ゴキブリに効くという超音波や電磁波を使った装置。
本当に効くのであれば、すぐにでも買いたいですよね?
「気配を感じるだけでゾッとする」、「この世からゴキブリがいなくなればいいのに」、「せめて私の視界には頼むから入らないで」
超音波装置なら、そんな願いを叶えてくれるかもしれないと期待していませんか?
残念ながら、超音波装置や電磁波装置はゴキブリを駆除する効果はありません。
本記事では、アメリカの有名大学の研究者が行った超音波を使っての実証実験の結果を解説するとともに、「じゃあ、どうすればいいの?」という人向けに、ゴキブリを見なくて済む効果的な駆除方法も紹介します。
記事を読んで実践すれば、ゴキブリを見る機会を減らすことができるでしょう。
目次
ゴキブリ対策に超音波は効かない?!
超音波ではゴキブリを駆除できません。
以下にアメリカの有名大学で行った実験などについて紹介します。
- 市販の3種類の超音波装置でゴキブリを駆除できず
- 蚊にも超音波装置は効かないという実験結果
- 超音波装置に関しての景品表示法に基づく措置命令
市販の3種類の超音波装置でゴキブリを駆除できず
2006年、ルイジアナ州立大学のFangneng Huang氏などが、市販の3種類の超音波装置のゴキブリに対する効果を検証しました。
テストの結果、3種類すべての超音波装置でゴキブリに対する駆除効果を確認できませんでした。
参考:市販超音波装置のゴキブリへの効果の欠如について
蚊にも超音波装置は効かないという実験結果
2007年、これもやはりアメリカのカンザス州立大学での実験結果。
ほとんどすべての超音波装置が出せる周波数(20~100kHz)をカバーする超音波実験装置を開発してゴキブリと蚊に対する効果を確認したところ、ゴキブリどころか、蚊にすら、その効果を確認することができなかったと発表しています。
この実験により、研究チームは、上記で実施した市販の超音波装置に関して、「ゴキブリに対する効果は期待できないことを裏付けた」としています。
参考:超音波装置による蚊とゴキブリの反応について
超音波装置に関しての景品表示法に基づく措置命令
2021年4月26日、消費者庁の公正取引委員会は「RIDDEX PLUS」という商品に対して、「不当な表示を行っていた」景品表示法違反として、措置命令を行いました。
「RIDDEX PLUS」は超音波によって害虫を駆除する装置としてネットなどで販売されています。
本件商品の写真及び弱っているゴキブリのイラストと共に、「あれ!?ゴキブリどこいった??」、及び「部屋からゴキブリが消える!」と記載するなど、別表「表示内容」欄記載のとおり記載することにより、あたかも、本件商品を設置するだけで、ゴキブリやヒアリ等を建物から駆除することができるかのように示す表示をしていたこと。(中略)本件商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものであること
公正取引委員会は上記のとおり、「RIDDEX PLUS」という市販の超音波装置について、「あたかもゴキブリやヒアリ等を建物から駆除することができるかのように示す表示をしていたこと」が法律に違反するとしています。
また、同社から出されたゴキブリへの効果に関する資料についても「表示の裏付けとなる合理的根拠を示すものではあるとは認められない」としています。
電磁波はゴキブリの活動を低下させた
超音波がダメなら、電磁波はどうでしょうか?
実は、アメリカでの実験から遡ること約5年、千葉大学で市販の電磁波装置のゴキブリに対する効果の実証実験を行っています。
結果、2週間程度の間、ゴキブリの活動を低下させる効果があり、ストレス行動が見られましたが、その後、慣れが生じてストレス行動が見られなくなりました。
しかし、これはゴキブリが逃げることができない箱の中に入れて電磁波を当て続けた結果です。
そもそも、逃げる場所がいくらでもある家の中で電磁波装置を使っても、その効果が怪しいことは実証実験の結果からも明らかですね。
ゴキブリを見たくない人におすすめの駆除方法
超音波装置でゴキブリを駆除することが期待できないなら、どうすれば良いのでしょうか?
「ゴキブリホイホイなどは見えるので設置したくない」、「殺虫剤をかけようとしてゴキブリが向かってきたことがあってトラウマだ」、「なんとかしてゴキブリとの遭遇を避けたい」
そんな人に向けて3つの対策を解説します。
「そもそも自分でゴキブリの対処をしたくない」という人は、業者に依頼しましょう。
ただ、以下に紹介する対策は、ゴキブリと遭遇する確率が低いので、まずは試してみてはいかがでしょうか?
プロに相談するのは、それからでも遅くはないかもしれません。
ベイト剤
ゴキブリとなるべく遭遇せずに家から駆除したい場合は、ベイト剤が効果的です。
ベイト剤は毒の餌をゴキブリに食べさせて駆除します。毒餌を食べたゴキブリが巣に戻ると他のゴキブリにも効果を発揮して巣ごと駆除できるのが特徴です。
市販のベイト剤をまずは買ってきて、台所や洗面所にバラまいておきましょう。
サイズが小さく、冷蔵庫や洗濯機の下、家具などの裏にも置けるので便利ですね。
殺虫剤や次に紹介するくん煙剤などと違って、食品にかかったりする心配がないので気軽に使えるので普段から使うのにはおすすめです。
くん煙剤
くん煙剤はとても強力なゴキブリ対策なので、飲食店などでも使われています。
部屋の隅々まで効果を発揮するので一気にゴキブリを駆除したい場合におすすめです。
くん煙剤には煙、水、霧と3つのタイプがありますが、煙タイプが1番強力です。
水タイプを使うと臭いや煙を抑えることができます。ペットや子供が気になる方は霧タイプだと煙も熱も出しません。
- 煙タイプ:1番強力で部屋の隅々までしっかりと駆除したい
- 水タイプ:できれば煙と臭いを抑えたい
- 霧タイプ:ペットや子供がいるので煙を出したくない
家庭の事情に応じて、タイプを使い分けましょう。
侵入口対策
ゴキブリ対策で意外と見落とされがちなのが、侵入口対策です。
ゴキブリは玄関やベランダの窓などの他、排水口や台所の換気扇からも侵入してきます。
玄関や窓はこまめに閉めることと、スキマがあったら塞ぎましょう。
排水管の多くは、水を貯めてゴキブリなどの害虫の侵入を防ぐためにS字の形をしています。
しかし、中には曲がっていない排水管があるので、洗面台の下を覗いて確認してみましょう。
排水管が曲がっていない場合は、網を排水口に設置するなどの対策が必要です。
換気扇も隙間だらけなので、フィルターをつけて外部からの侵入を防ぐといいでしょう。
最後の手段は業者に依頼
ゴキブリを家の中で見たくない人は、まず侵入口対策をしてください。
そして日ごろはベイト剤を設置しましょう。
それでもゴキブリが出るようなら、ちょっと面倒でも1度くん煙剤を試してください。環境が許せば、強力な煙タイプのくん煙剤を使うことをおすすめします。
「それでもゴキブリが出てしまう家は……」
1度プロに相談してみましょう。
自分でゴキブリを駆除するより費用はかかりますが、全部まるごとお任せできるので、あの恐怖と闘わずに済みます。
ゴキブリを見たくない人にとっては、それだけの価値があるのではないでしょうか?