- なぜアライグマは駆除後に戻ってくるのか、その根本原因
- アライグマが絶対に戻ってこれない完全封鎖の具体的な5ステップ
- 自力駆除と業者依頼の判断基準と、それぞれの費用対効果
- 再発ゼロを実現するための業者選びの5つのチェックポイント
「一度追い出したはずのアライグマが、また屋根裏に戻ってきている…」
「忌避剤を使って駆除したのに、数週間後には元通りになってしまった…」
このような、「アライグマを駆除したのに戻ってきてしまう」という相談が当社のもとにも数多く寄せられてきました。
実は、アライグマ駆除で最も多い失敗パターンは「一時的な追い出しだけで完了したと思い込んでしまうこと」です。
アライグマには強力な帰巣本能があり、一度住み着いた場所を長期間記憶し続けます。そのため、単に追い出しただけでは、高い確率で戻ってきてしまうのです。
私たちトータルクリーンは、業歴50年以上を有し、害獣駆除のプロフェッショナルとして数多くの現場で培ってきた経験があります。
その中で、「自力駆除で何度も再発を繰り返してしまった」というご相談を数え切れないほど受けてきました。
「もう二度とアライグマを寄せ付けたくない」という方は、ぜひこの記事を最後までご覧ください。
Table of Contents
アライグマが駆除後に戻ってくる3つの根本原因

アライグマが駆除後に戻ってくる原因は、主に以下の3つに集約されます。
- アライグマの強力な帰巣本能と記憶力
- 見落としがちな侵入口の封鎖不足
- 忌避剤や燻煙剤への慣れと効果の減衰
これらの原因を正しく理解していないと、何度駆除を繰り返しても同じことの繰り返しになってしまいます。
アライグマは野生動物の中でも特に高い学習能力と記憶力を持っており、一度「安全で快適な場所」と認識した場所を簡単には諦めません。
そのため、表面的な対策だけでは根本的な解決にならないのです。

それでは、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
原因①:アライグマの強力な帰巣本能と記憶力
アライグマが駆除後に戻ってくる最大の理由は、彼らが持つ強力な帰巣本能にあります。
アライグマは自分のテリトリーに対して強い執着心を持っており、一度住み着いた場所を長期間記憶し続けます。
研究によると、アライグマは一度巣として認識した場所を最長6ヶ月以上記憶していると言われています。
さらに驚くべきことに、数キロ離れた場所に放したアライグマが元の巣に戻ってきた事例も報告されています。
これは、アライグマが優れた方向感覚と記憶力を持っている証拠です。
特に注意が必要なのは、アライグマの繁殖サイクルと再侵入の関係性です。
- 1〜3月(繁殖期)
- 交尾が行われ、妊娠が始まる時期
- 4〜6月(出産・子育て期)
- 1回の出産で平均3〜5頭の子供が生まれ、母親が授乳・子育てを行う時期。この時期は親子で巣に留まるため、駆除が特に難しくなります
- 7〜9月(独立準備期)
- 子供が徐々に独立の準備を始める時期
- 10〜12月(巣立ち・帰巣期)
- 子供が独立して巣立つが、冬になると安全な場所を求めて、生まれ育った場所に戻ってくることがあります
このサイクルの中で特に問題となるのが、秋に独立した子供が冬に戻ってくるパターンです。
春に生まれた子供は、秋には独立して親から離れますが、冬の寒さが厳しくなると、「生まれ育った安全な場所」である元の巣に戻ってこようとします。
つまり、春に駆除に成功しても、その年の冬には新たな個体(以前住んでいたアライグマの子供)が戻ってくる可能性があるということです。
このように、アライグマの帰巣本能と繁殖サイクルを考慮すると、単なる追い出しだけでは根本的な解決にならないことが理解できると思います。
だからこそ、次に説明する「完全な侵入口の封鎖」が絶対に必要なのです。
原因②:見落としがちな侵入口の封鎖不足

アライグマ駆除の再発で最も多い失敗パターンが、侵入口の封鎖不足です。
