- 新築時のシロアリ対策が重要な理由
- 新築戸建てで行うべきシロアリ対策
- 新築戸建てに住み始めた後のシロアリ予防対策
「これから新築戸建てを建てようとしているけど、シロアリ対策をどうしたらいいかわからない」
「戸建てを建設中だが、不動産屋や建設会社からのシロアリ予防についての説明が乏しくて不安」
この記事では、一戸建てを新築で建てようとしていてシロアリ対策(予防)について正しい知識を取得したい方向けに新築時のシロアリ対策の内容を解説しています。
目次
新築時のシロアリ対策が重要な理由
新築時のシロアリ対策が重要な理由としては、以下の理由が挙げられます。
- 法律(建築基準法)で新築時のシロアリ対策が義務付けられているから
- 新築時に選択した薬剤によって保証期間などが異なる場合があるから
①建築基準法で新築時のシロアリ対策が義務付けられているから
実は、新築住宅を建てる際には、建築基準法でシロアリ対策を施すことが義務付けられています。
(外壁内部等の防腐措置等)
構造耐力上主要な部分である柱、筋かい及び土台のうち、地面から一メートル以内の部分には、有効な防腐措置を講ずるとともに、必要に応じて、しろありその他の虫による害を防ぐための措置を講じなければならない。
引用元:建築基準法施行令第49条2
法令で定められているということの意図を読み取ると、それ程シロアリ被害が人の生活や財産に与える影響が大きいということを指し示しています。
もしシロアリが発生すると、家屋の木材がシロアリに食べられてしまい、建物の強度が落ちてしまいます。
実際に、1995年に発生した阪神大震災において倒壊した木造住宅の多くで、シロアリ被害による木腐朽が発生していたとされています。
法令を守るために新築時にはシロアリ予防を行うのは当然として、シロアリ被害によって建物の強度や耐震性を損なわないために新築時の対策が重要ということなのです。
②新築時に選択した薬剤によって効能や保証期間などが異なるから
シロアリ予防では専用の薬剤を散布することで、シロアリを寄せ付けない体制を構築していきます。
その際に使用する薬剤や工法、依頼する業者によって、効能や保証期間が異なるため、新築時のシロアリ予防依頼はよく調べてから納得した上で行うべきといえます。
一般的には薬剤の効果は5年間程の持続効果があるとされており、保証期間も5年間であることが多いです。
中には10年間の保証期間を受けられる薬剤も存在し、ホウ酸塩を主原料とする「エコボロンPRO」などがその例です。
保証期間が長ければいいというわけではなく、効能や価格などをみて総合的に判断して使用する薬剤や依頼する業者の決めるべきですが、新築時の意思決定がその後の数年間にも影響してくるとなると、ある程度は下調べした上で決めるべきでしょう。
新築戸建てのシロアリ対策
新築時のシロアリ対策は、以下のものが挙げられます。
- バリア工法による薬剤を使用したシロアリ予防
- 点検しやすい設計にする
- シロアリ対策を考慮して木材を選択する
- 基礎断熱住宅にする場合は念入りにシロアリ対策を行う
それぞれの内容について解説していきます。
対策①:バリア工法による薬剤を使用したシロアリ予防
バリア工法はシロアリ予防の施工方法として最も一般的なもので、シロアリ予防の侵入経路などに薬剤を散布してバリアを張ることでシロアリ予防を行う工法です。
バリア工法を施すことで、シロアリの侵入や繁殖を防ぐことができ、一般的に使用される薬剤を散布すれば最低でも5年間は効果が持続します。
バリア工法で使用する薬剤の種類や保証期間がどの程度なのかは業者によって異なる部分もあるため、依頼しようとしている業者に確認するようにしましょう。
対策②:点検しやすい設計にする
新築戸建ての設計をする際の留意事項にはなりますが、シロアリ被害が発生しているかを確認するために点検しやすい設計にすると良いでしょう。
