昔からの知恵として「家の中のクモは殺さないほうが良い」ということがあります。
これは肉食性であるクモが、家の害虫を食べてくれる天敵だからとも言われています。
クモは禍々しい見た目ですが、人間にはありがたい存在なんです。
そしてクモの中には、ゴキブリ退治に役立ってくれる種類のクモもいます。
それが、アシダカグモです。
この記事では、アシダカグモの生態について解説します!
目次
害虫の天敵アシダカグモって?
害虫の天敵ともいわれるアシダカグモは、1センチから3センチほどの、大きめのクモです。
見た目がちょっとおどろおどろしいですが、人間が近寄ると逃げてしまう臆病な性格をしています。
人間に対する毒は持たず、こちらから危害をくわえなければ襲ってくることもありません。
食性は肉食性。「肉食」ときくとやはり恐ろしい印象を抱いてしまいますが、要はゴキブリやハエ、小さなネズミなどを捕食してくれる、ということ。人間にとって、とってもありがたいですよね。
放っておいても大丈夫?アシナガグモの習性
アシダカグモを見かけても、放っておくほうがゴキブリなどの害虫駆除には効果的です。
ですが、本当に放っておいても大丈夫なのか気になりますよね?
アシダカグモの習性を詳しく解説していきましょう。
アシダカグモは巣をはる習性がない
クモが人にとって有益だからと言っても、クモの巣が視界に入ると気になります。
しかし、アシダカグモは歩きまわって獲物を捕らえるので、巣を張る習性がありません。
ですので、家の中や軒下にクモの巣を張られる心配はなく、外観を損なう心配はないでしょう。
アシダカグモたくさんの子グモを生む
アシダカグモは、6月から8月の間に卵を産みます。
この時期には、白いあぶくのような「卵のう」を抱えたアシダカグモを見るかもしれません。
「これら全てのクモが孵化したら、家中クモであふれてしまうのでは……」なんて考える方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。生まれた子グモは、そのうち家から去っていきます。
そしてその去り方が、とても興味深いんです。
子グモは窓辺のような風通しの良い場所に移動し、お腹から糸を出して、なんと空を飛んで去っていくのです!
これは「バルーニング」と呼ばれ、アシダカグモ以外のクモや、一部のガの幼虫が行うそうです。
微風に乗って去っていくと考えられていましたが、2018年に発表された研究結果では、クモは「電場」の力を借りて無風時にも飛行できる可能性が示されました。
【参考】Electric Fields Elicit Ballooning in Spiders: Current Biology
アシダカグモは害虫がいなくなると去っていく
そして、アシダカグモの成虫も、家からゴキブリなどの害虫がいなくなれば、次の食料を探して旅立ちます。
なので、害虫がいなくなった後、アシダカグモだけが繁殖してどんどん増えていくということはありません。
クモは害虫の天敵!できるだけ共存を
アシダカグモはその見た目から、不快害虫とされてしまいます。
ですが、ゴキブリなどの害虫には天敵になるので、とても役立つのです。
どうしても我慢できない方もいらっしゃるかもしれませんが、ゴキブリ退治の観点からは、できるだけ殺虫剤などで退治してしまうのではなく、共存していくことをオススメします。
どうしても駆除しきれない場合は業者に頼もう
今回はアシダカグモがゴキブリやその他の害虫の天敵になるという解説をしました。
どうしても虫が苦手な方や、アシナガグモがいるのにゴキブリなどの害虫がが発生してしまう時は、プロの業者に依頼することをオススメします。
プロとしての経験や知識、ノウハウを活かし、ゴキブリを徹底駆除できますし、一度きりではない定期的な駆除・防除の相談にも乗ってくれますよ。