- 自分でできるシロアリ予防対策とは
- シロアリ予防を自分でやる際の注意点
- シロアリ予防をする際のポイント
シロアリ予防対策の必要性を感じているものの、「業者に頼むのは高いから、自分でシロアリ予防の対策をしたい」と考える方もいるのではないでしょうか?
この記事では、シロアリ予防を自分でなんとかしたいとお考えの方に、自分でシロアリ予防をする方法について解説していきます。
目次
シロアリ予防は自分でできる?
結論から述べると、「シロアリ予防対策は自分でもできるが、確かな予防のためにはプロに頼んだ方がいい」という回答になります。
シロアリの生態系を理解し、シロアリが好む環境を排除してシロアリを寄せ付けにくくする対策を自分で行うことは可能です。
それらの対策で一定の予防効果は見込めますが、専用の薬剤を使用して行うプロの予防施工程の効果は期待できません。
まずは自分でできるシロアリ予防対策の方法を知って、その後にプロの業者に依頼するかどうかを検討されるとよいでしょう。
事前準備:シロアリが好む環境や侵入経路の把握
自分でシロアリ対策を行う前に、「シロアリが好む環境」「シロアリが住宅に侵入する経路」の二つを理解しておきましょう。
シロアリが好む環境や侵入経路を知っておくことで、自分でシロアリ予防を行う際に効率的な対策を打てるからです。
それぞれについて、簡潔にご紹介します。
シロアリが好む環境
- 換気が悪く湿った環境(風呂場や洗面所、雨漏りが発生している場所など)
- 木材がある環境(特に土壌に接触している木材がある場所など)
- 光があたらない暗い環境(床下や物の陰、倉庫や物置付近など)
- 家屋の北側部分
- 狭い隙間の環境(基礎部分の隙間や玄関タイル、ドア枠部分など)
シロアリが住宅に侵入する経路
- 蟻道からの侵入…床下や床下付近の土壌で繁殖した後、蟻道(ぎどう)を作り、基礎部分や束石をつたって侵入します
- 羽アリの飛来による侵入…割合としては少ないものの、近隣環境からの飛来により侵入します
このような原則や傾向を心得ておくことで、効率的な予防対策ができるようになりますので、作業の際には心得ておきましょう。
自分でできるシロアリ予防対策
ここから、自分でできるシロアリ予防対策の方法について解説していきます。
自分で行うシロアリ予防対策は、プロの業者が行うような「薬剤を散布してバリアを張る」といった根本的な対策ではなく、「シロアリを寄せ付けない環境に整えていく」というアプローチになります。
自分でできるシロアリ予防対策としては以下が挙げられます。
<自分でできるシロアリ予防対策>
- エサになり得る木材を家周辺に置かない
- 換気対策を定期的に行う
- 水漏れや雨漏り等の是正
- 日当たりの改善
- 定期的にメンテナンスする
- 防除剤や木材防腐剤の使用
それぞれの対策内容について詳しく見ていきましょう。
エサになり得る木材を家周辺に置かない
シロアリは木材に含まれるセルロースをエネルギー源としているため、木材をエサにして寄ってくる性質があります。
したがって、木材関連のものは屋外に置かないようにしましょう。
例えば、木製の家具や建築資材、切り株、木製のキャンプ用品などが挙げられます。
ダンボールを屋外に置いている方も多くいますが、ダンボールは木材からできているため、ダンボールを置くのも控えるべきです。
換気対策を定期的に行う
先ほどご紹介したように、シロアリは湿度が高い環境を好みます。
よって、湿度が高まりやすい空間は換気対策を施す必要があります。
具体的には、以下のような換気対策を行いましょう。
- 床下の換気口や基礎部分を塞がない
- 浴室やキッチンは換気してよく乾燥させる
- 押し入れは定期的に乾燥させる
特に、床下の換気口や基礎部分周辺に物を置いて塞いでしまったりすると、換気が悪くなりシロアリが寄ってきてしまいますので注意しましょう。
日当たりの改善
シロアリは日当たりが悪く暗く湿った場所を好むため、極力日当たりがよくなるように心がけましょう。
床下の換気口や基礎部分の日当たりが悪くシロアリが寄ってきて、そこから侵入してくるというパターンも多いため、床下の換気口や基礎部分に物や鉢植えを置いたり、草木を茂らせることで日陰を作ることは避けるべきです。
また、北側部分は日当たりが悪くなる傾向にあるため、木材やダンボールを放置することは控えましょう。
