- ご自宅の蜂の巣が、本当に自分で駆除して大丈夫なレベルかどうかの明確な判断基準
- プロが現場で実践している、最も安全で効果的な駆除の全手順
- 数ある市販スプレーの中から、どれを選び、どう使うのが正解か
- 9割の人が知らずにやってしまう、命に関わる危険なNG行動
「家に蜂の巣ができたので自分で駆除しようと考えている」
「市販の蜂の巣駆除スプレーで駆除する方法を知りたい」
「自分で駆除する際に、蜂に刺されて身に危険を及ぼしたくはない」
この記事を読んでいる方は、自宅付近に蜂の巣ができ、市販のスプレーを使用して自分で駆除しようとしている状況だと思います。
自分で蜂の巣駆除を行うのは危険が伴いますが、正しい対応方法を理解すれば自分で対応できるケースもあります。(ただし、自分で対応しない方がいい危険なケースもあるので、その点も解説していきます。)
この記事を読めば、蜂の巣駆除スプレーを使用して自分で駆除をする際のポイントや注意点を理解することができます。
私たちトータルクリーンが蜂の巣駆除の現場で培ってきた知識とテクニックを、余すところなくお伝えします。知っておくだけで安全な蜂の巣駆除につながりますので、ぜひ最後までご覧ください。
Table of Contents
準備が9割!プロが実践する安全な蜂の巣駆除の全手順
蜂の巣駆除は「準備が9割」と言っても過言ではありません。 ここで手を抜くと危険度が格段に上がりますので、一つひとつ着実に揃えていきましょう。
ここから、ステップ別に解説していきます。
ステップ1:駆除前の準備|服装とスプレーの選び方
安全な駆除のために、まずは完璧な装備を整えることから始めます。特に服装と、主役となる蜂駆除スプレーの選定は非常に重要です。
服装:白っぽい服で、肌を絶対に見せない
蜂は黒い色を敵と認識して攻撃してくる習性があります。 そのため、服装は以下のポイントを必ず守ってください。
- 服装:白っぽい色の長袖・長ズボンは必須です。 蜂の針が貫通しにくい、表面がツルツルした素材の雨合羽が理想的です。
- 頭部:帽子をかぶり、首にはタオルを巻いて皮膚の露出を防ぎます。
- 手足:手には厚手の手袋を着用します。
- 顔:念のためゴーグルなどで目を保護し、顔周りも含めて肌の露出を完全になくします。
スプレー:3m以上噴射できる蜂専用ジェットタイプを選ぶ
使用する殺虫スプレーは、必ず3mから5m程度の長い噴射距離がある、蜂専用のジェットタイプを選んでください。 巣から安全な距離を保って作業するために、これは絶対条件です。ホームセンターやドラッグストアで手軽に購入できます。
ステップ2:駆除の実践|夜間に、躊躇なく、一気に
準備が万端に整ったら、いよいよ駆除の実践です。焦らず、これからお伝えする手順を一つひとつ正確に実行してください。
タイミングは「日没2〜3時間後」の夜間
駆除作業で最も大事なのは、夜間に実行することです。 蜂は夜になると巣に戻ってきて活動が鈍くなるため、安全に駆除できる確率が格段に上がります。 日没から2〜3時間後がベストタイミングです。
風上から「2〜3m」の距離に静かに近づく
現場に着いたら、まずは風上に立ちます。スプレーが風で自分にかかるのを防ぐためです。巣に向かって2〜3mの距離まで静かに近づきましょう。 ライトで巣を照らしたい場合は、直接光を当てると蜂が驚いてしまうので、少し離れた場所からぼんやりと照らすのがコツです。
【最重要】スプレーは「20〜30秒間」ためらわず連続噴射する
ここが駆除作業で最も重要な局面です。スプレーをかけるときは、躊躇せず一気に20〜30秒間、缶が空になるぐらいの勢いで連続噴射してください。
ここで中途半端に噴射を止めてしまうと、生き残った蜂に反撃されるという最も危険なパターンに陥ります。 「もったいない」という気持ちは捨て、一撃で仕留めるという強い意志で臨んでください。
スプレー噴射後も、まだ油断はできません。巣の撤去と、戻ってきた蜂への対策までを確実に行い、駆除作業を完了させましょう。
ステップ3:駆除後の処理|戻り蜂対策までが駆除作業
スプレー噴射後も、まだ油断はできません。巣の撤去と、戻ってきた蜂への対策までを確実に行い、駆除作業を完了させましょう。