具体的には、床下に潜りこんで点検や薬剤散布がしやすいように点検口を設けたり、蟻道(ぎどう)ができていないかを確認するために基礎周りが茂みや置物で隠れないようにしたり、シロアリが好む環境を誘発する雨漏りに気づきやすくしたりする設計がとれるとベストでしょう。
細かい点のように思えますが、数十年に渡って住むことになる家であるため、点検やメンテナンスのしやすさに留意しておいて損はないはずです。
対策③:シロアリ対策を考慮して木材を選択する
シロアリは木材を好んで食しますが、中にはシロアリが嫌いな成分が含まれている種類の木が存在します。
木造住宅を建てる場合は、シロアリが好む木材と嫌う木材を認識してシロアリが嫌う木材を使用するとシロアリ対策としては有効です。
<シロアリが好む木材>
- 松の木
- モミの木
- ホワイトウッド
- スプルース
<シロアリが嫌う木材>
- ヒバ
- ヒノキ
- チーク
- ケヤキ
- カヤ
- イノスキ
価格面での折り合いもあるかと思いますが、木造住宅を建てる際には工務店や設計士などに相談しながらシロアリが嫌う木材を選択できるとシロアリ予防の観点では望ましいです。
ただし、嫌う木にはシロアリが苦手な物質が含まれているというだけで食べることがないという訳ではありませんので、シロアリ予防策を施した上での対策事項と考えてください。
対策④:基礎断熱住宅にする場合は念入りにシロアリ対策を行う
近年は高断熱性能の住宅が増加しており、冬でも暖かく暮らせて快適だと評判です。
注意が必要なのが、シロアリは暖かく湿った環境を好むという点です。
ヤマトシロアリが好む温度は12℃~30℃、イエシロアリの場合は30℃~35℃と言われており、どちらも暖かい環境を好むことがお分かりいただけると思います。
高気密・高断熱住宅は人間と同様シロアリも過ごしやすい環境であるということを念頭に置き、もし高気密・高断熱住宅を建てる際はシロアリ予防をより入念に行うのが無難です。
新築戸建てに住み始めた後のシロアリ予防対策
ここまでで新築時に対策すべきシロアリ予防について解説してきました。
いざ新築戸建て物件に住み始めた後もできるシロアリ予防対策を取っていきましょう。
新築戸建て物件を建てる際に薬剤散布によるシロアリ予防をしていれば5年間程は薬剤の効果が持続しますが、100%ではないためできる対策はしっかり施していきましょう。
具体的には、以下の対策があります。
- エサになり得る木材を家周辺に置かない
- 換気対策を定期的に行う
- 水漏れや雨漏り等の是正
- 日当たりの改善
- シロアリが発生していないか定期的に見回る
- 薬剤の持続期間が切れるタイミングで再施工する
これらはシロアリを寄せ付けない環境に整えていく」というアプローチで、シロアリが好む環境を作らないための対策です。
シロアリは「木材を食べてエネルギー源とする」「換気が悪く湿った環境を好む」「暗い環境や狭い空間も好む」といった特徴があります。
このような特徴を理解した上で家屋の環境を整えたり、メンテナンスすることがシロアリ予防に繋がります。
また、新築時に施した薬剤散布については効果持続期間(一般的には5年間)がありますので切れるタイミングで再度防除施工するようにしましょう。
まとめ|新築時のシロアリ予防は重要
本記事では、新築のタイミングでのシロアリ予防について解説してきました。
シロアリ被害に合うと、せっかく多額な費用をかけたマイホームの強度が低下したり、リフォームの必要が生じたりする可能性があります。
この記事でご紹介したように、新築のタイミングだからこそできるシロアリ予防対策もあるため、しっかりと考慮した上でシロアリ予防をしていきましょう。
当社ではシロアリ予防をご検討中の方向けに無料での見積相談を承っております。
新築戸建の建築時におけるシロアリ予防も施工可能です。また、建築会社様や工務店様からの依頼を承っております。
関西エリアでシロアリ予防をお考えの方は一度当社までお問い合わせください。