新型コロナウイルスの流行もあり、ある程度、知られるようになった次亜塩素酸水。
でも次亜塩素酸水が本当に効果があるのか疑問を持つ人も多いようです。
本記事では「次亜塩素酸水って本当に効果があるの?」とか、「どんな場面で使えばいいの?」なんて疑問を持たれる方に向けて、次亜塩素酸水の効果について解説します。
記事を読むことで次亜塩素酸水の効果や、どんな場面で使えばいいか?などがわかります。
目次
次亜塩素酸水に消毒効果はある
結論から言うと、次亜塩素酸水はウイルスや菌を消毒する効果はしっかりとあります。
次亜塩素酸水はタンパク質を酸化して分解することでウイルスや菌を不活化します。
そのため、とても多くの微生物に対して有効で、その守備範囲はアルコールより広いです。
厚生労働省が公式で発表している「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」にも、「新型コロナウイルスを破壊し、無毒化する」と有効性について明確に記載されています。
次亜塩素酸水が効くウイルスや菌
次亜塩素酸水は上記でその守備範囲が広いと解説しましたが、実際に新型コロナウイルス以外に以下の菌についても、効果を発揮します。
- 新型コロナウイルス
- ノロウイルス
- インフルエンザウイルス菌
- 黄色ブドウ球菌
- 腸管出血性大腸菌
- 縁膿菌
- サルモネラ菌
- 腸炎ビブリオ菌
- 腸管出血性大腸菌
- 結核菌
- セレウス菌
とても多くのウイルスや菌に次亜塩素酸水が効くのがわかりますよね。
なぜ次亜塩素酸水は効果が疑われるのか?
これほど多くのウイルスや菌に次亜塩素酸水が効くにも関わらず、なぜその効果が多くの方に疑われるのでしょうか?
それは以下の3つの理由によります。
- 空間噴霧には効果なし
- 効果が不安定である
- 使い方に条件がある
詳しく解説します。
空間噴霧には効果なし
新型コロナウイルスの流行でアルコールが足りなくなったときに、次亜塩素酸水は代替品として注目されました。
医療関係や食品の消毒などとして長年使われてきた実績もあります。
しかし、空間噴霧に関しては、WHO(世界保険機関)から「推奨しない」とされています。
また、日本国内においても次亜塩素酸水の空間噴霧によってウイルスや菌を無毒化できるという「正式に認められた実験結果」は出ていません。
ところが、次亜塩素酸水の空間噴霧については未だに賛否のあるところで、実際に効果があるとして現在も実施しているところもあるのです。
報道によって「次亜塩素酸水の空間噴霧は効果がない」という部分が大きく取り上げられ、情報が一人歩きしていて、その効果が疑われる原因の1つになっています。
効果が不安定である
次亜塩素酸水のウイルスや菌への消毒効果は、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムを超えうるものです。
しかし、熱や光を嫌う性質があるので保存状態によっては、その効果を失ってしまう不安定な性質を持っています。
アルコールとは扱いが違うということは頭の片隅にでも入れておくといいですね。
ただ使用上の注意を良く読んで使えば、問題なくウイルスや菌を除去できるので、それほど神経質になる必要はないでしょう。
使い方を間違えると効果を発揮しない
厚生労働省によると、次亜塩素酸水を使う場合以下の条件を満たすと新型コロナウイルスの消毒に有効と発表されています。
- 拭き掃除には、有効塩素濃度80ppm以上(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを水に溶かした製品の場合は100ppm以上)の次亜塩素酸水
- 流水でかけ流す場合には、生成されたばかりの有効塩素濃度35ppm以上の次亜塩素酸水
ちょっと条件がややこしいですよね。
また、他にもアルコールと違い、消毒したいモノにサッと吹きかける程度ではなく、十分に濡れるくらいの量を使用する必要があったりと、使い方を間違えると消毒効果を発揮しない可能性があります。
この使い方のややこしさや勘違いなどが、上記で解説した他の事柄と相まって、次亜塩素酸水の効果を疑わせる要因になっているようです。
次亜塩素酸水を使うメリット
