雑食性のイタチは、様々な小動物を捕食して生活しています。そのためイタチは、人間にとって深刻な悪影響のある病原菌を体内に保有していることも。小動物だからといってあなどった結果、噛まれたり引っ掻かれたりすると、非常に危険なのです。
今回は、イタチの持つ病原菌の種類やその危険性について解説したいと思います。
目次
イタチの持つ病原菌とは
イタチは、例えば以下のような病原菌やウイルスを持っている可能性があります。
・サルモネラ菌
・ペスト菌
・レプトスピラ菌
・鼠咬症スピリルム、モニリホルムレンサ桿菌
・ハンタウイルス
・サルモネラ菌
サルモネラ菌は、自然界に広く棲息している病原菌です。食中毒を引き起こす菌として知られています。少量でも発症し、乾燥にも強いという特徴があり、発症すると吐き気や発熱、下痢などの症状を引き起こします。
・ペスト菌
ペスト菌が引き起こす病気「ペスト」は黒死病ともよばれ、かつてヨーロッパの全人口の約1/3を死滅させたといわれています。今では衛生状態の改善によりめったに発症する人はいませんが、油断は禁物です。そして、イタチはこの病原菌を保有している可能性があります。
・レプトスピラ菌
レプトスピラ菌には、尿で汚れた水や土壌に傷口が触れたり、口に入ったりすることで感染します。5 ~14 日間の潜伏期を経て、発熱や悪寒、頭痛や筋痛・腹痛などの症状が現れます。
・鼠咬症スピリルム、モニリホルムレンサ桿菌
鼠咬症スピリルム、モニリホルムレンサ桿菌は、鼠咬症を引き起こす原因菌です。鼠咬症はその名の通りネズミに噛まれることによって発症しますが、ネズミのみならず、イタチやネコ、リスによっても引き起こされる可能性があります。噛まれる以外に、病原菌により汚染された食品を食べても感染しますので、小動物の食害にあった食品はできるだけ避けましょう。もし感染すると、2週間前後の潜伏期のあと、発熱や悪寒、頭痛などの症状が発症します。
・ハンタウイルス
ハンタウイルスは、主にネズミが媒介するウイルスですが、イタチも保有することがあります。糞尿や唾液中に存在し、噛まれたり飛沫を吸ったりすることで感染します。最初はインフルエンザのような症状が現れますが、その後に腎臓機能障害や皮下出血、咳や呼吸困難などの症状が現れることも。死亡するリスクもある、大変危険なウイルスです。
病原菌は噛まれなくても感染する
これらの病原菌はイタチやネズミなどの小動物に噛まれたり引っ掻かれたりする以外の感染経路があります。それは、小動物の糞尿や唾液で汚染された食べ物を食べることや、飛沫を吸い込むことです。
そのため、家の中の小動物は一刻も早く追い出すことが重要。また、糞尿のあとは飛沫を吸い込まないようマスクをかけた上で、しっかり消毒・清掃しましょう。
ノミやダニにも注意
イタチのような小動物自身のみならず、彼らの体についてくるノミやダニにも注意が必要です。アレルギー反応を引き起こすのはもちろん、ノミやダニ自体が病原菌を保有し悪影響を与える可能性があります。
このように、イタチなどの小動物の侵入は、人にとって命の危険があること、といっても過言ではありません。小動物が侵入した痕跡が見られたら、一刻も早く退治しましょう。
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