- シロアリ対策(予防)にホウ酸は有効かどうか
- ホウ酸によるシロアリ対策のメリット・デメリット
- 新築戸建てのホウ酸による対策の紹介
シロアリ予防対策の際、薬剤の種類が気になるという方も多いのではないでしょうか。
近年はホウ酸によるシロアリ予防を希望される方も多くなっており、ホウ酸についてお問い合わせいただく機会も増えています。
この記事では、シロアリの予防対策を検討しているけれど、ホウ酸による予防対策の有効性やメリットについて知りたいという方向けに、詳しく解説していきます。
目次
シロアリ予防対策にホウ酸は有効?
インターネットなどでホウ酸が取り上げられる機会が増えてきたからか、「シロアリ対策にホウ酸は有効なの?」と聞かれる機会が増えています。
ズバリ、「シロアリ予防対策には有効」です。
(駆除には不向きのケースもあります。)
「シロアリ被害を防止したい!」という目的で、新築戸建てのシロアリ予防対策や5年おきの再施工のタイミングでホウ酸を使用するのはおすすめの手法の一つになります。
実はアメリカやヨーロッパではホウ酸によるシロアリ予防対策が主流であり、安全性の高さや薬剤効果の持続期間の長さから、国内でも使用されるケースが増えてきています。
ホウ酸の仕組み
ホウ酸はホウ酸塩鉱物という天然物から精製される成分で、海水や温泉水中、土の中など自然界の色々なところに含まれています。シロアリ予防対策においては、農薬系の薬剤が一般的ですが、ホウ酸からなる薬剤は非農薬系に分類されます。
実は植物はホウ酸を摂取しないと枯れてしまうことから、植物にもホウ酸が含まれており、私たち人間は野菜や果物を通じて日々微量のホウ酸を摂取しています。
また、ホウ酸はコンタクトレンズの保存液や防腐剤にも使用されており、人間にとっては身近で毒性の高いものではありません。
では、なぜホウ酸がシロアリには有効なのかというと、シロアリは腎臓を持っておらずホウ酸を排出する機能を持っていないからです。
人間やその他の哺乳類はホウ酸を摂取した場合は腎臓から排出するのですが、シロアリは腎臓がないためにホウ酸を摂取すること排出することができず、結果として致死する仕組みになっています。
シロアリにとって食毒性があるこの仕組みを活かして、シロアリ予防対策に活用しているということなのです。
ホウ酸でシロアリ予防対策をするメリット
ホウ酸でシロアリ予防対策をするメリットは健康面・環境面・持続面・機能面などの観点から様々なものがあります。
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
人の健康や環境に優しい
前述したように、ホウ酸は自然界の水中や植物にも含まれており、膨大な量でなければ人間の体内で分解できる成分です。
揮発性が低いことから空気を汚すこともなく、シックハウスの心配がいりません。また、アレルギー持ちや化学物質過敏症の方でも安心して利用することができるのも特徴です。
効果が長持ちする
ホウ酸は分解・蒸発しないことから効果がかなり長期間続くとされています。(ただし、地面に接触せず雨水などに晒されないようにすることが大切です。)
そうした理由から、保証期間が相対的に長いことも特徴です。(※薬剤の種類によります)
農薬系の薬剤の保証期間が5年間なのに対して、ホウ酸を使用した薬剤では保証期間が10年というケースもあります。
腐朽菌から木材を守る効果もある
ホウ酸は、シロアリの予防だけでなく腐朽菌の成長を抑制する効果もあり、木材を守る働きもします。
腐朽菌とは木材を分解し腐らせる菌類のことで、木材の構造を弱め、建物の損傷や倒壊を引き起こすリスクがあります。
ホウ酸が持つ抗菌性により、腐朽菌の活動を阻害し、木材を腐敗から守ることができるのです。木造住宅はシロアリ被害だけでなく腐朽が原因の劣化も多いため、大きなメリットといえます。
ホウ酸でシロアリ予防対策をするデメリット
ホウ酸によるシロアリ予防では様々なメリットがある一方で、デメリットも存在しますので、それぞれ見ていきましょう。
水分の多い箇所には不向き
ホウ酸は水に溶けやすい性質を持っているため、そのような箇所では他の薬剤や工法を用いるなどして対応する必要があります。また、雨漏り等への注意も必要です。
完全な駆除には限界がある
ホウ酸はシロアリ「予防」に効果的ですが、すでに大きな被害を受けている場合や、シロアリの巣そのものに対しては、根本的な駆除には至らない場合があります。「駆除」を検討している場合はその他の薬剤の使用も検討するとよいでしょう。
新築戸建てにおけるホウ酸の活用メリット
新築戸建てにおいてホウ酸を活用することは、シロアリ予防として非常に効果的な方法の一つです。
理由としては、新築の段階でホウ酸によるシロアリ予防を行うことで、前述したような安全面・環境面・機能面でのメリットが長期的に享受できるからです。
また、断熱材などを用いた住宅の場合はシロアリ予防の再施工をする際に技術的な障壁が存在することもあるのですが、そのような箇所に効果の持続期間が短い薬剤を使用すると、効果が切れた場合に対応が厄介となります。
ホウ酸によるシロアリ予防をすると長期間の持続効果が見込めますので、そうした問題を解消する一手となります。
新築で木造住宅の一戸建てを建てようとしている方は、ホウ酸によるシロアリ予防も検討されるとよいでしょう。
ホウ酸でのシロアリ予防対策に関するよくある質問
Q:農薬系の薬剤と非農薬系のホウ酸薬剤の違いを教えてください。
A:農薬系の薬剤は、化学合成された有効成分を含むことが多いのに対して、ホウ酸薬剤は、自然界に存在するホウ素を主成分としています。ホウ酸は比較的低毒性で、人やペット、環境に優しいとされています。また、農薬系の薬剤は効果の持続期間が5年間程度なのに対して、ホウ酸の薬剤は乾燥している環境であれば半永続的に効果が続くとされています。
Q:ホウ酸と聞くと、ゴキブリ駆除用のホウ酸団子を思い浮かべるのですが、あれとは違うのですか?
A:はい、目的や成分形態が大きく異なります。ゴキブリ駆除用のホウ酸団子は室内に設置してゴキブリを直接駆除するために使用され、シロアリ予防用は建物の木材部分に塗布または注入してシロアリの侵入を防ぐために使用されます。
Q:最近は外来種のアメリカカンザイシロアリによるシロアリ被害も増えていると聞きますが、アメリカカンザイシロアリにもホウ酸は効きますか?
A:はい、ホウ酸での予防はアメリカカンザイシロアリにも有効です。アメリカでは木部処理にはホウ酸を使用しています。
まとめ|シロアリ予防対策にはホウ酸も選択肢に
いかがだったでしょうか。
本記事では、シロアリ予防対策におけるホウ酸の有効性やメリット・デメリットについて解説してきました。
シロアリ対策をする際には、「予防」「駆除」どちらが目的なのかをはっきりさせ、予防が目的の場合はホウ酸薬剤を使用した方法も検討するのもよいでしょう。
農薬系の薬剤とホウ酸薬剤で必ずしも優劣はありませんが、中にはホウ酸薬剤で予防したいという方もいらっしゃると思います。
関西エリアで害虫駆除サービスを展開する当社では、「エコボロンPRO」というホウ酸薬剤を使用したシロアリ予防サービスもございます。
大阪・兵庫・京都などの関西エリアでホウ酸薬剤を使用したシロアリ予防対策をお考えの方はぜひ一度お問い合わせください。