次亜塩素酸水の効果が疑われてしまっている原因を解説しましたが、実際は次亜塩素酸水には大きなメリットがあります。
主なメリットについて以下に3つ紹介します。
安全性が高い
次亜塩素酸水は安全性が高いのが特徴です。
例えば、同じく消毒に使える次亜塩素酸ナトリウムと比べると安全性は断然次亜塩素酸水の方が高いです。
次亜塩素酸ナトリウムは皮膚や粘膜に直接当たると傷つけてしまいますし、目に入ると最悪失明の危険性もあります。
また酸性の液体と混ぜると塩素ガスが発生し、とても危険です。
一方、厚生労働省が定義する消毒用の次亜塩素酸水であれば、人の肌と同じく弱酸性のため、肌に触れても、危険性は低いです。
医療施設や食品工場などで次亜塩素酸水が消毒に使われるのは、その高い安全性によります。
どこにでも使える
次亜塩素酸水は上記で記載のとおり、安全性が高いため基本的にはどこにでも使えるのが大きなメリットの一つです。
食品などに使うことができるのは、次亜塩素酸水が有機物と反応して分解されて水に戻る性質があるからです。
ただし、賛否はありますが手指への消毒については推奨されていません。
幅広いウイルスや菌に効く
次亜塩素酸水は、例えばアルコールが効きにくいと言われているノロウイルスやノタウイルス、ボツリヌス菌や破傷風菌にも効果を発揮します。
なので次亜塩素酸水を持っていると、あらゆるウイルスや菌を消毒できるのでとても便利ですね。
加えて臭いの元となる細菌も殺菌できるため、消臭剤としても使用可能です。
次亜塩素酸水の使用上の注意点
次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウムと名前が似ているので混同されることがありますが、全くの別物です。
取り扱いも違いますので、注意が必要です。
以下に次亜塩素酸水を使用する上での注意点について解説しますので確認してみてください。
保管方法
次亜塩素酸水は紫外線や高温にさらされると、その消毒効果が失われやすくなります。
従って、次亜塩素酸水は直射日光や高温になる場所を避けて、冷暗所で保管してください。
また、使用期限もありますので、期限を確認して使用しましょう。
使用量
次亜塩素酸水を消毒で使う場合はたっぷりと使ってください。
アルコールでの消毒と同じ感覚で使うと量が少ないです。
例えば、ドアノブなどを消毒する場合、滴るくらいに使用するのが適切です。
表面をしっかりと次亜塩素酸水で濡らした後は、布きんなどで拭き取りましょう。
次亜塩素酸ナトリウムとの混同
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムを混ぜると塩素ガスが発生して大変危険です。
絶対に混ぜないでください。
次亜塩素酸ナトリウムは多くの家庭に置いてあり、手軽にドアノブやテーブルなど体以外のモノの消毒ができて便利なため、新型コロナウイルスの流行で注目を集めたアイテムです。
名前は似ていますが、次亜塩素酸水は酸性で、次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性。
ハイターなどの漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)には「混ぜるな危険」と記載がありますが、それは酸性のモノと混じると塩素ガスが発生するからです。
お子様のいらっしゃる家庭では特に注意しましょう。
ただし、この注意事項は次亜塩素酸水というよりは、本来ガスを発生する次亜塩素酸ナトリウムの方の注意とした方が適切かもしれません。
金属の錆に注意
次亜塩素酸水は酸性のため、耐腐食性のあるステンレスなどを除き、金属に使うと錆の原因となります。
また、アルミなどの場合は黒く酸化するをするので注意してください。
特に錆の影響が大きい電化製品などへの使用はおすすめしません。
次亜塩素酸水は安全性が高くモノへの消毒に効果的
次亜塩素酸水は安全性が高くモノへの消毒にはとても効果的です。
アルコールに対してアレルギー反応がある人も、次亜塩素酸水なら問題なく使えます。
アルコール、次亜塩素酸ナトリウム、そして次亜塩素酸水といろいろな消毒方法がありますが、それぞれの特徴を把握して上手く使い分けることができるといいですね。