- アシナガバチとスズメバチの違いを3つのポイントで解説
- アシナガバチを自分で駆除するための準備と方法
- アシナガバチを駆除するときの注意すべきこと
「アシナガバチが庭の柵に巣を作ったけど怖いから近づけない」、「アシナガバチの駆除方法を知りたい」とか、「アシナガバチってどのくらい危険なの?」そんな疑問を持った人に、アシナガバチの危険性と駆除のポイントを解説します。
結論から言うと、注意点を守ればアシナガバチを過剰に恐れる必要はありません。
安心して対応するためにも、本記事で駆除のポイントや注意点を学びましょう。
目次
アシナガバチは危険?
アシナガバチは毒針を持っており、人間を刺すことがあるので危険です。
刺されると患部が腫れて、強い痛みを伴うこともあります。
通常、初めて刺された場合は1日程度で痛みや腫れは収まります。
しかし2回目以降は毒に対するアレルギー反応が出て症状が酷くなることも。
アシナガバチは、最悪のケースでは刺された人が、アナフィラキシーショックで死亡という事例もある危険な毒を持つ昆虫です。
上記でアシナガバチは危険と解説しましたが、駆除すべきなのでしょうか?
結論としては、生活圏にアシナガバチの巣があった場合は駆除すべきです。
一方、生活する上で支障のない高所、近所などにも迷惑のかからないところの巣であれば無理して駆除をせず放っておいても大丈夫でしょう。
なぜなら、アシナガバチはスズメバチと比べると大人しく攻撃性は強くないないからです。
巣に近づいたり、刺激したりしなければ襲ってくることはめったにありません。
また、アシナガバチは害虫を食べてくれる益虫でもあり、巣からも1年でいなくなります。
家の玄関近く、洗濯物を干すベランダの天井など、日常生活の導線上に巣がある場だけ危険をともなうので、駆除するすべきでしょう。
アシナガバチとスズメバチの違いを3つのポイントで解説
突然ですが、あなたはアシナガバチとスズメバチを見分けることができますか?
スズメバチはアシナガバチと違って、獰猛で集団で襲ってくることもあるので非常に危険です。
見間違えて駆除しようとすると大変危険ですので、両者の違いは把握しておきましょう。
1. アシナガバチは黄色くて細長い体
アシナガバチはスズメバチと比べると体が黄色(スズメバチはオレンジ色)で、胴体が細長いのが特徴です。
サイズもスズメバチが3センチを超えるのに対して、2センチ程度と小ぶりです。
そして名前のとおり、胴体に比べると後ろ足が長く垂れ下がっています。
2. アシナガバチはふらふらと飛ぶ
アシナガバチはスズメバチが早く直線的に飛ぶのに比べると、足をだらんと下げて、ゆっくりとふらふら飛んでいることが多いです。
またスズメバチと違い、飛んでいる羽の音は小さく、あまり聞こえないと思います。
3. アシナガバチの巣はおわん型
アシナガバチの巣はおわん型、シャワーヘッドやハスの実などと形容される形をしていて、巣穴が外から確認できるのが特徴です。
スズメバチの巣とは大きく違うので、巣を見ればすぐにどちらか判断可能です。
スズメバチの巣は、ボールや提灯のような形をしていて、巣穴は外からは確認できず、出入り口は1か所です。外側がマーブル模様の巣をテレビで観たことがある人も多いのではないでしょうか?
