- クロアリの種類に関する情報をとても多く得られる
- 日本にはどんなクロアリの種類がいるのかわかる
- 注意すべきクロアリの種類を把握できる
本記事では、可能な限り多くのクロアリの種類を網羅して、解説しています。
家の中でクロアリを見かけた。
庭にいるクロアリはどんな種類なのか?
そのクロアリに危険性はないのか?
気になる人は、ぜひ読み進めてください。
目次
日本には300種類ほどのクロアリがいる
日本には約300種類ほどのクロアリがいます。
ちなみに、クロアリという種類はなく、アリというのが正しい呼び方になります。
シロアリと混同するのを避けるため、クロをつけて呼んでいるのが実態です。
その中で、比較的よくみられる種類のアリを以下に紹介します。
日本でみられるクロアリの種類
300種類もクロアリがいるとはいえ、身近に住んでいてよく見られるのは、それほど多くありません。
そこで、約300種類いるクロアリの中から、実際によく見られるものについて10種類紹介します。
いま、あなたの目の前にいるクロアリは、この10種類に当てはまる可能性は高いでしょう。
- クロヤマアリ
- クロオオアリ
- アシナガアリ
- ムネアカオオアリ
- コツノアリ
- トビイロシワアリ
- ヒメアリ
- サクラアリ
- ルリアリ
- アミメアリ
日本でみられるクロアリの種類① | クロヤマアリ
日本で最もよく見かけるアリは、クロヤマアリです。
体長は4-6mmで灰色もしくは褐色がかった黒色をしています。
日当たりの良い土の中に深さメートルほどの巣を作ります。
日本全国、どこにでも生息しており、公園や庭など、身近な場所でもよく見られる1番身近なクロアリの1つです。
日本でみられるクロアリの種類② | クロオオアリ
クロオオアリも日本全国に広く分布しているアリで、クロヤマアリと同じく、公園や庭など、人間が日常生活を送る場所にいます。
体長は名前のとおり大きく7-12mmで、光沢のない黒色です。
体の大きさの他、腹部に生えている薄い褐色の剛毛が特徴です。
日本でみられるクロアリの種類➂ | アシナガアリ
アシナガアリも日本で多く見られる代表的なアリの一種です。
体長は3-8mmと比較的大型で、名前のとおり、足が長いのが特徴です。
体は光沢があり、褐色で赤味を帯びています。
平地の他、山林や森林などにも生息し、日陰など湿っぽいところに好んで巣を作ります。
日本でみられるクロアリの種類④ | ムネアカオオアリ
日本で最大級の体躯を持つクロアリが、ムネアカオオアリです。
働きアリの体長は8-12mmで、女王アリの体長はなんと16-18mmと人間の小指の先ほどの大きさがあります。
胸部が赤く、頭部と腹部は黒いのが特徴です。
基本的には土の中には巣を作らず、朽木や枯れた木に営巣します。
そのため、山林などでよく見られる種類です。
ちなみに、世界最大のアリは、サスライアリといい、女王アリの体長は40mmまで成長します。
日本でみられるクロアリの種類⑤ | コツノアリ
日本最大級のクロアリを紹介した後は、最小のアリも紹介します。
コツノアリという名前で、働きアリの体長は1mm前後までしか成長しません。
目でやっと確認できるほどの大きさですが、色を確認すると赤褐色なのがわかると思います。
樹林帯などで生息しており、土中や朽木に営巣します。
日本でみられるクロアリの種類⑥ | トビイロシワアリ
トビイロシワアリは日本全国にいますが、特に西南日本ではよく見られるクロアリです。
働きアリの体長は2.5mm程度で、黒褐色です。
名前にも入っていますが、トビイロシワアリの特徴は、頭部に入った縦向きのシワで全て並行に走っています。
石をめくって、その下に穴があったら、トビイロシワアリの巣の可能性が高いです。
また、巣を掘る際に出てくる小粒の土や砂などを巣穴付近にクレーター状に積むの習性があります。
日本でみられるクロアリの種類⑦ | ヒメアリ
北海道や東北など一部の厳寒地域を除いた地域に生息しているのが、ヒメアリです。
体長は小さく1.0-1.6mm程度で、腹部は黒く、その他は金色もしくは透明なオレンジや赤茶色をしています。
樹木や植栽のある場所に営巣するので、都会などでは見かける機会も減ってきています。
雑食性ですが、特に糖類を好むので家の中の食料品に被害を被った人も多いのではないでしょうか?
