- エンジンルームにイタチが侵入しているかのチェックポイント
- イタチがエンジンルームに引き起こす被害
- プロが推奨するエンジンルームのイタチ対策
- イタチの痕跡(フン・尿)の正しい清掃と消毒方法
- プロの業者に対策を依頼する際のポイント
「ボンネットを開けたら、フンのような黒い粒が散乱している…」
「車の中の配線が一部かじられている…」
もしかすると、それはイタチの仕業かもしれません。
イタチがエンジンルームに侵入すると、配線を噛みちぎられて車両火災につながるリスクや、高額な修理費用が発生する可能性があります。
良かれと思って市販のスプレーを適当に使用したり、一時的に追い払うだけの対策では、執念深いイタチは何度でも戻ってきてしまうんです。
この記事では、私たちトータルクリーンが日々現場で遭遇してきたリアルな事例をもとに、車のイタチ対策で「やってはいけないこと」と「効果的な対策」を徹底解説します。
知っておくだけで愛車をイタチ被害から守れますので、ぜひ最後までご覧ください。
Table of Contents
それ、イタチの仕業かも?車のエンジンルームの異変を今すぐチェック

まずは、エンジンルームがイタチの被害に遭っていないか、ご自身でセルフチェックをしてみましょう。
これがあったら要注意!イタチ侵入のサイン チェックリスト
以下の項目が1つでも当てはまったら、イタチが侵入している(または侵入しようとしている)可能性が非常に高いです。

- エンジンカバーやその周辺に、泥やホコリで付いた小さな動物の足跡がある。
- 強い獣臭(アンモニア臭)と共に、黒っぽく細長いフンや尿のシミがある。
- パンくず、果物のタネ、小動物の死骸など、食べ物を持ち込んだ形跡がある。
- ボンネット裏の断熱材(インシュレーター)が破られていたり、綿のようなものが散乱していたりする。
- エンジンルーム内に、動物の毛がこびりついている。
なぜイタチはエンジンルームを好むのか?
イタチがエンジンルームを好む理由は、彼らにとってそこが「安全性」「快適性」「利便性」の3拍子揃った最適な場所だからです。
- 安全性(隠れ家)
- 狭く暗いエンジンルームは、カラスや猫といった天敵から身を隠すのに最適です。外敵に見つかることなく、安心して休息できます。
- 快適性(寝床)
- 特に冬場は、エンジン停止後も残る熱(余熱)が天然の暖房代わりとなります。ボンネット裏の断熱材を引きちぎれば、快適な寝床が完成します。
- 利便性(貯蔵庫・食事場所)
- 捕獲したエサを安全な場所で食べたり、一時的に隠したりする「食料庫」としても利用されます。
これらの理由から、イタチにとってエンジンルームは非常に魅力的な場所なのです。しかし、彼らが「住み着く」ことで、私たちの愛車には想像以上に深刻な事態が引き起こされます。
放置厳禁!イタチがエンジンルームに引き起こす深刻な被害3つ
「少し汚れるだけ」と軽く考えてはいけません。イタチの侵入が引き起こす被害は、車の機能と安全性を根本から脅かすものです。

被害例1:配線やケーブル類の噛みちぎり(火災・故障リスク)
これが最も深刻な被害です。イタチは(ネズミなどと同じく)歯が伸び続けるため、硬いものを噛んで研ぐ習性があります。
エンジンルーム内にあるABSセンサーのケーブル、点火プラグのコード、ウォッシャー液のホースなどは、彼らにとって格好の的です。
これらが損傷すると、走行中に突然エンジンが停止したり、警告灯が点灯したりする重大なトラブルにつながります。何より恐ろしいのは、被覆が剥がれた配線同士が接触してショートし、車両火災を引き起こすリスクがあることです。
被害例2:インシュレーター(防音材)や樹脂パーツの破壊
前述の通り、イタチはボンネット裏の防音材(インシュレーター)を引きちぎり、巣の材料として利用します。
インシュレーターがボロボロにされると、車内への騒音が増加するだけでなく、エンジンの熱がボンネットの塗装面を傷める原因にもなります。
