断言しますが、筆者の妻や女性の友人などは、ゴキブリを見かけた飲食店には二度と行きません。
なんなら、その場で帰る人も半分以上。しかも、そっと帰ります。
クレームを言われればあなたも気づくと思いますが、そんなことはいちいち言いません。
そっと帰って二度とあなたのお店には来ないのです。
でも、それだけでは不満は解消しないので、周囲の人に「あの店でゴキブリをみた」、「気持ち悪い」や「絶対に行かない方がいい」などとぶちまけます。
飲食店のゴキブリ駆除対策、軽く見ていませんか?
もしくはゴキブリは、飲食店には必ずいるものと慣れてしまっていませんか?
もし、思い当たるのであれば、すぐに対策を打ってください。
「味を磨く」、「新商品を作る」や、「サービスを向上する」、そんなことよりもゴキブリの対策をする方が優先です。
本記事では、飲食店のゴキブリ対策について徹底的に解説します。
記事を読むと自分でできる対策を学べる他、業者に依頼した方が良いケースの判断ができるようになります。
できることは自分でやって、費用を抑えながら、ゴキブリのいない清潔で安心な飲食店にしていきましょう。
目次
飲食店に出るゴキブリはほとんどチャバネゴキブリ
飲食店に出るゴキブリのほとんどは、チャバネゴキブリです。
チャバネゴキブリは10~15mmと小型のゴキブリで温かく、湿気があって暗いところを好みます
寒さに弱く屋外では越冬できないため、屋内のみで生息します。
飲食店にはチャバネゴキブリが好む条件が全てあります。
そしてチャバネゴキブリは、持ち込まれた荷物に卵の付着があった場合や、配管の隙間、排水口やエアコンダクトなどからの侵入により、屋内に被害を及ぼします。
繁殖力が旺盛で、わずかな水分でも長期間生きられるため1度発生すると、駆除するのが難しいゴキブリです。
嬉しいことに羽はありますが、飛ぶことはありません。
飲食店が普段からできるゴキブリ対策
まずは普段からできる飲食店のゴキブリ対策を解説します。
- 排水溝やゴミ箱にフタをする
- 普段から換気に気をつける
- ダンボールを長期間放置しない
何ごとも基本が大事ですが、ここでは「使用済みのお皿はすぐに洗う」、「食材を放置しない」などの飲食店としては、当たり前のことは除いて解説します。
ちょっと面倒かもしれませんが、サラっとでも良いので対策を見直してみてください。
少し意識するだけで、飲食店が普段からできるゴキブリ対策になるものがあります。
飲食店できるゴキブリ対策①排水溝やゴミ箱にフタをする
ゴキブリは排水溝から飲食店の中に侵入してくることがあります。そこで、閉店時に排水溝にしっかりとフタをしてお店を出るようにすると、外から入ってくるゴキブリ対策になります。
またゴミ箱にも必ずフタをしましょう。飲食店のゴミ箱はエサ、湿気、暗さなど、ゴキブリが好む環境の全てがあるので、必ず対策をしないとゴキブリの温床になります。
フタつきのゴミ箱がない場合は購入してください。
飲食店できるゴキブリ対策②換気に気をつける
ゴキブリは湿気を好むので、特に飲食店は普段から店内の換気を意識しましょう。
飲食店であれば、シンク周りは最初に思いつくところですよね。
雑巾などで拭くのはもちろん、除湿剤も置いて定期的に交換すると効果的です。
また、盲点になるのが観葉植物。受け皿やその下などにも湿気が溜まるので、「毎週日曜日!」など、曜日を決めて、ちょっとでいいので観葉植物を置いている場所をズラすなどをし、湿気対策をしてください。
ちょっとしたことですが、大きな差が生まれます。
飲食店できるゴキブリ対策③ダンボールを長期間放置しない
食べかすの掃除、シンクのふき取りなどは小まめにやって清潔にしているのに、「ダンボールはそのまま放置している」というケースが多くの飲食店で見受けられます。
ダンボールにはゴキブリが卵を産みつけることがあります。
必要な荷物は取り出して、ダンボールを捨てるようにしましょう。
飲食店できるゴキブリ対策④油汚れがついたらすぐにふき取る
飲食店の悩みの一つが油汚れ。
油はゴキブリにとって超高カロリーな栄養源になります。
そして油汚れは冷めると酸化加してベトベトするか、その後、熱により炭化して汚れがこびりついてしまいます。
そうなると、その汚れを落とすのは大変です。
一方、ゴキブリにとってはこびりついた油もエサになってしまいます。
飲食店で油汚れがでるので当たり前のことですが、油はついてすぐふき取れば簡単に落とせるので、ゴキブリを防ぎたい場合は、特にコンロ周りなどの油には普段から気をつけましょう。
飲食店が業者に依頼する前に自分でやれるゴキブリ対策
普段からできるゴキブリ対策の一貫ですが、業者に依頼する前に飲食店が自分でやれるゴキブリ対策があります。