巣の撤去は「翌朝」まで絶対に近づかない
スプレーをかけた後、巣から蜂が落ちてきても、その日は巣に近づいてはいけません。 死んだように見えても、まだ動ける蜂がいる可能性があるからです。
一晩そのまま放置し、翌朝、まずは遠くから蜂が完全に動いていないかを確認します。 安全を確認できたら、長い棒などを使って巣を根本から落とし、巣と蜂の死骸を厚手のビニール袋に回収し、燃えるゴミとして処分してください。
巣があった場所に忌避スプレーを吹き付けて再発を防ぐ
巣を撤去したら、最後に巣があった場所に忌避効果のあるスプレーを吹きかけておきましょう。 これは「戻り蜂対策」として非常に重要です。外に出ていて難を逃れた蜂が巣に戻ってくることがあるため、1週間くらいは警戒を続けてください。
【要注意】9割の人がやりがち!プロが警告する危険なNG例4選
ここまでで安全な駆除手順を解説しましたが、同時に「絶対にやってはいけないこと」を知っておきましょう。
多くの方がついやってしまいがちな危険なNG例を4つお伝えします。
「自分は大丈夫」と思わず、必ずチェックしてください。
NG例1:蜂が活発な昼間に駆除する
これは避けるべきと言えます。 昼間は蜂の活動が最も活発な時間帯であり、巣を守るために非常に攻撃的になっています。
私たちプロは専門装備で対応するので昼にも駆除作業を行いますが、一般の方がご自身でやる場合は絶対に避けてください。
NG例2:スプレーを中途半端にケチる
先ほども強調しましたが、これは本当に危険な行為です。 「ちょっとでいいや」という中途半端な攻撃は、生き残った蜂に警戒フェロモン(警報)を出させ、巣全体がパニック状態になって一斉に襲いかかってくる最悪の事態を招きます。
NG例3:半袖など無防備な格好で近づく
安易に半袖・半ズボンで近づくのは、蜂に「どうぞ刺してください」と言っているようなものです。 ほんの少しの油断が大きな事故につながります。絶対に肌を露出させた状態で近づかないでください。
NG例4:棒で叩き落とす、水をかけるなどの物理攻撃
殺虫剤がないからといって、巣を棒でたたき落としたり、水や掃除機で何とかしようとしたりするのは最悪の選択です。 蜂を最大限に怒らせるだけで、何の解決にもなりません。
必ず確認!自分で駆除できる蜂の巣の3つの絶対条件
ご自身で蜂の巣の駆除を検討する際は、クリアすべき3つの絶対条件があります。
1つでも当てはまらなかったら、絶対に手を出さずにプロの駆除業者を頼ってください。 ご家族とご自身の安全を守るため、この基準を守るようにしましょう。
条件1:蜂の種類は「アシナガバチ」だけ
結論から言うと、ご自身で対処を検討できるのは「アシナガバチ」だけと考えてください。 それぞれの蜂と巣には、下記のような特徴があります。
- 【対応OK】アシナガバチ
- 足が長く、お腹がキュッとくびれているのが特徴です。 巣はお椀を逆さにしたような形で、六角形の穴がむき出しになっています。 この蜂の巣が、自分で駆除できる可能性がある唯一の種類です。
- 【絶対NG】スズメバチ
- ずんぐりむっくりした体型で、攻撃性が非常に高い、日本で一番危険な蜂です。 巣は初期だと徳利を逆さにしたような形で、大きくなるとボール状になり、表面にマーブル模様が見えます。 この巣を見つけたら、絶対に近づかず、すぐに蜂駆除業者に連絡してください。
- 【プロに相談】ミツバチ
- 一見おとなしいイメージですが、巣の駆除は全く別問題です。 屋根裏や壁の中に数万匹規模の巨大な巣を作り、大量のハチミツが建材を腐らせる原因にもなります。 必ずプロに任せてください。
- 【プロに相談】クマバチ
- 「ブーン」という大きな羽音で飛ぶ真っ黒な蜂です。 実は非常におとなしい性格ですが、家の木材に穴を開けて巣を作ることがあり、知らずに巣の近くに手を出して刺される危険性があるため、専門業者による駆除が望ましいです。
絶対に自分で対応しない方がいいスズメバチの特徴をまとめたものが以下です。見極めの際の参考にしてください。
条件2:巣の大きさは「直径5cm未満」が限界
次に確認すべきは、巣の大きさです。ズバリ、直径5cm未満、およそゴルフボールサイズがご自身で対応できる限界だと思ってください。