アライグマは直径10cm程度、つまり大人の握りこぶし大の隙間があれば侵入できます。体が柔軟で、頭さえ通れば体全体を押し込むことができるのです。
自力駆除を試みた方の多くが陥るのが、「目につく大きな穴を1〜2箇所塞いだだけで満足してしまう」というパターンです。
しかし、これでは再発を防ぐことはできません。
実際、当社が「自力駆除したが再発した」というご相談を受けて現地調査を行うと、複数の侵入口が見つかります。そのうち、お客様が把握していたのはわずか1箇所というケースがほとんどです。
侵入口の封鎖が不十分な場合の再発率は非常に高いです。逆に言えば、全ての侵入口を完全に封鎖できれば、再発のリスクは大幅に下がるということです。
見落としやすい侵入口の代表例をご紹介します。
- 屋根と壁の接合部分の隙間
- 軒下の破損した破風板や鼻隠し
- エアコン配管や換気扇ダクトの貫通部分
- 基礎コンクリートの亀裂や通風口
- 雨樋の接続部や破損箇所
- 戸袋の内側や増改築部分の継ぎ目
- 瓦のズレや破損箇所
- 床下の通風口(金網が劣化している場合)
特に注意が必要なのは、外から見ただけでは分からない箇所です。例えば、戸袋の内側や増改築の継ぎ目は、建物の構造を理解していないと見つけることが困難です。
また、高所にある侵入口は、安全装備なしでは点検すること自体が危険です。
屋根の上や軒下の確認には、ヘルメットや安全帯などの装備が必要になります。
プロの駆除業者は、専門機器を使用して、人間の目では確認できない箇所も徹底的に調査します。こうした専門的な調査により、見落としがちな侵入口を全て特定できるのです。
「侵入口は1箇所だけ塞げば大丈夫」という考えは、再発の最大の原因です。
アライグマは一度住み着いた場所に執着するため、1箇所でも侵入できる場所が残っていれば、必ずそこから再侵入を試みます。
だからこそ、後ほど詳しく解説する「完全封鎖の5ステップ」を正しく実行することが、再発防止の鍵となるのです。
原因③:忌避剤や燻煙剤への慣れと効果の減衰
「木酢液やハッカ油で追い出せた」と安心していても、数週間後には戻ってきてしまった…このような経験はありませんか?
忌避剤や燻煙剤による追い出しは、確かに一時的な効果があります。しかし、これだけでアライグマ問題が解決することはほとんどありません。
なぜなら、アライグマは高い学習能力を持っており、忌避剤の臭いに2〜3週間で慣れてしまうからです。
忌避剤の効果持続期間のデータをご紹介します。
- 木酢液
- 効果持続期間は3〜7日程度。山火事を連想させる焦げ臭で一時的に遠ざけるが、臭いが薄れると効果がなくなる
- ハッカ油
- 効果持続期間は1〜2週間程度。メントールの刺激臭で忌避するが、揮発性が高く効果が短い
- 市販の害獣用忌避剤
- 効果持続期間は2〜4週間程度。複数の成分を配合しているため比較的長持ちするが、定期的な交換が必要
- 唐辛子スプレー
- 効果持続期間は1週間程度。カプサイシンの刺激で忌避するが、雨で流れやすい
このように、どの忌避剤も効果は一時的です。
さらに問題なのは、アライグマが「この臭いは危険ではない」と学習してしまうことです。
当社にご相談いただいたケースでは、以下のような事例がありました。
「最初は木酢液を撒くと逃げていったが、1ヶ月後には木酢液を撒いても平然と屋根裏にいるようになった」
「市販の忌避剤を屋根裏に設置したら2週間は静かだったが、その後また物音がするようになり、確認したら忌避剤のすぐ横で巣を作っていた」
これらは、アライグマが忌避剤に慣れてしまった典型的な例です。
特に、屋根裏のような「雨風をしのげて安全な場所」を一度見つけてしまったアライグマは、多少の不快な臭いがあっても、その場所を諦めません。餌が豊富にあり、天敵もいない理想的な環境を、簡単には手放さないのです。
また、燻煙剤についても同様です。確かに煙は広範囲に広がるため、アライグマを一時的に追い出す効果はあります。
しかし、煙が消えた後、侵入口が開いたままであれば、数日から数週間で戻ってきてしまいます。
誤解していただきたくないのは、「忌避剤が全く無意味」ということではありません。
