新型コロナウイルスの流行により、ウイルスや菌の消毒を請け負う業者が増えています。
そんな中、日本ペストコントロール協会に加盟している業者が注目されるようになりました。
なぜなら日本ペストコントロール協会に入っている業者は、ウイルスや菌の消毒、害虫駆除など、必要なライセンスを持っているため、安心してサービスを受けることができるからです。
日本ペストコントロール協会は、業界の基準を設け、業者がその基準を守ることを求めています。
つまり、日本ペストコントロール協会に加盟している業者は、信頼できると言えます。
信頼できる業者に頼んで安心なサービスを受けたい、そんな人はまずは依頼する業者が日本ペストコントロール協会に加盟しているかどうかを確認してみるのが良いかもしれません。
本記事を読めば、日本ペストコントロール協会とはどんな組織なのか、そして、なぜ日本ペストコントロール協会に加盟している業者が安心なのかがわかります。
目次
ペストコントロールとは
ペストコントロールのペストとは、13~14世紀にヨーロッパに大流行した伝染病です。
大流行の原因は、当時のヨーロッパの人口増加にともなう衛生環境の悪さと言われています。
特にペストの原因となる、ヤーシン菌を保菌するイエネズミの大量繁殖に、大きな原因があると考えられています。なんとヨーロッパの人口の1/3が亡くなる悲惨な状況でした。
このように、ネズミなどのいわゆる「有害生物」は感染症を含め、様々な悪影響を人間社会に及ぼします。
そこで、有害生物あるいはそこから発生する感染症などを「コントロール」して、人々の生活環境を守ろうという、様々な活動、作業を「ペストコントロール」と言うようになりました。
具体的には、建物や施設などで発生する害虫(例えば、ゴキブリ、ハエ、ネズミなど)や、ウイルスや菌などを駆除するための活動のことです。
ペストコントロール協会に加盟している業者は、特別な技術や機器を用いて、害虫の発生源を特定し、適切な駆除方法を選択して原因を取り除きます。
また、予防策として、建物の衛生状態を維持するためのアドバイスや、害虫、ウイルスや菌が発生しにくい環境整備を行うことも。
ペストコントロールは、衛生面や健康面を守るために必要な作業で、最近はさらにその重要性が増しています。
日本ペストコントロール協会とは
日本ペストコントロール協会は、日本害虫防除連合会設立総会を母体として、1971年に設立されました。
国内における害虫・害獣の駆除や防止に関する業界団体で、「Japan Pest Control Association」の頭文字を取ってJPCAとも言います。
日本ペストコントロール協会の概要
日本ペストコントロール協会は、全国規模で加盟企業を募集し、現在は全国47都道府県に支部がある公益社団法人です。
本部は東京都にあり、各都道府県の支部は、地域に特化した害虫・害獣の駆除や防止に関する技術や情報の提供を行っています。
名称 | 公益社団法人 日本ペストコントロール協会(略称 JPCA) |
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設 立 | 昭和43年11月15日 (社団法人認可 昭和47年3月13日) (公益社団法人移行 平成25年4月1日) |
所在地 | 東京都千代田区神田鍛冶町3-3-4 サンクス神田駅前ビル3F |
所 管 | 内閣府 |
主務省庁 | 厚生労働省・環境省 |
会員数 | 連携会員 47協会(各都道府県ペストコントロール協会) 所属会員 934社(2021年3月末現在) 賛助会員 40社( 〃 ) |
組織 | 全国8地区本部 各都道府県協会 |
役員数 | 会長1 副会長3 常務理事1 理事15 監事2 |
公式サイト | https://www.pestcontrol.or.jp |
加盟企業は、害虫・害獣の駆除に関する専門知識や技術を持ち、法的な規制に従いながら、安全かつ効果的な駆除を行うことが求められます。
また、消費者に対しては、信頼性の高い駆除業者を紹介することで、安心して利用できる環境を提供しています。
日本ペストコントロール協会は、加盟企業向けに様々なサービスを提供しています。
例えば、技術的な情報の提供や研修会の開催、法律や規制に関する情報提供、マーケティング支援などです。
また、消費者に対しては、公式ウェブサイトやフリーダイヤルによる相談サービスも行っています。
他にも協会として、2018年におこなった「全日本ペストコントロール技術競技大会」などユニークな取り組みもあります。
この競技大会は、日本ペストコントロール協会加盟企業の技術者による害虫・害獣駆除技術の競技会で、実際の駆除に必要な技術や知識を競い合うものでした。
このような取り組みを通じて、日本ペストコントロール協会は加盟企業の技術力向上や業界の発展に貢献しています。
ペストコントロール優良事業所認証制度
ペストコントロール優良事業所認証制度は、日本ペストコントロール協会が実施している認証制度です。
ペストコントロール協会に加盟している企業の中でも、優れた技術力やサービス品質を持つ企業に対して与えられるものです。
この認証制度の特徴は、以下の通りです。
厳格な審査基準
ペストコントロール優良事業所認証制度の認証を取得するには、日本ペストコントロール協会が設けた厳しい基準に沿って評価されます。
その基準には、駆除技術や業務管理、環境への配慮、各種保険への加入などが含まれます。
厳格な審査基準を採用していることが、この認証制度の価値です。
優良企業の証明