これより大きい巣は、中にいる蜂の数が爆発的に増えているため、危険度が桁違いになります。 具体的には、女王蜂が1匹で巣作りをしている4月〜6月上旬までの、まだ働き蜂が少ない初期の巣が対象です。
条件3:巣の場所は「開放的」な空間か
最後の条件は、巣ができている場所です。周りに障害物がなく、全体がしっかりと見渡せる開放的な場所にあることが必須条件となります。
例えば、以下のような場所です。
- 軒下
- ベランダの手すりの下
逆に、下記のような閉鎖的な場所にある場合は、巣の全体像が見えず、中にどれだけの蜂がいるかも分からないため、絶対に手を出してはいけません。
- 屋根裏
- 壁の中
- エアコンの室外機の中
- 換気扇フードの中
【診断】3つの条件をクリアできない場合は迷わずプロに相談を
改めて、ご自身で駆除していいケースの条件をまとめました。ご自宅の状況と照らし合わせてみてください。
- 蜂の種類:アシナガバチである
- 巣の大きさ:直径5cm未満である
- 巣の場所:開放的な場所にある
もし1つでも当てはまらない場合や、判断に少しでも迷ったり、「やっぱり怖いな」と感じたりした場合は、絶対に無理はしないでください。 安全を最優先し、私たちのような専門業者にご相談いただくのが最善の選択です。
スズメバチが危険な理由と駆除業者の選び方
ここまでご自身での駆除方法や注意点、自分で対応していいケースなどを解説してきましたが、「やっぱり怖い」「うちの巣はスズメバチだった…」という方もいらっしゃるでしょう。そんな時は、決して無理をせず専門家に頼ることが賢明です。
なぜスズメバチ駆除はプロでないと不可能なのか?
「なんでスズメバチはそんなにダメなの?」と疑問に思うかもしれません。 攻撃性や毒の強さが段違いなのはもちろんですが、私たちプロが普段どうやって駆除しているかを見れば、その危険性が一瞬でお分かりいただけると思います。
例えば、スズメバチの巣を駆除する際、私たちは決して市販のスプレー片手に正面から突撃するようなことはありません。 必ず、高性能な蜂駆除専用の防護服を着用し、全身を徹底的にガードします。 さらに、高所や屋根裏など、スプレーが届かない場所の作業には、専用の長い噴射器具や伸縮ポール、業務用のハシゴといった特殊な機材も使用します。 これほど特殊な装備と技術がなければ、安全は確保できない世界なのです。
高額請求に注意!信頼できる駆除業者の見極め方
いざ専門業者に頼ろうと思っても、どこに頼めばいいか迷いますよね。残念ながら、蜂の巣駆除業者の中には、適正とは言えない高額な料金を請求してくる業者や適切な駆除を行わない業者も存在するのが実情です。
駆除会社を選ぶ際には、有資格者や駆除事例や駆除ノウハウをホームページで公開している駆除会社に依頼するのがおすすめです。
私たちトータルクリーンでは、安心してご相談いただくための一つの判断材料として、ホームページ上で「蜂の巣駆除の料金シミュレーションツール」を完全無料で公開しています。 業者に電話をかける前に、まずはご自宅の状況でどれくらいの費用がかかるのか、相場観を把握しておくことを強くお勧めします。
まとめ:蜂の巣駆除は「安全第一」。正しい知識で冷静な対処を
今回は、ご家庭でのスプレーを使った蜂の巣駆除について、ご自身で安全に行うための方法と注意点を徹底解説しました。最後に、最も重要なポイントをもう一度振り返ります。
- 自分で駆除できるのは「アシナガバチ」で「巣が5cm未満」、「開放的な場所」にある場合のみ。
- 準備を万全にし、必ず「夜間」に「肌の露出がない服装」で実行する。
- スプレーは「ためらわず」「一気に」「缶が空になるまで」噴射する。
- 駆除後の「巣の撤去」と「戻り蜂対策」までを確実に行う。
蜂の巣の駆除において最も大切なことは、何よりも安全を優先することです。この記事を読んで、少しでも「怖いな」「自分には難しいかも」と感じたら、決して無理はしないでください。
私たちトータルクリーンは、業歴50年以上・累計12万件以上の豊富な経験と、防除監督者資格やペストコントロール1級技術者といった公的な資格を持つ専門家が対応いたします。
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