- クロアリとシロアリの特徴がわかる
- 黒い羽アリがクロアリかシロアリか見分けることができるようになる
ある日、突然、床に羽アリが発生。それも1匹ではなく、何匹も。
一体どこから入ってきたのか……
「よくわからないけど、とりあえず外に掃きだしてしまおうかな」と思いますよね。
ちょっと待ってください!駆除してしまう前に確認することがあります。
その羽アリがクロアリかシロアリかわかりますか?
クロアリとシロアリの羽アリはパッと見、似ているのでどちらか判断するのは難しいかもしれません。
そして、クロアリとシロアリとでは被害の甚大さや、駆除方法も全く異なります。
もし両者の違いがわからない場合は、このまま読み進めてください。
目次
クロアリ(羽アリ)の特徴5選
クロアリ(羽アリ)には、細かく上げると様々な特徴がありますが、ここでは代表的なものを5つ解説します。
- 胴にくびれがある
- 6~11月に発生する
- 木材を食べない
- 種類によって発生場所がユニーク
- シロアリを襲う
後ほど解説するシロアリの特徴と比較して、両者を見分ける手がかりにしてみてください。
クロアリ(羽アリ)の特徴① | 胴にくびれがある
クロアリ(羽アリ)の特徴として最初にあげたいのが胴体のくびれです。
クロアリの体は頭部・胸部・腹部と分かれていて、それぞれがわかれている部分に節がありくびれがあるのが特徴です。
国内には多数のクロアリがいますが、その全てにおいて共通の特徴を持っています。
クロアリ(羽アリ)の特徴② | 6~11月に発生する
クロアリの羽アリは、6~11月に発生します。
クロアリは梅雨時期になると新たな巣を作るために巣を飛び立つのです。
この現象を群飛(ぐんぴ)と言います。
クロアリ(羽アリ)の特徴➂ | 木材を食べない
クロアリは家の木材を食べません。そのため、家屋への被害という意味では、それほど心配する必要はありません。
ただし、クロアリの種類によっては、腐食した木材を削ったり、住処にすることはあります。
クロアリ(羽アリ)の特徴④ | 種類によって発生場所がユニーク
クロアリの羽アリは、家の中から発する光を頼りに家の中に侵入してくるため、網戸や窓際に着地して部屋の中に現れることが多いです。
そして、家の中にある砂糖やお菓子、食品の食べかずなどを探り当てて、食害します。
また、中にはルリアリといって、機械油を好むアリなどもいます。
ルリアリの場合、テレビ、配電盤、パソコン周辺機器などの電化製品に営巣するので厄介です。
クロアリ(羽アリ)の特徴⑤ | シロアリを襲う
クロアリとシロアリには両方「アリ」がつきますが、クロアリはハチ目に、シロアリはゴキブリ目にそれぞれ属する、全く別の種類の生物です。
そして、クロアリはシロアリを好んで食べます。
シロアリにとってクロアリは天敵なのです。
そのため、クロアリが水回りや屋根裏などに現れた場合は、シロアリの存在も疑う必要があります。
シロアリ(羽アリ)の特徴5選
続いて、シロアリ(羽アリ)の特徴についても解説します。
シロアリ(羽アリ)の特徴① | 胴が寸胴である
シロアリは胴にくびれがありません。
胸部と腹部の境目がわかりづらく、寸胴な体型なのが特徴です。
クロアリがバービー人形のように、各パーツの特徴がハッキリとしているのと比べると、シロアリは、こけしのような形をしていると言っていいでしょう。
シロアリ(羽アリ)の特徴② | 触覚が直線で数珠状
シロアリ(羽アリ)の触覚をよく見ると、直線的です。
また複数の球体をつなぎ合わせたような数珠(じゅず)のようになっているのが大きな特徴です。
もし触覚が途中で折れていたり、数珠状でない場合は、シロアリではありません。
シロアリ(羽アリ)の特徴➂ | 床下、屋根裏や湿気の多いところに現れる
シロアリは基本的には、家屋の湿気が多く、木材がむき出しになっているところに現れます。
そのため、床下、屋根裏、水回りなどに羽アリがいたら、シロアリを最初に疑いましょう。
例外として、アメリカカンザイシロアリだけは、自ら水を運ぶことができるため、その名前のとおり乾いた木材(カンザイ)でも食べることができるので、必ずしも湿気の多いところに現れるとは限りません。