アシナガバチを駆除するための準備
スズメバチの巣だった場合は非常に危険ですので、駆除はプロの業者に依頼をすべきですが、アシナガバチの巣だった場合は、巣があまり大きくない時期など条件が整っていれば、自分で駆除することも可能です。
しかし、アシナガバチも大人しい性格とはいえ、巣を攻撃されれば反撃をしてこようとしますので、それなりの準備をしないと危険です。
そこで、アシナガバチを駆除するための準備について解説します。
肌を露出しない服装
当たり前ですが、防護服を持っている人はほとんどいないと思いますので、可能な限り肌を露出しない服装を着てください。
1番いいのは長袖やズボンを着た上にカッパを着ることです。手は手袋を2重にして、首にはタオル、そしてマスクやゴーグルなどをすればアシナガバチに刺される危険性は相当下がります。
また服装は、可能な限り蜂に狙われやすいと言われている黒い色を避けて、白っぽいものにしてください。
駆除するために必要な道具類
道具は蜂の巣がある場所にもよりますが、適宜以下の中から必要なものを揃えましょう。
- 殺虫剤2本
- ゴミ袋
- 懐中電灯
- 長い棒
- トングかホウキとちりとり
殺虫剤で駆除する際の注意点
殺虫剤は念のため2本あると安心です。
アシナガバチは殺虫剤に非常に弱いため、キンチョールなど市販のゴキブリ用の殺虫剤などでも効き目はあります。
ただ、普通の殺虫剤だと比較的近い距離からスプレーをかける必要があるため、蜂の巣に近寄りたくない人は、スプレーの威力が強力で遠い距離から使える、蜂用の殺虫剤を使いましょう。
アシナガバチを自分で駆除する方法
アシナガバチを自分で駆除する場合は、日が沈んでから1時間以上経過してから行ってください。
アシナガバチは日が沈むと全て巣に帰ってきて、活動も大人しくなるからです。
上記で紹介した服装で蜂に刺されないように防備をして、スプレーを巣に直接かけてください。
10~20秒スプレーをして、蜂が全て地面に落ちたら一旦その日の作業は終了して良いでしょう。
翌日明るくなってから、地面に落ちた蜂をトングなどでビニール袋に入れ、ハチの巣も取り除き、巣のあったところに念のため殺虫スプレーをかけて駆除完了です。抵抗がなければ袋の上から巣は潰しましょう。
【危険】アシナガバチを駆除するときの注意すべきこと
アシナガバチを駆除する際に注意して欲しいことを最後に3つ解説します。
1. 高いところの巣には注意
アシナガバチは軒下やベランダの屋根など、比較的高いところにも巣を作ります。
高いところの巣にスプレーをかけようと、梯子や椅子などを使って駆除しようとすると、蜂が襲ってきたときに身動きがとれないので大変危険です。
アシナガバチの巣が高いところにある場合は、梯子などは使わず、蜂用の殺虫スプレーで遠くから駆除しましょう。
蜂用の殺虫スプレーでも届かない位置に巣がある場合は、プロの業者に依頼することをおすすめします。
2. 巣が大きい時の駆除はプロに任せるのが安心
アシナガバチの巣は最初、越冬した女王バチが1匹で巣を作り始めます。
女王バチは4~5月頃に巣を作り始めて卵を産み、働きバチが羽化してくると女王バチは徐々に巣作りや育児を働きバチに任せて産卵に専念します。
アシナガバチの種類や場所の気候にもよりますが6~8月頃に巣が最大化し、11月頃まで活動することが多いです。
働きバチは巣を守る習性があるため、巣が大きくなった最盛期の6~8月は危険度を増します。
巣の大きさが10センチを超えている場合は、働きバチの数も多く危険ですので、プロの業者に駆除を依頼するのが安全です。
自分で駆除すべきか迷った場合は、電話でアドバイスをしてくれる業者もいますので、「巣が大きいな」と思ったら、まずは相談してみるのがいいでしょう。
3. アナフィラキシーショックに注意
蜂にさされると稀に起こるのがアナフィラキシーショックです。
アナフィラキシーは全身にあらわれるアレルギー症状で、アレルギーの原因物質が体内に入ることによって引き起こされます。
アナフィラキシーショックになると、血圧の低下や意識障害を引き起こし、最悪、命に関わることもあり危険です。
アシナガバチの毒はスズメバチのそれと比べると毒性は弱いですが、アナフィラキシーは体のアレルギー反応のため、毒性に関わらず発症する可能性があります。
厚生労働省の人口動態統計によると蜂に刺されて死ぬ人の数は、毎年20人前後いて、その死因の多くはアナフィラキシーショックと考えられています。(参考:専門医のためのアレルギー講座 )
なので、「アシナガバチだからスズメバチよりは毒性が弱いので刺されても大丈夫」という考えは危険です。
アシナガバチの駆除で迷ったらまずはプロに相談
アシナガバチは基本的には大人しい虫で、害虫も食べてくれる益虫なので、極度に恐れる必要はありません。
とはいえ、油断すると思わぬところで危険にさらされる可能性があります。
お子様のいる家庭などは心配だと思いますので、生活圏に巣ができたときは、早めの駆除を心がけましょう。
「巣の場所がわからない」、「巣が高所にある」または、「巣が大きくて怖い」そんなときは、プロの業者にまずは相談してみてください。
きっと、プロの視点からアドバイスをもらえるはずです。