忌避剤は「追い出し」の補助手段としては有効です。重要なのは、忌避剤で追い出した後に、必ず侵入口の完全封鎖を行うことです。
この組み合わせ、つまり「忌避剤による追い出し+完全な侵入口封鎖」が、再発を防ぐ正しい方法なのです。
トータルクリーンでは、このようなアライグマの生態系や習性を理解した上で、「再発させない駆除と侵入防止対策」を重要視したアライグマ駆除を行っています。
兵庫・大阪・京都の市・区役所からも依頼を受けており、これまでの施工実績は120,000件以上ございます。アライグマ被害にお悩みの方は一度トータルクリーンまでご相談ください。
では、アライグマが戻ってくる3つの原因がお分かりいただけたところで、「では具体的にどうすれば再発を完全に防げるのか?」という点について解説していきます。
アライグマが絶対に戻ってこれない完全封鎖の5ステップ
ここからは、アライグマの再発を完全に防ぐための具体的な手順を解説します。
重要なのは、「追い出し→確認→封鎖→検証→予防」という一連の流れを正しい順序で実行することです。どれか一つでも欠けると、再発のリスクが高まります。
各ステップで「自力でできる範囲」と「プロに依頼すべき範囲」も明確にしていきますので、ご自身の状況と照らし合わせながらお読みください。

ステップ1:アライグマが完全に退去したことを確認する方法
まず絶対に避けなければならないのは、アライグマが中に残ったまま侵入口を塞いでしまうことです。
もしアライグマが屋根裏に残ったまま封鎖してしまうと、以下のような最悪の事態を招きます。
- アライグマが別の場所に穴を開けて脱出しようとし、建物の被害が拡大する
- 閉じ込められたアライグマが餓死し、死骸が腐敗して悪臭が発生する
- 壁の中で死んだ場合、取り出すために壁を壊す必要が出てくる
こうした事態を避けるために、退去確認は慎重に行う必要があります。
退去を確認する具体的な方法を3つご紹介します。
- 方法①:足音・鳴き声の確認
- 夜間(アライグマの活動時間)に屋根裏や床下で物音がしないかを3日間以上確認します。アライグマの足音は「ドタドタ」と大きく、子供がいる場合は「クルルル」「クックックッ」という鳴き声が聞こえます。これらの音が完全に聞こえなくなったことを確認してください。
- 方法②:新しい糞の有無チェック
- アライグマは決まった場所で排泄する習性があります。以前糞が見つかった場所を清掃し、3〜5日後に新しい糞がないかを確認してください。新しい糞がなければ、退去している可能性が高いです。
- 方法③:小麦粉トラップ
- 侵入口と思われる場所の周辺に小麦粉を薄く撒いておきます。アライグマの特徴的な5本指の足跡(前足は長さ約5〜6cm、後ろ足は約6〜8cm)が新たについていなければ、出入りしていないと判断できます。この方法は2〜3日間継続して確認してください。
特に注意が必要なのは、4〜6月の子育て期間です。
この時期は親だけが逃げて、子供が取り残されるリスクが高くなります。親のアライグマは忌避剤や燻煙剤に驚いて逃げますが、まだ自力で移動できない子供は巣に残されてしまうのです。
もし「クルルル」という鳴き声が聞こえる場合は、子供がいる可能性が高いため、無理に追い出そうとせず、専門業者に相談することを強くお勧めします。
退去確認の期間は、最低でも3〜5日間、できれば1週間程度は様子を見ることが理想です。「1日静かだったから大丈夫」と判断するのは早計です。アライグマは夜行性のため、たまたま別の場所で餌を探していただけという可能性もあります。
確実に退去したことが確認できたら、次のステップに進みます。
ステップ2:全ての侵入口を徹底的に特定する
侵入口の特定は、再発防止で最も重要な工程です。ここで見落としがあると、せっかく他の場所を封鎖しても、アライグマは必ずその隙間を見つけて侵入してきます。
建物の部位別に、チェックすべき箇所をリストアップします。
- 屋根周り
-
- 瓦のズレや破損箇所
- 軒下の破風板や鼻隠しの隙間
