してしまいます。
ハッカ油を使わない駆除はプロに相談してみましょう
コウモリは一度巣から追い出しても、元いた場所に戻ってくる性質があります。
しかも1cmほどのすき間があれば侵入してくるので、完全に駆除することが難しい動物です。
加えて法律により捕獲も殺処分も出来ないので、多くの人が駆除しきれず、頭を悩ませています。
そんな中でハッカ油は、コウモリを寄せ付けない効果が認められています。。
しかし妊婦さんや赤ちゃんが同居していたり、ペットがいて、使えない状況なら、プロに相談してみましょう。
コウモリ駆除の実績が豊富な会社なら、ハッカ油を使わない駆除の仕方や、侵入を防ぐノウハウなども教えてもらえます。
ハッカ油スプレーを検討する前に、プロに相談だけでもしてみると良いかもしれませんね。