体長が小さいため、どこにでも侵入してくるので注意が必要ですが、毒などはありません。
日本でみられるクロアリの種類⑧ | サクラアリ
サクラアリも非常に小さなアリで、体長は1-1.5mm。日本全国の草原、林、都会の公園など、様々な場所に幅広く生息していますが、その小ささのため、気づかずに過ごしている人も多いでしょう。
色も淡い褐色のため、あまり目立たないアリです。
人間にとって特に害はありませんが、住宅に営巣することもあります。
その小ささで家の壁のすき間や、床下や屋根裏などに、たまたま飛来した女王アリが住みつくのです。
日本でみられるクロアリの種類⑨ | ルリアリ
ルリアリは関東地方より南に分布する比較的小型のクロアリです。
体長は2.0~3.5mm程度で、体は黒色で光沢があります。
腹部は名前の由来にもなっているとおり、美しい瑠璃色(濃い紫味を帯びた冴えた青色)なのが特徴です。
森や日当たりの良い草地の他、朽ち木や住宅などにも営巣します。
特に梅雨の時期など雨が続くと、避難してきて家の中に営巣することがあります。
日本でみられるクロアリの種類⑩ | アミメアリ
アミメアリは非常に珍しいクロアリで、巣を持たずに集団で移動生活を営んでいます。
行列を作って移動しているアリが地面にいたら、アミメアリかもしれません。
また、アミメアリは女王アリがいなく、働きアリが子を産みます。
体長は2-3mmで、茶褐色、網目状の細かい模様が頭部と胸部に見られます。腹部に関しては黒っぽい色です。
北は北海道、南は沖縄まで、広く分布しているアリで、森や林の石の下や朽ち木の下に集団で潜んでいることが多いです。
【要注意!】日本でみられる外来種のクロアリ3種
日本には海外から入り込んでしまった外来種のクロアリもいます。
そして、そんな外来種の中には危険なクロアリも……。
以下では、日本にいる外来種のクロアリを紹介します。
これらのアリを見かけたら注意してください。
- アルゼンチンアリ
- ヒアリ
- アワテコヌカアリ
日本でみられる外来種のクロアリ① | アルゼンチンアリ
アルゼンチンアリは、1993年に広島県の廿日市市で初めて確認された南米原産のクロアリです。
体長は2-3mmとそれほど大きくはありませんが、食欲が旺盛で非常に攻撃的で素早く動くのが特徴です。
日本の侵略的外来種ワースト100選にも入っていて、かつ特定外来生物にも指定されています。
1つのコロニーに女王アリが複数いて、繁殖力も異常に強いため、巨大な巣を作ります。
中には100kmにわたる巨大コロニーを形成したという海外の事例もあるくらいです。
家の壁にできたヒビや、ちょっとしたすき間に営巣することを好み、1度営巣されるとプロの業者でもない限り、駆除するのは非常に困難です。
毒はありませんが、顎で人を噛むこともあり、中には鳥の巣を攻撃してヒナを殺してしまうこともあります。
日本でみられる外来種のクロアリ② | ヒアリ
ヒアリは、要緊急対処特定外来生物に指定されている、南米原産の危険なクロアリです。
体長は2-6mmと同じ働きアリでも大きさに差があるため、大きさでヒアリかどうかを判断するのは危険です。
体は光沢の赤茶色で、腹部が少しだけ暗めの色をしています。
海外から貨物を輸入する際に持ち込まれたもので、東京、横浜、神戸など、港を持つ地域を中心に確認されています。
港の近くに住んでいる人は注意が必要です。
ヒアリはお尻に針を持っていて、刺されると激しい痛みを伴い、人によっては、その毒でアナフィラキシーショックを起こす可能性があるため、症状が現れた場合は緊急に対処しなくてはいけません。
もし「ヒアリかな?」と思ったら、環境省のヒアリ相談ダイヤル(0570-046-110)に電話をしてください。(環境省ヒアリに関するお問合せ)
日本でみられる外来種のクロアリ➂ | アワテコヌカアリ
アワテコヌカアリは体長1.5mm前後の小型アリです。
熱帯や亜熱帯地域に生息する外来種で、日本では南西諸島や九州南部で見かけます。
また、近年は本州でも生息が確認されています。
体は褐色と淡黄色の2色で縞模様に見えることも。
樹皮下、朽ち木、倒木や石の下などあらゆる場所に営巣します。
人に直接危害を加えることはありませんが、動きがとても早く、家の中に入られると、捕まえたり駆除したりするのは大変です。
クロアリの種類に関するよくある質問
クロアリは何種類くらいいるの?
日本には約300種類くらいのクロアリがいます。
クロアリとシロアリって違うの?
クロアリはハチの仲間ですが、シロアリはゴキブリの仲間なので生物分類学上、全く違う虫です。さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考に読んでみてください。
クロアリは危険じゃないですよね?
種類によっては危険なクロアリもいます。本記事で解説したヒアリなどは危険なクロアリです。記事を参考に種類を見分けてみてください。
クロアリは駆除した方がいいの?
種類によっては駆除した方が良いクロアリもいます。市販のクロアリ駆除剤で駆除する事は可能ですが、種類や使用方法をよく確認してから使ってください。難しい場合は、専門業者に相談しましょう
クロアリの嫌いなものはなんですか?
クロアリに限らず多くの虫は、ハッカ油やミントの香りが嫌いです。アリが家に侵入してくる経路にハッカ油やミントを含ませた水などを少量塗ることで忌避効果があります。
【そのアリ危険かも!?】日本にいるクロアリの種類を解説(まとめ)
日本にはたくさんのクロアリが住んでいます。家の庭や公園などにいる身近なものから、自然が豊富な山や森に行かないと出会えない種類まで、様々です。
最近では外来種も入り込んできています。
普段何気なく見ているクロアリも、家に侵入してきて初めて意識するものです。
もし、被害にあったら、一旦立ち止まって、そのクロアリがどんな種類のクロアリか確認してみてください。
市販の薬で良いのか、業者に相談した方が良いのか、そんなヒントに本記事を活用していただけると幸いです。