- 屋根と壁の接合部分
- 棟の換気口
- 雨樋の接続部や破損箇所
- 壁面
-
- エアコン配管の貫通部分
- 換気扇ダクトの周辺
- 外壁のひび割れや破損
- 戸袋の内側
- 増改築部分の継ぎ目
- 基礎・床下
-
- 基礎コンクリートの亀裂
- 通風口(金網の劣化や破損)
- 床下点検口周辺
- 給排水管の貫通部分
侵入口を見つけるためのポイントは、アライグマが残した痕跡を探すことです。
- 足跡:5本指で、かかとまでしっかりつく特徴的な跡
- 爪痕:木材や壁に残る引っかき傷
- 汚れ:体が通る場所には黒ずんだ汚れが付着する
- 毛:侵入口の周辺に灰色や茶色の毛が引っかかっている
- 糞:侵入ルート付近に糞が落ちていることがある
見落としやすい場所のワースト5をご紹介します。
- 戸袋の内側:外から見えず、雨戸を開けないと確認できない
- 増改築の継ぎ目:古い建物と新しい建物の接合部分に隙間ができやすい
- エアコン配管貫通部:配管を通すために開けた穴が、配管より大きく隙間が残っている
- 通風口の金網:経年劣化で錆びたり破れたりしていても気づきにくい
- 屋根裏の換気口:高所にあり、普段は目が届かない
プロの駆除業者は、専門機材を使って壁の中や狭い隙間を調査したり、隠れた侵入口を発見したりします。
また、建物の構造を理解しているため、「この構造ならここに隙間ができやすい」という経験則から、素人では気づかない場所もチェックできます。
高所の調査は特に危険です。屋根の上に登る場合は、ヘルメット、滑り止め付きの靴、安全帯などの装備が必須です。
無理をして転落事故を起こすリスクを考えると、高所作業が必要な場合はプロに依頼することを検討してください。
全ての侵入口を特定できたら、次は封鎖作業に移ります。
ステップ3:侵入口を頑丈な素材で完全に封鎖する

侵入口の封鎖で最も重要なのは、アライグマが破れない頑丈な素材を使用することです。
アライグマは器用な手先と強い力を持っています。簡易的な封鎖では、数日から数週間で破られてしまいます。
推奨する封鎖素材をご紹介します。
- パンチングメタル
- 金属製の穴開き板。非常に頑丈で、アライグマが齧ったり破ったりできない。通風が必要な場所にも使用可能
- 金網(16番線以上)
- 太い針金で編まれた金網。16番線(直径約1.6mm)以上の太さが必要。それより細いものは破られるリスクがある
- ステンレス板
- 錆びにくく耐久性が高い。隙間を完全に塞ぐ必要がある場所に最適
- 亜鉛メッキ鋼板
- ステンレスより安価で、十分な強度がある。屋外使用でも錆びにくい
逆に、使用してはいけない素材もあります。
- 段ボールや木板:簡単に齧られて破られる
- ビニールネットや園芸用ネット:爪で破られる
- 発泡ウレタンのみ:表面を覆うだけでは齧って穴を開けられる(内部補強と併用なら可)
- 細い針金(14番線以下):力で引っ張って破られる
封鎖の施工ポイントを解説します。
まず、封鎖材を単に置くだけでは不十分です。ビスやボルトでしっかりと固定する必要があります。
特に、アライグマは力が強いため、釘だけの固定では引っ張られて外されてしまうことがあります。
また、封鎖材と建物の間にわずかでも隙間があると、そこから再侵入を試みます。
そのため、コーキング剤(シリコンやウレタン系)を使って、隙間を完全に埋めることが重要です。
トータルクリーンでは、このような侵入口の封鎖技術に長けており、ポイントを抑えた施工を行っています。
再発防止のために適切な再発防止対策をしたいという方は、トータルクリーンまでお気軽にお問い合わせください。
アライグマ駆除の参考事例:大阪府堺市南区・天井裏のアライグマ駆除の事例
床下・基礎部分の封鎖方法
床下の通風口は、換気機能を維持しながら封鎖する必要があります。
既存の金網が劣化している場合は、16番線以上の頑丈な金網に交換してください。
金網は通風口の内側から設置し、四隅をビスで固定します。金網の周囲はコーキング剤で隙間を埋めましょう。
