シロアリ駆除は自分でできる?DIYの方法と注意点をプロが解説

害虫駆除コラム

シロアリ駆除は自分でできる?DIYの方法と注意点をプロが解説

シロアリの駆除って高いですよね?
新築の家でもないし「シロアリの駆除費用で30万」はちょっとキツイ。
せっかく節約した家の購入費用、頑張って自分でリフォームして浮かしたお金、それらが全部なくなると考えると絶望的ですよね?
かといって激安のシロアリ駆除は怪しいから頼みたくない。
「悪徳業者に騙されるくらいなら自分でシロアリを駆除しよう!」そんな思いの人は記事を読んでみてください。
本記事は、シロアリ駆除のプロが、「業者に頼まなくてもDIYでシロアリを駆除する方法」を解説します。
せっかく節約した家の費用を無駄にしないためにも、ぜひ記事を読んでみてください。

シロアリ駆除は自分でできる?

シロアリ駆除自分でできる方法と注意点
結論から言うと、シロアリ駆除は自分でもできます。
ただし、以下の場合は自分でシロアリを駆除するのが難しいので、プロの業者に依頼をした方がいいです。

  1. 家の周りがコンクリートで固められている
  2. アメリカカンザイシロアリによる被害である
  3. シロアリの被害が広範囲で深刻である

もう少し詳しく解説します。

1.家の周りがコンクリートで固められている

シロアリの駆除を自分でやる場合は、ベイト工法という駆除方法がおすすめです。
ただし、ベイト工法は地中にベイト(毒エサ)を埋める必要があるため、家の周りがコンクリートなどで固められていると、この工法は使えません。
コンクリートに穴を開けるのは素人では難しいですし、土がむき出しの部分だけベイト剤を設置しても効果を十分に発揮することはできません。
なので、家の周りがコンクリートなどで固められている場合は、自分で駆除するのはあきらめて、プロの業者に依頼する方が賢明です。

2.アメリカカンザイシロアリによる被害である

アメリカカンザイシロアリによる被害とわかった場合も、自分でのシロアリ駆除はあきらめて、プロの業者に依頼することをおすすめします。
日本での被害はまだまだ少ないですが、アメリカカンザイシロアリの被害は近年徐々に拡がっています。
アメリカカンザイシロアリは昔からいる日本固有のヤマトシロアリやイエシロアリと違い、小集団で木材の中にずっと潜って暮らすため、その発見、そして駆除がプロでも大変難しい外来種のシロアリです。
体長が1センチ近い大きなシロアリを発見したらアメリカカンザイシロアリを疑ってください。
シロアリがアメリカカンザイシロアリだった場合は、自分で駆除するのはおすすめしません。

3.シロアリの被害が広範囲で深刻である

シロアリの被害が広範囲にわたる場合は、深刻な被害となっている可能性がありますので、自分で駆除するのは断念してプロの業者に依頼をすべきでしょう。
家の中、複数の箇所でシロアリの被害がある場合は全容を把握するのが難しく、駆除するハードルも上がるからです。
また被害が広い場合はベイト工法ではなく、バリア工法の方が良い可能性があります。
バリア工法は素人には難しいので、素直にプロに任せましょう。
無理に自分で駆除しようとすると被害がどんどん拡がってしまいます。

>バリア工法の事例はこちら

シロアリを自分で駆除するならベイト工法

上記で解説したケース以外なら、自分でもシロアリを駆除することは可能です。
その場合、ベイト工法という方法でシロアリを駆除しましょう。
ベイト工法とは、ベイト剤と呼ばれる毒エサを家の周りやシロアリのとおり道(蟻道)などに設置して巣に持ち帰らせることで、シロアリの巣ごと駆除する方法です。
家の床下の地面や基礎などに大量の薬剤を撒いてシロアリを家に寄せ付けなくするバリア工法と違って、プロでなくても比較的取り組みやすい駆除方法です。
ちなみにバリア工法は、危険な薬剤を取り扱いますので、完全防護した状態で適正な量を使用する必要があり、また薬剤を撒くための噴霧器などプロ仕様のモノが必要になります。
またバリア工法はペットを飼っている場合は注意が必要ですので、自分でDIYとしてやるには不向きです。

ベイト工法でシロアリを駆除するのに必要な道具と費用

ベイト工法でシロアリを駆除するのに必要な道具は、基本的にはスコップとベイト剤だけです。
あとは後日ベイト剤を点検するときに、埋めた位置がわからなくならないように記録するための敷地の図面があると便利でしょう。図面に記録するのが面倒な人は、プラスチックの箸などをベイト剤の近くに刺して目印にしても良いかもしれません。
ベイト剤はDIY用が30個1万円前後から、ホームセンターやネットで購入できます。
ベイト剤は家の周りに2~3m間隔で埋めるので、家の外周から計算して必要な個数を買ってください。
シロアリがベイト剤を運び出して減ってきた場合など、追加でベイト剤が必要になるので、予備で少し多めに買うのが良いでしょう。

ベイト工法でシロアリを駆除する方法3ステップ

それではベイト工法でシロアリを駆除する方法を3ステップで解説します。

  1. 道具を準備する
  2. ベイト剤を埋める場所を決めて埋める
  3. 定期的に点検する

1.道具を準備する

まずは、シロアリ駆除をする道具です。
上記でも紹介したとおり、家の外周を計測してからホームセンターかネットで必要な個数のベイト剤を購入してください。
家の外周の計測は図面で行うか、歩いてザックリ計測するかどちらでも構いません。
シロアリの被害はゆっくりと進行するものなので、ホームセンターに行くのが面倒、遠い、という人はネットで注文してもOKです。
スコップは園芸用のものを持っていれば問題ありません。
服装も動きやすいものであればなんでも問題ないでしょう。

