高齢者介護施設では、様々な感染症が広がりやすいため注意が必要です。
高齢による免疫力の低下、集団生活による感染のしやすさ、そして感染対策の周知の難しさなど、高齢者介護施設には、さまざまな困難があります。
そんな中、日々感染対策に奔走する介護施設職員の方々には頭が下がる思いです。
本記事では、そんな介護施設における感染対策の難しさや消毒をする際の注意点、そして業者選びについて解説します。
※日本ペストコントロール協会正会員である当社は、兵庫県、大阪府内の市・区役所から依頼をうけており、兵庫県知事から新型コロナウイルス感染対策業務を評価され表彰いただいた害虫・害獣駆除会社です。
そんな当社から消毒作業に関する解説をお届けいたします。
目次
介護施設でよく起こる感染症
はじめに介護施設でよく起こる感染症について。
介護施設でよく起こる感染症は、インフルエンザ、ノロウイルス。
他にも尿路感染症、MRSA、結核や肺炎などがあります。
多くの場合、これらの感染症の原因となるのは、日常の中でも普通に存在するウイルスです。
若く健康な人にはどうということのないウイルスや菌でも、高齢者にとっては生命に関わる感染症になり得るのです。
介護施設における感染対策の難しさ
介護施設における感染対策は困難を極めます。
大きく3つの理由があります。
- 集団生活をしている
- 抵抗力が低い
- 感染対策の周知が難しい
集団生活をしている
いわゆる介護施設と言われる介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の入居者数は1施設あたり40~80人です。(厚生労働省「介護・高齢者福祉、介護保険施設の状況」データ)
24時間、同じ施設内に40人以上の人が集団で生活をしているわけです。
当然、1人の感染が、即全ての入居者の感染確率を飛躍的に上げてしまう危険をともないます。
爆発的な感染が起きるのは多くの場合、クローズドな施設にいる集団なのです。
抵抗力が弱い
介護施設に入居されている高齢者は若い人と比べると免疫機能が衰えており、ウィルスや菌に対する抵抗力が低いです。
従って、若い人は大丈夫なウイルスや菌でも、高齢者は感染してしまうのです。
また若い人が感染して問題がなくても、高齢者にとっては致命的となるケースは多々あります。
職員、業者、面会者が感染していても自覚症状がないため、介護施設に出入りして感染源となることも多いようです。
感染対策の周知が難しい
介護施設の高齢者には様々な人がいて、全ての入居者に感染対策をしっかりと周知徹底することは非常に難しいです。
食事前やトイレ使用後の手洗い、小まめな消毒など、基本的なことですが、つい忘れてしまうことありませんか?
高齢者の場合さらに物忘れ、痴呆などにより、それを継続的に、且つ漏らさずに実施することが困難です。
また、職員はもちろん、出入り業者、訪問者などにも対応してもらう必要があり、それが感染対策を難しくする原因となっています。
介護施設における消毒の注意点
介護施設における消毒の注意点は、普通のことを普通にやることです。
厚生労働省の「高齢者介護施設における感染対策マニュアル」において詳細を確認できます。
やること自体は介護施設だからといって、大きく変わりません。
ただし、以下の点については注意が必要です。
- 基本に忠実に
- 実効性の確保
介護施設 消毒の注意点① | 基本に忠実に
消毒をする際には基本に忠実に消毒を実施する必要があります。
例えば、アルコールで手指を消毒する際は、濃度70%以上95%以下のエタノールを使い、
十分な量を手のひら、甲、指の間、指先や爪の間にもしっかりとすりこみ、手首も消毒しましょう。
手が汚れている場合は先に、しっかりと手洗いを行ってから消毒をするなど、手を抜かずに確実に実行するように注意してください。
「これくらいでいいだろう」が1番の大敵です。高齢者介護施設では、そういった油断が致命的な結果を及ぼす可能性があります。
介護施設 消毒の注意点② | 実効性の確保
介護施設職員の人はしっかりと消毒などの感染対策ができていても、入居者や外来者に同じように対応してもらうことは難しいのが現状です。
入居者には、丁寧に何度も周知をすることが必要です。
しっかりと消毒ができているかをチェックすることも必要になるでしょう。
また、出入りの業者などには的確にルールを伝え、場合によっては出入りを制限する旨も伝えて実効性を確保しましょう。
意外と難しいのが親族や友人などの面談者。
目立つ表示や丁寧な説明など、面倒でもちゃんと手指などの消毒をしてもらえるよう伝える必要があります。
介護施設消毒の業者選びについて
介護施設の消毒については、特に業者選びが大切です。
依頼する側としては、上記でも記載した「介護施設での感染対策の難しさ」や「介護施設ならではの消毒の注意点」などをしっかりと把握して対応してくれる業者がいいですよね?
いくら料金が安くても、介護施設の現状を理解していない業者には頼めません。
そこで、介護施設が業者を選ぶ際に注意しておきたいポイントを以下に解説します。
- 介護施設での感染対策を熟知している
- 秘密保持への配慮
- 信用と実績がある
介護施設での感染対策を熟知している
介護施設での業者選びで大切なのが、感染対策を熟知している業者に依頼をすること。
新型コロナウイルスの流行により、現在も消毒依頼の需要は旺盛で新規参入の業者が増えています。
もちろん、新規参入が悪いわけではなく、むしろ歓迎すべきことではありますが、残念ながら杜撰な消毒をする業者も見受けられます。
介護施設の消毒に関しては、病院などと並び、作業をする際に細心の注意が必要です。
介護施設の実情や実施している感染対策について熟知している業者になら安心して任せることができますよね。
秘密保持への配慮
介護施設で消毒を依頼する際は、秘密保持への配慮がある業者に依頼しましょう。
当たり前のようですが、意外と盲点にもなり得ます。
介護施設にて業者に消毒をお願いするには、それこそ様々な理由があります。
事情を斟酌して対応してくれる業者だと、依頼する側としてはとても楽でしょう。
しっかりと秘密保持に関して、明確に謳っている業者を探すことをおすすめします。
信用と実績がある
最後はやっぱり信用と実績です。
介護施設の消毒は既に解説してきたとおり、一般的な店舗、オフィスやその他の施設などと違い、特別な配慮のもと作業を実施していく必要があります。
消毒、清掃などの業界は決して目立つ業界ではありません
そんな業界で信用と実績を勝ち得るには地道にコツコツやってきた企業だけです。
長年積み上げてきた結果が信用と実績に現れるからです。
介護施設のような特別な場所での消毒は、そのような業者に依頼するのが良いでしょう。
介護施設では基本に忠実な消毒を
介護施設の職員の方々からすれば、耳にタコができるほど聞かされているはずなので恐縮ですが、やはり最後は基本に返って必要なことを丁寧にやる。
これに尽きると思います。
厚生労働省から出されている「高齢者介護施設における感染対策マニュアル」は、長文ですが改めて読んでみると違う発見があります。
時間のある時でも良いので丁寧に読み返してみるのはいかがでしょうか?