基礎コンクリートに亀裂がある場合は、まず亀裂をセメントで補修し、その上からステンレス板や金網で覆います。
床下作業では、以下の装備が必要です。
- ヘッドライトまたは懐中電灯
- 防塵マスク(糞尿の粉塵を吸い込まないため)
- 手袋とつなぎの作業着
- 膝パッド(狭い場所での作業が多いため)

春先から鳴き声が気になっていましたが、最近は足音が本当にうるさくなり、家族みんなが不安な日々を過ごしていました。調査と対策を迅速にしていただき、侵入口もきちんと塞いでもらえたので、ようやく安心して生活できるようになりました。…もっと読む
屋根・軒下部分の封鎖方法
屋根や軒下の作業は高所作業となるため、安全対策が最優先です。
必須の安全装備は以下の通りです。
- ヘルメット
- 滑り止め付きの作業靴または足袋
- 安全帯(フルハーネス型が理想)
- 梯子を固定するための補助者
瓦のズレは、まず瓦を元の位置に戻し、ズレが再発しないように固定します。大きな隙間がある場合は、その隙間をステンレス板や金網で覆ってから瓦を戻します。
破風板や鼻隠しに隙間がある場合は、アルミ板やステンレス板を使って隙間を覆い、ビスで固定します。この際、雨水の浸入を防ぐため、防水コーキングを必ず施してください。
雨樋の接続部分は、隙間があればコーキング剤で埋め、必要に応じて金網で補強します。
高所作業に不安がある方、または2階以上の作業が必要な場合は、転落事故のリスクを考えて専門業者に依頼することを強くお勧めします。
壁・配管貫通部の封鎖方法
エアコン配管や換気扇ダクトの周辺は、見落としがちですが重要な侵入口です。
配管を通すために開けた穴が、配管の直径より大きい場合、その隙間をアライグマが利用します。
封鎖方法は以下の通りです。
- 配管周辺の隙間を確認する
- 隙間に発泡ウレタンを充填する
- 発泡ウレタンが固まったら、表面を金網やパンチングメタルで覆う
- 金網の周囲をコーキング剤で密閉する
発泡ウレタンだけでは齧られてしまうため、必ず金網などで保護することがポイントです。
経年劣化したコーキングの打ち直しも重要です。古いコーキングはカッターなどで削り取り、新しいコーキング剤を充填します。
外壁用には耐候性の高いシリコンコーキングやウレタンコーキングを使用してください。
配管の機能を損なわないように、配管自体を圧迫したり、曲げたりしないよう注意してください。
ステップ4:封鎖後の効果検証と追加対策
封鎖作業が完了しても、まだ安心はできません。
見落とした侵入口がないか、封鎖が不十分な箇所がないかを、1〜2週間かけて検証する必要があります。
検証方法は、ステップ1で使用した小麦粉トラップが有効です。封鎖した侵入口の周辺に小麦粉を撒き、新たな足跡がついていないかを毎日確認してください。
また、夜間に屋根裏で物音がしないかも継続して確認します。もし物音が聞こえたら、見落とした侵入口から再侵入している可能性があります。
万が一、再侵入の痕跡を発見した場合の対処法は以下の通りです。
- 新たな侵入口を探す(見落としていた場所を重点的に確認)
- 発見した侵入口を同様の方法で封鎖する
- 再度、1〜2週間の検証期間を設ける
定期点検のスケジュールも重要です。以下のタイミングで建物の外周をチェックすることをお勧めします。
- 季節の変わり目(特に秋から冬にかけて)
- 台風や強風の後
- 大雨の後
- 地震の後
これらのタイミングでは、建物に新たな破損や隙間が発生している可能性があるため、早期発見・早期対処が重要です。
ステップ5:再侵入を防ぐ環境整備と予防策
最後のステップは、アライグマを引き寄せない環境づくりです。
どんなに完璧に侵入口を封鎖しても、建物の周辺環境が「アライグマにとって魅力的」であれば、新たな侵入口を作ろうとしたり、別の場所から侵入を試みたりします。
- 建物周辺の雑草や茂みを定期的に刈り取る
- 物置周りに積み上げた不用品を整理する
- 建物に接している樹木の枝を剪定し、屋根に届かないようにする
- 使っていない倉庫や小屋の戸締まりを確認する