費用を抑えたい場合だけでなく、自分達でお店の衛生状況を守るのは意味のあることです。
業者任せにするのではなく、自分たちでできることは自分たちでやりましょう。
とはいえ、どんな対策があるか、わからない人も多いと思いますので、「飲食店が業者に依頼する前に自分達でやれる基本的なゴキブリ対策」について2つ解説します。
- ゴキブリの侵入口を塞ぐ
- 効果的なところに毒エサを多めに置く
飲食店が自分でできる対策①ゴキブリの侵入口を塞ぐ
上記でも解説したとおり、飲食店によく出るチャバネゴキブリは、外からやってきて店内に住み着いて繁殖します。
従って、荷物などに卵が付着してくる場合を除いて、ゴキブリが外から入ってくる侵入口を塞げれば、ゴキブリが店舗で発生することはほとんどありません。
ゴキブリが飲食店などのお店に侵入してくる経路はだいたい以下のとおりです。
- 排水管
- 換気扇
- エアコンダクト
- 壁や配管などの隙間
- 玄関や裏口のドア
ゴキブリは5㎜程度のスキマがあれば平気でとおることが可能です。
玄関や裏口はともかく、他のところは網目の細かいネットや網でゴキブリの侵入を防ぎましょう。
排水口の下がストレートタイプの配管の場合は、U字トラップにするのも効果的です。
U字トラップはホームセンターにも売ってますので、業者に頼まなくても比較的簡単に交換できますよ。
飲食店が自分でできる対策①効果的なところに毒エサを多めに置く
ベイトと呼ばれる待ち伏せタイプの毒エサ(ブラックキャップやホウ酸団子など)は、飲食店内の効果的なところに、多めに置きましょう。
飲食店の場合、具体的には以下のようなところに設置してください。
- シンクの下
- 冷蔵庫の裏と下
- 食器棚の中と外側の壁とのスキマ
- ガスコンロの奥や下
- 床と壁の際
- ゴミ箱付近や中
特に冷蔵庫、シンク、ガスコンロの下など、奥が見えづらいところにはたくさん置いてください。
チャバネゴキブリの行動範囲は比較的狭いので、毒エサが1メートル離れているところに置かれていても食いつかない可能性があります。
冬場は、動きが鈍くなるのでなおさらです。
感覚としては、40~60cm毎に毒エサを設置してみてください。
飲食店が業者にゴキブリ対策を依頼した方がいいケース
最後は飲食店が業者に依頼をした方がいいケースを紹介します。
- 侵入口を塞いでもゴキブリがでる
- 毒エサを設置しても効果がない
- 1度駆除したのにまた発生する
上記で解説したゴキブリ対策をしてもゴキブリが出てくる、減らないという場合は、すでに自分では手に負えない可能性が高いので早めに業者に頼りましょう。
時間が経てば経つほどゴキブリは繁殖するので、飲食店でその状況に至ると致命傷になりかねません。
侵入口を塞いでもゴキブリがでる
侵入口を塞いでもゴキブリが出てくるということは、既に飲食店内の中での繁殖が常態化している可能性が高いです。
繁殖が常態化していると99%のゴキブリを駆除しても、残りの1%のゴキブリがまた繁殖をしてイタチごっこになります。
この状態になると以下に解説する「毒エサに耐性を得たゴキブリ」の発生する可能性が高くなるので、早めに業者に相談することをおすすめします。
毒エサを設置しても出てくる
侵入口を塞ぐ対策をしている飲食店は、もちろん毒エサも設置していると思います。
それでもゴキブリが出るということは、設置場所が悪いか、個数が足りない、もしくは毒エサが効いていない可能性が高いです。
チャバネゴキブリの場合、短い周期で繁殖を繰り返すため、中には毒エサに対して耐性を得る個体が発生します。
耐性を得たチャバネゴキブリが飲食店内で発生したら、素人にはお手上げです。
プロ用の薬剤ですぐに駆除しないと発生を止めることはできません。
1度駆除したのにまた発生する
1度駆除したと思ったのに、また発生する場合も耐性を得たチャバネゴキブリの可能性があります。
侵入口対策もされているのであれば、なおさら、その可能性が高いです。
生き残りが繁殖したのでしょう。
やはり、この場合もプロの業者にすぐに相談しましょう。
飲食店でゴキブリが出ることほど、お店にとって大きなダメージはありません。
日ごろの対策、自分でできる対策はすぐにでも取り組めるので、すぐにやることをおすすめします。
対策しても、まだゴキブリが発生する場合は、プロに相談してみましょう。
自身で対策することも大切ですがプロに依頼することで、駆除だけでなく総合的な対策のアドバイスを得ることができます。
飲食店であれば、衛生面やお客様の信頼を考えると、プロに依頼した方がトータル的に考えて安くつくはずです。