被害例3:フン尿による悪臭と衛生的被害
エンジンルーム内にフンや尿を排泄されると、その強烈な悪臭がエンジン熱で温められ、充満します。
この臭いがエアコンの外気導入口から車内に侵入すると、運転に支障をきたすほどの不快な空間になってしまいます。また、イタチのフンには様々な病原菌が含まれている可能性もあり、衛生的にも非常に大きな問題です。
このように、イタチの侵入は「少し汚れる」程度では済まない、深刻な被害につながるリスクがあります。では、被害の状況に応じて、私たちは具体的に何をすべきでしょうか。次の章では、あなたの状況に合わせた「今すぐやるべき行動」をフローチャートで解説します。
【被害レベル別】今すぐやるべきイタチ対策フローチャート
パニックにならず、ご自身の状況が今どのレベルにあるか冷静に判断し、正しい行動をとることが重要です。
- レベル1:【予防段階】
- 状況:まだ直接的な被害はないが、近所でイタチの目撃情報がある。駐車場が自然に近い。
- 今すぐやるべきこと:『予防策』の実施
- 詳細:この後のセクションで解説する「対策6:駐車環境の見直し」や「対策7:定期的な点検」を今すぐ開始してください。先手を打つことが、最も低コストで効果的な対策です。
- レベル2:【痕跡発見】
- 状況:フン、足跡、獣臭など、侵入のサイン(チェックリスト参照)を初めて発見した。
- 今すぐやるべきこと:『清掃・消毒』と『忌避対策』
- 詳細:まずは「正しい清掃と消毒方法」で痕跡(特に臭い)を徹底的に消すことが最優先です。イタチは臭いで自分のテリトリーを認識するため、清掃が不十分だと必ず戻ってきます。清掃後、すぐに「対策1〜5」の忌避対策(スプレーや超音波など)を実行してください。
- レベル3:【実害発生】
- 状況:警告灯が点灯した。エンジンがかからない。防音材が明らかに破られている。
- 今すぐやるべきこと:『専門家への相談』
- 詳細:ご自身での対策は中止してください。安全確保のため、まずはJAFや最寄りの自動車整備工場、ディーラーに連絡し、車両点検と修理を依頼します。修理完了後、再発防止のために「害獣駆除のプロ」に忌避対策を依頼することを強く推奨します。
ご自身の状況と、やるべきことが明確になったかと思います。レベル1やレベル2の方は、ここから解説する具体的な対策をすぐに実行に移しましょう。
プロが推奨するエンジンルームのイタチ対策7選【DIY・グッズ】
ここでは、私たち株式会社トータルクリーン(業歴50年、累計12万件以上)のようなプロの視点から見て効果が期待でき、かつ自分でも実施可能な対策を7つ厳選して紹介します。
重要なのは、単一の対策に頼るのではなく、複数を組み合わせることです。
そのための判断材料として、各対策の比較表を以下にまとめましたので、意思決定の参考にしてください。
| 対策方法 | 手軽さ | 持続性 | 車への安全性 | 主な目的 |
|---|---|---|---|---|
| 1. 忌避スプレー | ◎ (簡単) | △ (短い) | △ (注意必要) | 即効性・臭いでの忌避 |
| 2. 超音波装置 | ○ (設置のみ) | ◎ (長い) | ○ (影響小) | 継続的な忌避 |
| 3. 固形忌避剤 | ○ (設置のみ) | ○ (中程度) | △ (注意必要) | 持続的な臭いでの忌避 |
| 4. ハッカ油スプレー | ○ (自作) | △ (非常に短い) | △ (注意必要) | 低コストな忌避 |
| 5. 物理的防衛 | △ (難しい) | ◎ (恒久的) | ○ (影響小) | 侵入経路の遮断 |
| 6. 環境整備 | ○ (日常的) | ◎ (恒久的) | ◎ (影響なし) | 寄せ付けない環境作り |
| 7. 定期点検 | ○ (日常的) | ◎ (恒久的) | ◎ (影響なし) | 早期発見 |

【対策1】イタチ専用の忌避スプレー