アライグマは人目につかない場所を好むため、見通しの良い環境を維持することが予防につながります。
忌避剤は、封鎖完了後の補助的な予防策として活用できます。
封鎖が完了した後であれば、忌避剤を建物の周辺に設置することで、「この場所は不快だから近づきたくない」という印象を与えることができます。ただし、あくまで補助的な手段であり、侵入口の封鎖が最優先であることを忘れないでください。
こうした日常的な観察により、万が一の異常も早期に発見できます。
以上が、アライグマが絶対に戻ってこれない完全封鎖の5ステップです。
ここまで読んで「自分でできるだろうか?」と不安に感じた方もいらっしゃるでしょう。
次のセクションでは、自力駆除と業者依頼の判断基準について、費用対効果も含めて詳しく解説します。ご自身の状況に合った最適な選択ができるよう、客観的な情報を提供しますので、ぜひ参考にしてください。
自力駆除と業者依頼の判断基準
「自分で駆除できるのか、それとも業者に頼むべきなのか?」
これは、アライグマ被害に遭われた多くの方が抱える悩みです。
ここでは、押し売りではなく客観的な情報として、それぞれのメリット・デメリット、費用対効果、そして判断基準をお伝えします。
自力駆除で対応可能なケースと限界
まず、自力で対応できる可能性がある条件からご説明します。
以下の全ての条件を満たす場合は、自力でも対応できる可能性があります。
- 侵入してから間もない(1ヶ月以内)
- 被害が屋根裏の一部など、限定的な範囲に留まっている
- 侵入口が1〜2箇所で、地上から手が届く低い場所にある
- 子供がいない時期(7月〜3月が比較的対応しやすい)
- 高所作業に慣れている、または安全装備を揃えられる
- 時間的余裕がある(調査・封鎖に数日かけられる)
自力駆除の総コストは、以下のような内訳になります。
- 忌避剤・燻煙剤
- 3,000〜8,000円程度
- 封鎖材料(金網、パンチングメタル、コーキング剤など)
- 10,000〜30,000円程度
- 工具(なければ購入)
- 5,000〜15,000円程度
- 安全装備(ヘルメット、手袋、マスクなど)
- 5,000〜10,000円程度
- 清掃・消毒用品
- 3,000〜5,000円程度
合計で約25,000〜70,000円程度が目安となります。
ただし、自力駆除にはいくつかのリスクがあることも理解しておく必要があります。
まず、侵入口の見落としによる再発率の高さです。前述の通り、自力駆除での再発率は非常に高いです。
再発すれば、また同じ作業を繰り返すことになり、費用も時間も二重にかかってしまいます。
次に、高所作業の危険性です。屋根の上での作業中に転落して怪我をすれば、治療費や休業による損失は、業者費用をはるかに上回ります。
また、時間的コストも無視できません。侵入口の調査、材料の購入、封鎖作業、検証と、全ての工程を自分で行うとなると、最低でも3〜5日分の時間が必要です。
自力駆除に挑戦する場合の成功のポイントを3つご紹介します。
- 侵入口の特定は絶対に妥協しない:「見つけた1箇所だけ塞げば大丈夫」という考えは捨て、建物全体を徹底的に調査してください
- 頑丈な素材を使う:コスト削減のために安い素材を使うと、すぐに破られて二度手間になります
- 退去確認は慎重に:最低でも3日間、できれば1週間は様子を見てから封鎖してください
業者依頼が必須となる5つのケース

以下のケースに該当する場合は、自力駆除ではなく業者への依頼を強くお勧めします。
- ケース①:被害範囲が広い(複数の部屋に及んでいる)
- 被害が広範囲に及んでいる場合、侵入口も複数箇所に分散している可能性が高く、素人が全てを見つけることは困難です。また、清掃・消毒の範囲も広くなり、専門的な機材が必要になります。
- ケース②:侵入口が高所にある、または特定が困難
- 2階以上の屋根や、壁の中など目視できない場所が侵入口の場合、専門的な調査機材が必要です。また、高所作業は転落のリスクが高く、専門的な安全装備と技術が求められます。