ペストコントロール優良事業所認証制度によって認証を取得した企業は、日本ペストコントロール協会が認めた優良企業として広く認知されます。
そのため、消費者からの信頼性や信用性が高まります。
協会内での差別化
認証制度に参加することで、認証を取得していない企業との差別化が図れます。認証を取得した企業は、高い技術力と品質を有していることが証明されるため、認証を取得していない企業に比べて優位な立場に立てます。
業界の注目度が増すにつれて、今後さらに依頼する側のニーズも高まっていく方向です。
顧客満足度の向上
ペストコントロール優良事業所認証制度によって認証を取得した企業は、高い技術力や品質を有していることが証明されるため、顧客からの満足度が向上することが期待できます。
それに伴って、リピート率の向上や口コミでの紹介など、良いサイクルが回ることで企業も顧客も双方にとって良い影響を与える可能性が高まります。
ペストコントロール技術者認証制度
ペストコントロール技術者認証制度は、日本ペストコントロール協会が実施している技術者認定制度です。
この制度は、ペストコントロールの技術者に対して、適切な知識や技術を有していることを証明するための認定制度として設けられています。
資格には1~3級、そして名誉技術者の4つの種類があります。
これらの資格には、それぞれのレベルに応じた講座の修了、関連業務への従事年数など、認定されるためには一定の条件があります。
認定された技術者は、日本ペストコントロール協会の公式認定技術者として認知され、高い技術力と知識を有することが証明されます。
この制度に参加することで、ペストコントロールに関する高い技術力を証明でき、顧客からの信頼性が高まることでしょう。
また、資格保有者自身も、より高度な知識や技術を学ぶことでスキルアップが図れて企業にとってもメリットがあります。
なお名誉技術者については、1級技術者で満70歳に達した方が申請をすることで取得可能です。
ペストコントロール技能師認証制度
ペストコントロール技能師認証制度は、上記で解説したペストコントロール技術者認証制度とは異なる認定制度です。
名前が紛らわしいですが、ペストコントロール技能師認証制度は、ペストコントロールの作業現場において適切な技術と安全性を有していることを証明するための認定制度です。
この資格は、「ペストコントロール技能師認証講習会」を受講して、考査に合格してはじめて認定されます。
ペストコントロール技能師認証制度は、より現場での実際の作業にフォーカスした資格です。
資格を取得するには、まず一次でeラーニングによる学科を受講し考査に合格する必要があります。
一次を通過すると二次では実技講習及び考査があり、こちらも合格するとペストコントロール技能師として認証されます。
日本ペストコントロール協会会員企業に依頼するメリット
日本ペストコントロール協会会員企業は、上記でも解説したとおり厳格な審査基準をクリアした優良企業が集まっています。
そのため、会員企業に依頼することで得られるメリットがあります。
特に本記事で取り上げたいメリットは3つ。
- 安心して依頼できる信用
- 確かな技術と資格の裏付け
- 最新情報の把握
安心して依頼できる信用
日本ペストコントロール協会会員企業には安心して依頼することができる信用があります。
日本ペストコントロール協会は「公益社団法人」であり、その名のとおり「公益」に資することを目的とした法人です。
国や自治体の厳格な審査のもと、はじめて公益社団法人を名乗ることができるのです。
当然、その事業の一環で行われている各種認証にも公益性が認められなければなりません。
信用問題にも関わるので、適正ではない企業が会員になったり、技術のない人が資格を取得することは厳しく制限されています。
厚生労働省などの監督を継続的に受けなければいけないというのも、信用を補完してくれますね。
確かな技術と資格の裏付け
日本ペストコントロール協会会員企業に依頼した場合、迅速かつ適切な対応をしてくれることが期待できます。
特にペストコントロール優良事業所認証を受けている企業からは、さらに確かな技術と資格に裏付けられたサービスを受けることができるはずです。
一方、会員企業でない企業に依頼する場合は、ダメというわけではないですが、技術の水準や対応力が不確かなため、安心感という面では、どうしても不安が残るでしょう。
特に病院や高齢者施設、他にも飲食店など、その影響が大きい業態では、会員企業に依頼してリスクを減らすメリットは大いにあるはずです。
最新情報の把握
日本ペストコントロール協会は、新しい技術や情報を積極的に取り入れ、会員企業向けにペストコントロールの技術向上の施策を図っています。
そのため、会員企業は最新情報にいち早くキャッチアップしているため、最新の対策方法や情報を把握した上で各種対応をしてくれるはずです。
最近では、やはり新型コロナウイルスへの対応で、厚生労働省などとも連携して、最新の消毒・除菌対策を講じた実績があります。
ウイルス・菌、そして害虫なども、常に進化しているので、最新情報の価値はどんどん上がっています。
他の会員企業から、現場の最新情報を入手できるのも、協会に所属している会員企業の大きな強みですね。
まとめ
本記事では、日本ペストコントロール協会について、およびその会員企業に依頼する利点などについて解説しました。
業者選びの一つの指標として、日本ペストコントロール協会に加盟しているか、各種認証を取得しているか、などを活用すると良い信頼できる良い業者と出逢える確率がアップするかもしれませんね!