水漏れ等の是正
雨漏りや水漏れが発生している場合、シロアリにとって好ましい環境になってしまいます。
定期的に雨漏りや水漏れが発生している場所がないかを確認し、もし発生してしまっている場合は是正すべきです。
定期的にメンテナンスする
厳密には予防対策ではありませんが、シロアリ被害にあっていないかや予兆がないかを定期的に確認することはシロアリ被害を食い止めるための事前対策として有効です。
具体的には、以下のような事項を定期的にチェックすると被害の予兆に気づける可能性が高まります。
木材部分の点検 | 床下や屋根裏、壁などの木材部分が腐っていないか、また、異常なくぼみや穴がないかを確認しましょう。ドライバーを刺すなどしてズブズブ刺さる場合は食害に合っている可能性があります。 |
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蟻道が発生していないかの確認 | 蟻道(シロアリの侵入通路)が存在する場合、シロアリ被害に合っている可能性が高いです。床下や基礎周り、壁や柱の隅などをチェックしましょう。 |
ひび割れや隙間の確認 | シロアリは非常に小さい隙間からも侵入してくるため、家の基礎や外壁、窓枠などにひび割れや隙間がないかを定期的に確認し、見つけた場合はすぐに修理しましょう。 |
防除剤の使用
プロの専門業者が予防施工の際に行うのと同等レベルの薬剤散布をするのは難しいかもしれませんが、市販の防除剤を購入して散布するのも一定は有効でしょう。市販の防除剤を購入したら、床下や基礎部分、屋外の庭や物置などシロアリが発生しそうな場所に散布していきましょう。
なお、市販の防除剤を選ぶ際は、以下の点に留意しながら選ぶとよいでしょう。
- 駆除用ではなく、予防に特化したものを選ぶ
- 木材の防腐剤が入っている商品を選ぶ
シロアリ予防の専門業者が行うシロアリ予防対策
シロアリ予防は自分でもできる対策が数多くありますが、専門業者がどのような施工をしているのか気になる方も多いと思います。
ここでは、専門業者が行う予防施工の中身についてご紹介します。
バリア工法によるシロアリ予防
バリア工法とは、薬剤によるバリアを張ってシロアリの侵入や繁殖を防ぐ工法です。
一度バリア工法による予防施工をすれば5年間は効果が継続し、シロアリの発生や被害を防ぐことができます。ほとんどの業者で5年間の保証が付与されており、万が一シロアリ被害にあった場合は再施工などの保証サービスを受けることができます。
シロアリ予防の対策として有効性が確立されており、専門業者のほとんどがこのバリア工法でシロアリ予防施工を行っています。
バリア工法では以下の手順で施工を行っていきます。
バリア工法の手順
- ▼STEP1事前点検と穴あけ
- 床下および柱周りをチェックして、土台、柱、構造物に目地部分に穴をあけ、被害箇所の駆除作業を行ないます。
- ▼STEP2薬剤注入壁や屋根裏のチェック
- あけた穴に薬剤を注入します。穴は目立たないように補修します。※イエシロアリでは壁の中や屋根裏まで処理が必要な場合があります。
- ▼STEP3木部用防蟻剤吹付
- 木部表面に木部用防蟻剤を吹き付けます。
- ▼STEP4土壌用防蟻剤散布
- 建物の基礎の内側、束の周囲の土壌に土壌用防蟻剤を散布します。
(トイレ/キッチン/和室/玄関/洗面/風呂などが作業場所になります。)
まとめ|シロアリ予防は自分でもできるがプロへの依頼も検討を
この記事では、シロアリ予防を自分で行う方法について解説してきました。
自分でシロアリ予防をする際はシロアリの生態系を理解した上で、シロアリの好む環境を排除していくことが大切です。
シロアリ被害に合って駆除の依頼を専門業者にすると、場合によっては数十万円単位の費用がかかってくる場合があります。(※シロアリ駆除費用は一般社団法人経済調査会の統計によると1坪あたり10,725円とされています)
「自分で作業するのは不安…」
「確実な予防対策をしてシロアリ被害を防ぎたい」
こうお考えの方はシロアリ防除の実績がある専門業者に依頼することも検討されると良いでしょう。
シロアリ業者の選び方がわからないという方は、以下の記事でシロアリ予防業者の選び方について解説していますので参考にしてください。