- ケース③:子供がいる時期(4〜6月)
- 子供がいる場合、親だけを追い出すと子供が取り残されるリスクがあります。また、母親は子供を守るため攻撃的になることもあり、素人が対応するのは危険です。プロは子供を含めて安全に対処する技術を持っています。
- ケース④:過去に自力駆除で失敗した経験がある
- 一度自力で駆除を試みて再発した場合、見落としている侵入口があるか、封鎖が不十分だった可能性が高いです。同じ方法を繰り返しても、また失敗する可能性が高いため、プロの目で調査してもらうことをお勧めします。
- ケース⑤:高齢者・体力に不安がある
- 屋根裏への出入りや高所作業は、体力を要します。無理をして怪我をするリスクを考えると、最初からプロに任せる方が安全です。
業者駆除の費用相場と作業内容の内訳
アライグマ駆除を業者に依頼した場合の費用相場は、20,000円〜300,000円程度で、平均的には100,000〜150,000円程度です。
なぜこれほど幅があるのか、費用の変動要因をご説明します。
- 被害規模:屋根裏だけか、複数の部屋に及んでいるか
- 侵入口の数:1〜2箇所か、5箇所以上か
- 建物の構造:平屋か2階建てか、足場が必要か
- 作業の難易度:高所作業や壁の解体が必要か
- 清掃・消毒の範囲:糞尿の量、天井の破損具合
標準的な作業内容と費用の内訳を表にまとめます。
| 作業項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 現地調査・見積り | 無料〜30,000円 | 多くの業者は無料で実施 |
| 追い出し作業 | 20,000〜50,000円 | 忌避剤、燻煙剤の使用を含む |
| 侵入口封鎖 | 10,000〜30,000円/箇所 | 高所作業や特殊な場所は追加費用 |
| 清掃・消毒 | 30,000〜80,000円 | 糞尿の量、範囲により変動 |
| 再発保証 | 無料〜20,000円 | 保証期間により費用が異なる |
追加費用が発生しやすいケースもご紹介します。
- 天井板の張替え
- 糞尿で天井板が腐食している場合、50,000〜150,000円程度の追加費用が発生します。
- 断熱材の交換
- 断熱材が糞尿で汚染されている場合、30,000〜100,000円程度の追加費用がかかります。
- 足場の設置
- 2階以上の高所作業で足場が必要な場合、50,000〜100,000円程度の追加費用が発生します。
こうした追加費用の発生を避けるためにも、見積りの段階で「追加費用が発生する可能性がある作業」を確認し、総額の上限を明示してもらうことが重要です。
自力駆除と業者依頼、どちらを選ぶかは、費用だけでなく、安全性、確実性、時間的コストを総合的に判断する必要があります。「少しでも不安がある」と感じたら、まずは無料の電話相談で、プロの意見を聞いてみることをお勧めします。
よくある質問:アライグマ再発防止に関するQ&A
ここでは、アライグマの再発防止について、お客様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 駆除したアライグマは本当に同じ個体が戻ってくるのですか?
はい、帰巣本能により同じ個体が戻ってくる可能性が高いです。
アライグマにGPS発信機を装着して追跡した研究では、数キロ離れた場所に放しても、数日から数週間で元の巣に戻ってくることが確認されています。
アライグマは一度「安全で快適な場所」と認識した巣を長期間記憶し続けます。その記憶は最長6ヶ月以上持続するというデータもあります。
ただし、同じ個体が戻ってくるケースだけでなく、別の個体が空いた巣を利用するケースもあります。アライグマは複数のねぐらを持ち、エリア内を転々とする習性があるため、元の住人を追い出しても、近隣に住む別のアライグマが「ここは空いている」と認識して入り込むこともあるのです。
そのため、「追い出すだけ」では意味がなく、侵入口の完全封鎖が絶対に必要なのです。
Q2. 忌避剤の効果はどのくらい持続しますか?