イタチが嫌う強烈な臭い(カプサイシン=トウガラシ成分など)で寄せ付けないようにする、最も手軽で即効性のある対策です。
エンジンルーム内の金属部分や、侵入口になりそうなタイヤハウス周辺(地面)に噴霧します。
「車への安全性」を懸念される方が多いですが、たしかにやりすぎはよくないので適度な対応にしましょう。
製品によっては、エンジンカバーなどの樹脂パーツやゴム製のホース類を劣化させ、シミやひび割れの原因になる可能性があります。
【対策2】超音波発生装置(害獣リペラー)
イタチが嫌がる変動する周波数の超音波を発生させ、「ここは居心地が悪い」と認識させて定着を防ぐ装置です。
ボンネット内の熱の影響を受けにくい平らな場所(バッテリー上部など)に、付属の両面テープや結束バンドでしっかりと固定します。
効果には個体差があり、残念ながら、超音波に慣れてしまうイタチも存在します。そのため、超音波だけに頼らず、後述する忌避剤や環境整備と組み合わせることが成功のカギです。
【対策3】固形タイプの忌避剤(吊り下げ型・設置型)
ナフタリンや樟脳(しょうのう)など、イタチが嫌う成分を固形化し、長期間(約1〜2ヶ月)にわたりガスを発生させ続けるタイプの忌避剤です。
熱源(エンジン本体や排気系マニホールド)から十分に離れた場所に、付属のネットや結束バンドで吊り下げて固定します。
走行中の落下は絶対に防いでください。万が一、固形剤がエンジンの高温部分やベルト類に触れると、故障の原因となり危険です。固定は厳重すぎるほどに行ってください。
【対策4】ハッカ油を使った自作スプレー【低コスト】
「イタチ対策にハッカ油が効く」という情報も多く、低コストで試せる方法として人気です。ただし、プロの視点からはいくつかの重大な注意点があります。
ハッカ油の成分(リモネンなど)は、一部のプラスチックやゴム、車両の塗装面を溶かしたり傷めたりする可能性があります。車への使用は、基本的にはあまり推奨しません。
【対策5】エンジン下部からの侵入経路を物理的に塞ぐ
イタチは主に車体下部のアンダーカバーの隙間から侵入します。この隙間を金網(ステンレス製)やパンチングメタルで塞ぐ、最も根本的な対策です。
DIYでの作業は推奨しません。ジャッキアップの危険性に加え、走行中に金網が脱落すると事故につながります。
【対策6】駐車環境の見直し
イタチを「寄せ付けない」ための、最も重要で基本的な対策です。
- 車の周囲にエサになるもの(生ゴミ、ペットフードの残り、収穫しない果実など)を絶対に放置しないでください。
- 物置や雑草の茂み、使っていない資材など、イタチの隠れ家や巣になりそうな場所を徹底的に清掃・撤去してください。
- 可能であれば、シャッター付きのガレージ内に駐車するのが最も確実な予防策です。
【対策7】定期的なエンジンルームの点検
乗車前にボンネットを軽く叩き、中にイタチがいないか確認する対策も有効です。
最低でも週に一度はボンネットを開け、侵入のサインがないかを確認する習慣をつけましょう。早期発見が被害を最小限に食い止めます。
これらの対策を講じても、すでに痕跡を残されてしまった場合は、臭いを消すための「清掃」が最優先となります。次の章では、車を傷めず安全に清掃・消毒するプロの手順を解説します。
すでに被害が…イタチの痕跡(フン・尿)の正しい清掃と消毒方法
イタチのフンや尿を放置すると、臭いで仲間を呼び、再侵入を許すことになります。安全に注意して、徹底的に清掃しましょう。
清掃の前に:感電や感染症を防ぐための準備
作業を始める前に、以下の準備を徹底してください。
- エンジンが完全に冷えていることを必ず確認してください。走行直後はエンジン各部が高温になっており、火傷の危険があります。
- 念のため、バッテリーのマイナスターミナルを外しておくと感電のリスクを減らせます。
- イタチのフンには病原菌が含まれるため、使い捨てのゴム手袋、不織布マスク、ゴーグル(メガネ)を必ず着用してください。