シロアリ(羽アリ)の特徴④ | 羽が取れやすい
家の中に羽アリの羽が落ちていたら、まずはシロアリを疑ってください。
シロアリ(羽アリ)は、巣から飛び立って地面に着地をした後に自ら羽を切り落とします。地面に降り立ったら、以降は羽が不要だからです。
クロアリの雌も交尾をしたあとに羽を落としますが、家の床などで羽を落とすことはレアケースです。
またクロアリのオスは交尾をするとそのまま死んでしまうため羽を落とすということをしません。
家の中に羽アリの羽が複数落ちていたら、ほとんどのケースでシロアリだと思って対処した方がいいでしょう。
シロアリ(羽アリ)の特徴⑤ | 木材を食害する
こちらについては多くの方が知っていることだと思いますが、シロアリは家の木材を食害します。
そのため、シロアリ(羽アリ)を見つけたときは、一刻を争うという程ではありませんが、なるべく早めに対処する必要があります。
木造住宅が多い日本では、シロアリはとても恐い害虫の1つです。
なお、シロアリの駆除に関しては完全にプロの領域になりますので、お近くの業者に相談しましょう。
クロアリとシロアリの羽アリの違いを比較
上記にて、クロアリとシロアリ、それぞれの特徴について解説しましたが、具体的にどこが違うのかを比較しながら解説します。
特に、この部分を見ればどちらかがわかるというポイントを中心に説明しますね。
前後の羽の大きさについては、羽をたたんでいる状態では見分けがつきづらいので割愛します。
クロアリ | シロアリ | |
---|---|---|
胴体 | 胴体にくびれあり | くびれがなく寸胴な体型 |
触角の形 | 長く「く」の字状 | 短く真っすぐで数珠状 |
羽の形 | 前方の羽が大きく、後方の羽が小さい | 前後同じ大きさの羽 |
発生時期 | 6月~11月 | 4~5月(ヤマトシロアリ) 6~7月(イエシロアリ) |
クロアリとシロアリの羽アリの違いを比較① | 胴体のくびれの有無
羽アリを見たときに、クロアリかシロアリかを大まかに判別するなら胴体のくびれの有無を見るのが1番簡単です。
くびれがあればクロアリ、なければシロアリと判断できます。
とはいえ、はじめて羽アリを見て、さらに両者を同時に比べられるわけではないので、迷う人もいるでしょう。
その場合は、以下の違いについても確認して、総合的に判断してください。
クロアリとシロアリの羽アリの違いを比較② | 触角の形
胴体を確認したら、次に触角を見てみてください。
曲がっていたらクロアリ、真っすぐで数珠状になっていたらシロアリです。
長さについては、比較相手がいないと難しいので、形で判断しましょう。
クロアリとシロアリの羽アリの違いを比較➂ | 発生時期
実を言うとシロアリの中でも黒くて、クロアリの羽アリと勘違いする可能性が高いのはヤマトシロアリだけです。
なぜなら、イエシロアリは茶色、アメリカカンザイシロアリは赤褐色の体をしていて、クロアリとは明らかに色が違うからです。
そして、ヤマトシロアリが発生する時期は4月から5月にかけてなので、発生時期によって、シロアリかクロアリの羽アリかは、だいたい予想することが可能です。
5月~6月の時期だけは、両者が混在する可能性があるので、その際はよく上記であげた違いについても観察しましょう。
羽アリが家の中にいたら
羽アリが家の中にいたら、まずは本記事の解説を元に、それがクロアリなのか、それともシロアリなのかを確認してください。
クロアリだった場合は、家の中のクロアリをまずは駆除してから、その後の対策を考えましょう。
シロアリだったら、すぐに業者を探すことをおすすめします。
まずは無料相談できる業者に電話をするのがいいでしょう。
ただし、クロアリだからといって油断してはいけません。
本記事で解説したとおり、クロアリはシロアリの巣を襲うので、シロアリがいる可能性も踏まえて、慎重に対処しましょう。
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