市販忌避剤で2〜4週間、木酢液で数日〜1週間程度が一般的です。
忌避剤の効果が減衰する理由は主に2つあります。
1つ目は、臭いの拡散です。忌避剤の成分は揮発性が高く、時間とともに臭いが薄れていきます。特に屋外や風通しの良い場所では、効果の持続時間が短くなります。
2つ目は、アライグマの慣れです。最初は忌避剤の臭いに驚いて逃げますが、「この臭いは危険ではない」と学習すると、2〜3週間で慣れてしまいます。
そのため、忌避剤を使用する場合は、定期的な再散布が必要です。しかし、これはあくまで一時的な対策であり、根本解決にはなりません。
忌避剤は「追い出しの補助手段」として使用し、必ず侵入口の封鎖とセットで行うことが重要です。
Q3. 自治体の捕獲許可を取れば自分で捕獲できますか?
法律上は可能ですが、実際には推奨できません。
アライグマは鳥獣保護管理法と外来生物法の両方で規制されており、無許可での捕獲は違反となります。しかし、自治体に申請すれば、許可を得て捕獲することは可能です。
捕獲よりも、忌避剤による追い出しと侵入口の封鎖という方法の方が、人道的かつ効果的です。アライグマを殺すのではなく、「入れないようにする」という発想で対策することをお勧めします。
Q3. 一度業者に駆除してもらったのに再発しました。保証は使えますか?
契約時の保証内容によりますので、まず契約書を確認してください。
まずは、施工を行った業者に連絡して現地確認を依頼してください。優良な業者であれば、保証内容に基づいて適切に対応してくれます。
もし業者の対応が不誠実だったり、保証を適用してくれなかったりする場合は、消費生活センターに相談することもできます。契約書と施工内容の記録(写真など)を持参して相談してください。
Q4. アライグマの繁殖期はいつですか?対策に適した時期はありますか?
繁殖期は1〜3月、出産は4〜6月で、駆除に最適なのは秋から冬(10月〜翌年2月頃)です。この時期であれば子供もおらず、次の繁殖期が始まる前に対策を完了できます。
ただし、すでに被害が出ている場合は、時期を問わず早急に対処する必要があります。被害を放置すればするほど、糞尿による汚染が進み、建物へのダメージも大きくなります。
子育て期(4〜6月)に被害が発覚した場合は、無理に追い出そうとせず、専門業者に相談して適切な対処法を判断してもらうことをお勧めします。
Q5. 賃貸住宅でアライグマ被害が出た場合、費用は誰が負担しますか?
基本的には建物所有者(大家・管理会社)の負担となります。
賃貸住宅における害獣駆除費用の負担については、以下のように考えられます。
入居者の過失がない限り、建物の維持管理責任は所有者にあります。アライグマの侵入は、建物の経年劣化や構造上の問題が原因であることがほとんどであり、入居者の責任ではありません。
もし管理会社や大家の対応が遅い場合は、以下の対処法があります。
- 内容証明郵便で正式に被害状況と対応要求を送る
- 自治体の住宅相談窓口に相談する
- それでも対応しない場合は、消費生活センターや弁護士に相談する
ただし、入居者が勝手に業者を手配して駆除し、その費用を大家に請求することはトラブルの元になります。必ず事前に管理会社や大家の了承を得てから対処してください。
以上が、アライグマの再発防止に関してよく寄せられる質問への回答です。他にも疑問点があれば、専門業者に気軽に相談してみることをお勧めします。多くの業者は、相談だけであれば無料で対応してくれます。
【まとめ】アライグマ再発防止は「原因理解×完全封鎖×業者選び」の三位一体
この記事では、アライグマが戻ってくる原因と、完全な再発防止対策について詳しく解説してきました。
適切な対策を行えば、アライグマの再発は必ず防ぐことができます。
ただし、それには正しい知識と、確実な施工が必要です。
もし、この記事を読んで「自分でできるか不安」「確実に解決したい」と感じられた方は、まずは無料の電話相談をご利用ください。
株式会社トータルクリーンでは、現地調査と見積りを実施しております。調査の結果、もし自力で対応できる程度の被害であれば、正直にそうお伝えします。無理な営業は一切いたしません。
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