イタチのフン・尿の清掃手順
安全装備を身につけたら、以下の手順で作業を進めます。
- 固形物の除去:フンや巣材、食べ残しをトングなどで掴み、ビニール袋に入れます。
- 汚れの拭き取り:固く絞った雑巾(使い捨てできるもの)で、尿やこびりついた汚れを丁寧に拭き取ります。水拭きで落ちない場合は、車に影響のない中性洗剤(カーシャンプーなど)を薄めて使用します。
- 消毒・消臭:臭いを徹底的に消すことが再発防止の鍵です。動物用の消臭スプレー(次亜塩素酸系など)や消毒用エタノールを布に含ませ、拭き上げます。
- 密閉して処分:汚染物(フン、使用した雑巾、手袋、マスク)はすべてビニール袋に入れ、口を固く縛って密閉し、各自治体のルールに従って燃えるゴミとして処分してください。
専門の駆除業者への相談を推奨する3つのケース
プロへの対応依頼を行う線引きについて、いくつかの観点から解説していきます。
イタチはその特性上、非常に厄介な害獣であるため、無理せずに専門業者に駆除や対応を依頼することも検討しましょう。
- 配線被害など明らかな実害が出ている場合:(レベル3)警告灯の点灯、エンジン不動など。これは自分で対応できる範囲を完全に超えています。
- 忌避対策をしても、繰り返し侵入される場合:市販の忌避剤や超音波の効果がなく、イタチが場所を気に入って定着してしまっているケース。
- 清掃・消毒に強い抵抗がある、または自信がない場合:フンや死骸の処理が精神的に困難な場合や、車を傷めずに安全に作業する自信がない場合。
依頼先はどこ?「害獣駆除業者」と「自動車整備工場」の役割分担
「車のイタチ対策はどこに頼めばいいの?」と混乱される方も多いですが、目的によって依頼先が異なります。自動車のプロと害獣駆除のプロをそれぞれ使い分けることが重要です。
- 自動車整備工場・ディーラー
- 役割は【修理・点検】です。噛みちぎられた配線の修理、破損した部品の交換、車両の安全点検を行います。イタチを「追い出す」作業や「再発防止策」は専門外です。
- 害獣駆除業者
- 役割は【駆除・清掃・再発防止】です。エンジンルーム内の徹底的な清掃・消毒、イタチが嫌がるプロ用の忌避剤の設置、侵入経路の特定と封鎖(可能な範囲で)を行います。
したがって、実害が出ている場合(レベル3)の正しい順番は以下の通りです。
- まず「自動車整備工場」で車両を点検・修理し、安全に走行できる状態に戻す。
- その後(または同時に)、「害獣駆除業者」に依頼し、エンジンルームの徹底的な清掃と再発防止策を講じてもらう。

- 場所
- 京都市東山区・個人宅
- 駆除場所
- イタチの糞尿清掃・消毒
数か月前に、天井裏に何かの動物が入っている足音を聞いていました。様子見していると足音はしなくなったので、ずっと気にしていませんでした。が、最近、ふと天井に大きな輪っかのシミがあることに気付き、天井裏に入っていた動物の仕業ではないかと思いました。作業員さんに来てもらい、シミの上の写真を見せてもらうと、イタチの糞がたくさんあったのでビックリしました。そんな天井の下で生活していたとは…。気分が悪くなって、すぐに糞を取って消毒してもらいました。綺麗にしてもらえたので今は気持ちよく過ごせています。すぐに対処してもらい助かりました。…もっと読む
まとめ:イタチ対策は「早期発見」と「車に安全な対策」が鍵
イタチのエンジンルーム侵入は、決して他人事ではなく、放置すれば車両火災という最悪の事態にもつながりかねない深刻な問題です。
私たち株式会社トータルクリーンは、業歴50年、累計12万件以上の施工実績を持つ害獣駆除のプロフェッショナルです。への
読売テレビ「かんさい情報ネットten.」などのメディア出演実績も多数あり、ペストコントロール協会などにも所属している駆除会社です。
関西エリアでイタチ被害にお困りの方は、ぜひトータルクリーンまでお気軽にご相談ください。
































