- クレゾール石鹸とは
- イタチを退治するのにクレゾール石鹸を使うメリット・デメリット
- イタチ退治にクレゾール石鹸はおすすめなのか
「イタチがどうも屋根裏に住みついたらしい」「クレゾール石鹸を使うとイタチを退治できるらしいけど本当?」
そんな疑問にお答えします。
結論から言うと、クレゾール石鹸はイタチを退治するのに効果はありますが、おすすめしません。
なぜならクレゾール石鹸を使うと強い刺激臭が残り、人間にとっても不快に感じたり、中には気持ちが悪くなってしまう人もいるからです。
また、使用上注意を要する消毒薬ということも理由の1つです。
ただし「クレゾール石鹸を使ってイタチを退治した」という人もいますので、本記事ではクレゾール石鹸を使うメリット・デメリットについて解説します。
記事を読むとイタチ退治にクレゾール石鹸を使うメリット・デメリットがわかります。
クレゾール石鹸を使うことには賛否がありますので、使う場合でも注意して使いましょう。
目次
クレゾール石鹸とは
クレゾール石鹸とは医療現場で手や指、創傷面の消毒などに使われる消毒薬です。
他の消毒薬と比べて殺菌力が強く、有機物が存在するときも効果が保たれるため、汚物に汚染されたトイレ、ゴミ箱、浄化槽などにも使われます。
黄褐色~赤褐色の粘りのある液体で、1%~3%に希釈して使います。
クレゾール石ケン液を製造しているメーカー健栄製薬によると使用方法により以下の希釈率が示されています。
- 手指の消毒の場合:2%(クレゾール石ケン液の50倍液)
- 創傷面の消毒の場合:1%(クレゾール石ケン液の100倍液)
- 便所等の消毒の場合:3%(クレゾール石ケン液の33倍液)
健栄製薬のホームページ「クレゾール石ケン液」より引用。
クレゾール石鹸は非常に効果のある消毒薬ですが、腐食性が強く皮膚への刺激も強いため、原液を扱う際は特に注意が必要です。
使用上、以下のことに注意する必要があります。
- 原液で使用しない
- 粘膜やその付近にしようしない
- 扱う際はゴム手袋を使用すること
- 使用する際は換気をしっかりと行う
クレゾール石鹸は、基本的に医療現場などでプロの医者や看護師、病院スタッフがマニュアルに沿って使用する薬剤なのです。
イタチ退治にクレゾール石鹸を使うメリット
上記で解説したとおり、クレゾール石鹸はイタチを駆除するための薬剤ではありません。
それでも、インターネット上では「クレゾール石鹸でイタチを退治できた!」「クレゾール石鹸でイタチを駆除する方法」などの情報がたくさんあります。
それは、クレゾール石鹸を使うメリットがあるからです。
ここでは、まずはクレゾール石鹸をイタチに使うメリットについて見ていきましょう。
- 強力な臭いを放つので効果がある
- お手頃な価格で手に入る
- 簡単に手に入る
イタチ退治にクレゾール石鹸を使うメリット① | 強力な臭いを放つので効果がある
クレゾール石鹸は開封するとわかりますが、強力な臭いを放つ薬液です。
イタチに限らず臭覚が発達した動物であれば、嫌がる臭いであることは想像がつきます。
実際、野生の動物と比べると、それほど臭覚が発達していない人でも嫌な臭いです。
イタチが巣を作った屋根裏や床下にクレゾールを設置すれば、イタチが嫌がって巣を出ていく可能性があります。
イタチ退治にクレゾール石鹸を使うメリット② | お手頃な価格で手に入る
クレゾール石鹸は比較的手ごろな価格で手に入ります。
イタチ用の忌避剤が1,000円以上するのに対して、クレゾール石鹸は1,000円以下で購入可能です。
しかも、イタチ用の忌避剤が1回分の価格に対して、クレゾール石鹸は500mlを希釈して使うので何回も何回も使用できます。
イタチを退治するために使えるのであれば、コストパフォーマンスが抜群なのです。
イタチ退治にクレゾール石鹸を使うメリット➂ | 簡単に手に入る
クレゾール石鹸は医療現場で使われる薬剤ですが、ネットでも、薬局やドラッグストアでも市販されているので、簡単に手に入ります。
手軽に手に入るのもクレゾール石鹸がおすすめされる理由の1つと思われます。
イタチ退治にクレゾール石鹸を使うデメリット
冒頭で解説したとおり、クレゾール石鹸をイタチ退治に使うことはおすすめしません。
それは以下にあげるデメリットが理由です。
- 強烈な臭いがする
- 原液は特に危険性がある
- 普通に廃棄できない
一つひとつ解説します。
イタチ退治にクレゾール石鹸を使うデメリット① | 強烈な臭いがする
クレゾール石鹸は、俗にクレゾール臭という強烈な刺激臭がする薬液です。
不快に感じる人も多く、使用する場合には周囲への配慮が必要です。
中には庭などで、猫避けなどに使って近所とトラブルになることもあるくらい強い臭いを放ちます。
屋内で利用する場合はしっかりと換気をする必要があります。
また屋根裏や床下とはいえ、一旦ついた臭いは中々消えないのが、イタチ退治におすすめしない理由の一つです。
なお、メーカーによっては、忌避剤として使用できないことを明記しています。
(参考:大洋製薬「クレゾール石ケン液の環境汚染について)
いくら強烈な臭いで動物避けになるとはいえ、メーカーとしては、動物忌避剤としての使用は想定していません。
イタチ退治にクレゾール石鹸を使うデメリット② | 原液は特に危険性がある
クレゾール石鹸の腐食性は強く、損傷皮膚から吸収されやすいため取り扱いには特に注意が必要です。
使用する際はゴム手袋や保護メガネを利用して、皮膚の他、特に目の付近などに付着しないようにしなくてはいけません。
放置すると皮膚の炎症や眼球の損傷を引き起こします。
また長時間クレゾールを皮膚、粘膜そして気道などから吸収した場合は、濃度が低くても慢性中毒を起こす可能性があります。
このように毒性が強いため、子供やペットがいる家庭では安全のため、使わない方がいいでしょう。
イタチ退治にクレゾール石鹸を使うデメリット➂ | 普通に廃棄できない
クレゾール石鹸は一般ごみとして捨てることはできません。
クレゾール石鹸は水の中では加水分解されないため、土や上下水道に廃棄した場合、その量や濃度によっては農作物、人や家畜その他、動植物へ害を及ぼす可能性があるためです。
クレゾール石鹸を捨てる場合、許可を受けた産廃業者もしくは地方公共団体に委託して廃棄処分する必要があります。
廃棄方法からも、クレゾール石鹸を使う場合でも相当な注意が必要なことがわかりますね。
捨てるのが非常に面倒なのがクレゾール石鹸の大きなデメリットの1つです。
イタチ退治にクレゾール石鹸はおすすめなのか?
本記事をここまで読んでいただいた方は、クレゾール石鹸をイタチ退治に使うのがおすすめでない理由がわかっていただけたと思います。
確かにメリットもありますが、そのデメリットの方が圧倒的に大きいからです。
同じような使用方法でも木酢液や市販の忌避剤などがありますので、そちらの方が安心して使用することができるはずです。
クレゾール石鹸は、わざわざ様々なリスクを冒してまでイタチ退治のために使うものではありません。
なお、イタチの駆除は一般の方には中々難しいものです。
本来、プロの業者に依頼することがおすすめですが「それでも自分で退治したい!」という方は以下の記事も参考にしてみてください。
プロ目線でイタチの駆除について、必要な道具や方法を丁寧に解説しています。