2.ベイト剤を埋める場所を決めて埋める

道具の準備ができたら、次にベイト剤を埋めていきます。
ベイト剤は家の周り、外壁から30センチほど離した位置に埋めてください。
台所やお風呂などの水回り、玄関周り、縁側や花壇の周辺などはシロアリが発生しやすいので、ベイト剤を埋める間隔は1mなど狭めにします。

3.定期的に点検する

ベイト剤を埋めたらあとは、じっくりと待ちましょう。
1ヶ月たったら、全てのベイト剤を点検してください。中にシロアリが入って毒エサが減っていたら、駆除が開始されている証拠です。
毒エサがなくなりそうになっていた場合は、追加で隣にベイト剤を埋めてください。
ベイト剤の中にシロアリがいなくなったら駆除完了です。
逆に4~6ヵ月ベイト剤の中に全くシロアリが確認できず、毒エサも減っていない場合は、設置場所を変更しましょう。
シロアリの巣は1ヵ所とは限りませんので、完了後も他のベイト剤は定期的に確認してください。

シロアリを自分で駆除する際の注意点4つ

シロアリ

ここまで素人でも自分でシロアリを駆除しやすいベイト工法での駆除方法を解説してきましたが、注意点が4つあります。

  1. シロアリを殺虫スプレーなどで駆除しない
  2. ベイト剤の確認は月1回まで
  3. 駆除に時間がかかることを意識する
  4. ベイト剤をケチらない

詳しい注意点は以下に解説しますので確認しておいてください。

1.シロアリを殺虫スプレーなどで駆除しない

シロアリが湧いていると、ついつい殺虫スプレーなどを使って駆除したくなると思いますが、我慢してください。
殺虫スプレーでシロアリは死にますが、巣の中にいるシロアリは当然死なず、また警戒をして別の場所に移るなど、被害が広がってしまいます。
またベイト剤の近くでスプレーを使うと、シロアリが寄り付かなくなります。
したがって、ベイト工法でシロアリを駆除する場合は、殺虫スプレーは一切不要と覚えておいてください。
家の中でシロアリがいて気持ち悪いという場合は、掃除機で吸うか、ティッシュなどを使って刺激をあまり与えずにそっと取り除くようにしましょう。

2.ベイトの確認は月1回まで

「ベイト剤にシロアリが入っているか?」、「本当に効き目があるのか?」など、ベイトを設置するとどうしてもベイトの状況を見たくなると思います。
でも、そこは我慢してください。シロアリは警戒心が強く、あまり何度もベイト剤の状態を確認すると、そのベイト剤にかからなくなる可能性があります。
確認は月1回程度、そっとみるくらいにしてください。

3.駆除に時間がかかることを意識する

ベイト剤によるシロアリの駆除には時間がかかります。
これは即効性のあるバリア工法との大きな違いです。
自分でやるとどうしても不安になると思いますが、ベイト工法は効果が確認できるまで数カ月単位の時間が必要です。
なのでベイト剤を設置したら、ゆっくりと構えてください。
最初から、ある程度時間がかかるとわかっていると心の余裕ができると思いますのでお伝えいたします。

4.ベイト剤をケチらない

ベイト剤をケチるとシロアリに気付かれなかったり、シロアリのとおり道から遠くなってしまったりする可能性があります。
自分でベイト剤を設置する場合、プロと違って的確にベイト剤を埋められるわけではないので、ケチらずに数は多めに埋めましょう。
それだけシロアリに見つけてもらえる可能性が高くなります。

シロアリ被害に遭わないための予防法3選

シロアリは一旦駆除しても、再発する可能性があります。
そこで、シロアリを駆除した後に再発を防止するために自分でできる予防法を3つお伝えします。

  1. ベイト剤を継続的に使用する
  2. 湿気対策をする
  3. 家の周りを片づける

以下にひとつひとつ解説して本記事を終わりにしたいと思います。

1.ベイト剤を継続的に使用する

シロアリを駆除した後もベイト剤は継続的に使用しましょう。
使い捨てタイプのベイト剤の使用期限は2年程度ですので、使用期限が来たら、少し場所をずらして新たに設置することも検討してください。
もちろん、日頃から床下などの点検をすることも忘れないようにしましょう。

2.湿気対策をする

シロアリは家の中でも台所、お風呂場など、湿気が多いところを好みます。
また雨漏りがあったり、雨どいが壊れていたりすると、その部分の壁や床下が湿気を帯びてシロアリの好きな環境になります。
壊れているところは補修する、湿気対策をしっかりする、そういった地道な努力でシロアリの被害が再発する可能性を減らせるでしょう。

3.家の周りを片づける

家の周りに不要な木材や箱、段ボールなど置いていませんか?
そういったものは、シロアリの好物です。
シロアリを防ぎたければ必ず片づけましょう。
切り株がある場合も気をつけてください。シロアリを引き寄せている可能性がありますよ。

まとめ:シロアリ駆除は自分でできる

シロアリ駆除はベイト工法で行えば比較的ハードルが低く自分でもできます。
ただし、本記事の最初でも解説したとおり、プロに任せた方が良い場合もあります。

  1. 家の周りがコンクリートで固められている
  2. アメリカカンザイシロアリによる被害である
  3. シロアリの被害が広範囲で深刻である

上記のようなときは、素直にプロの業者に依頼しましょう。
判断に迷う場合は、まずは無料で相談できる業者に電話をしてみるのもいいかもしれません。
アドバイスを受けてから、自分でシロアリを駆除すべきか判断しても遅くはないでしょう。

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