オフィスを管理する立場の人は本当に大変です。
新型コロナウイルスと付き合っていくという方針が示されたとはいえ、「消毒液をオフィスに置く以外になにかあるの?」、「注意喚起しても守らない人は自己責任じゃない?」とか、「他の会社はどうやってるの?」というのが気になりますよね。
新型コロナウイルスはどんなに気をつけていても感染するときはします。
オフィスでいくら対策をしても、通勤時の満員電車で社員が感染したらどうしようもありません。
なので社員の感染を完全に防ぐことはできないという、ある意味割り切りが必要です。
オフィスを管理する側として大事なのは、オフィス内で感染が拡がるリスクを可能な限り下げること。
本記事では、新型コロナウイルスが発生した、あるいは疑われる場合のオフィスの消毒について解説します。
記事を読むと、感染対策で気をつけるべき場所や消毒方法の他、消毒液の選び方や注意点がわかります。
実際に発生したときに、やるべきことも解説していますので、記事を読んでおくと迷いません。
目次
オフィスでの感染リスク
残念ながら会社のオフィスは、多数人が出入りするので新型コロナ感染リスクが高い場所の1つです。
また昼食時にマスクを外す場面や密になりやすい場所というのも、感染リスクを高めている原因でしょう。
日本で新型コロナウイルスが流行し始めてから2年近く経過し、マスクの着用、手洗い、消毒など多くの人が当たり前のように感染対策をするようになっています。
それにも関わらず、さらに感染力の強い変異株が現れるなど、ますます対策が難しくなっているのがオフィスを管理する側からすると悩ましいところです。
そこでまずは、オフィスにおいて新型コロナウイルス感染対策をする上で気をつけるべき場所について、改めて解説します。
オフィスでの感染対策で気をつけるべき場所
テレワークを駆使しても、どうしてもオフィスでの仕事をゼロにすることができない。
そんな会社のために、オフィスでの新型コロナウイルス感染対策を説明します。
ポイントは全部で5つ。
気をつける場所を個別、具体的に解説しますね。
- 出入口(ドアノブ、会議室玄関エレベーター)
- トイレ
- デスク周り
- オフィス内の個室
- オフィス全体の導線
出入口
最近は当たり前になりつつありますが、オフィスの出入口に関しては引き続き感染対策で気をつける場所No.1でしょう。
エントランスでしっかりとオフィス内に菌を持ち込まないように注意しなければなりません。
受付での内線電話やドアノブなどは菌が付着する可能性が非常に高いです。
トイレ
トイレはオフィス内でも接触感染が起きやすい環境の1つです。
感染している人が排便をすると体内の菌が排出される可能性が高いからです。
またトイレの個室出入口、水道の蛇口、トイレットペーパーホルダーに便座など、無意識に手で触れるのが多いので注意しなければなりません。
トイレは従業員の多くが利用しますし、外部の人も利用できる場所の場合、特に注意が必要です。
デスク周り
デスク周りは自分だけが利用するという場合は、以外の油断してしまいがちですが、だからこそ感染のリスクが高くなります。
デスク、パソコン、電話の受話器など、手で触れる箇所は無数にあります。
スペースの問題で隣の従業員と距離を取るのが難しいオフィスなどは、特に気をつけなければなりません。
最近はデスクで食事をする人も増えています。
注意する場所ばかりで疲れてしまいますが、感染を防ぐためにも意識しましょう。
オフィス内の個室
オフィス内に個室を持っている人には、自分で個室内での感染が起きないように注意してもらう必要があります。
個室はオフィス全体の管理の縮小版としての対策を、従業員自ら責任を持ってもらうようにしましょう。
オフィス全体の導線
意外と意識されていないのがオフィス全体での、人の流れを意識した感染対策です。
入口からの通路やトイレまでの通路、人が溜る自動販売機の前なども、空気感染や飛沫感染が起きる新型コロナウイルスでは注意が必要な場所です。
オフィスの感染対策と消毒方法
上記で解説したオフィス内の個別具体的な場所での感染対策と消毒方法について解説します。
- 出入口の感染対策と消毒方法
- トイレの感染対策と消毒方法
- デスク周りの感染対策と消毒方法
- 個室の感染対策と消毒方法
- オフィス全体の導線の感染対策と消毒方法
出入口の感染対策と消毒方法
出入口の感染対策として多くの企業で行われているのが、エントランス前での手や指のアルコール消毒と体温の測定です。
可能な限り消毒用のポンプに手で触れなくて済むよう、自動式や足踏み式を導入しましょう。
また、エレベーターがあるオフィスビルの場合は、エレベーターの前でも消毒ができるように機器を設置しましょう。
社内の会議室などに出入りするときにも消毒ができるようにしておくと、より強い対策になりますね。
トイレの感染対策と消毒方法
トイレでは基本的には、出てくる前に手を洗うので、対策としては入る際とトイレ内での接触感染対策が大事になります。
あまり実施しているところは多くありませんが、トイレに入るときにも手の消毒ができるようにするといいでしょう。
入口で消毒ができることにより、接触箇所が多く狭いトイレでも感染が防ぎやすくなります。
トイレに入る人数をコントロールできればベストですが、それは難しいので、可能であれば入口対策だけでも実施してみてください。
デスク周りの感染対策と消毒方法
デスク周りの対策としては、個人に委ねられるところが多いですが、各従業員のデスクに携帯用の小さなスプレー式の消毒液を置いておいて、小まめに使ってもらえるようにお願いするだけでも効果があります。
補充用のアルコールも用意しておけば、自主的に補充しながら使ってくれる従業員も多いはずです。
消毒をお願いしたい機器などにシールなどを貼っておくのも意識を高める上で効果的です。
個室の感染対策と消毒方法
個室の感染対策もメインは入室前の消毒です。
各個室前に、消毒液をおいておきましょう。
また、可能な限りドアは開け放しておくようにして、どうしても内々で話をしたいときは、大きな会議室を使ってもらう。
それも難しい場合は、ドアの代わりに窓を空けるなど、空気が循環するように徹底してもらってください。
オフィス全体の導線の感染対策と消毒対策
オフィス全体の導線での感染対策については、通路となる床に通行方向を決める矢印などをシールで貼って、可能な限り相互通行とならないように工夫しましょう。
「オフィスのスペースの関係で難しい」という場合でもデスクの位置を移動するなど検討してみてください。
またシフト制の出勤を導入して、導線上に人が集まらないようにすることも有効です。
オフィス内の自動販売機などについては、時と場合によっては一時的に停止もやむを得ないかもしれません。
停止が難しい場合は、自販機前に消毒液を設置するのも対策となるでしょう。
オフィス用消毒液の選び方と注意点
新型コロナウイルスに有効と言われている消毒液にはいくつかの種類があります。
代表的なものはアルコールと次亜塩素酸ナトリウムや界面活性剤。
オフィスで使用する場合、手や指に使うものにはアルコールを使いましょう。
具体的には濃度70~95%以下のエタノールを使うよう厚生労働省から推奨されています。
※新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)
次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水は刺激が強いため、手や指への消毒として推奨されていません。
周知の事実ですが、石鹸やハンドソープで手を洗うことも新型コロナウイルス対策としては有効です。
石鹸やハンドソープで手を10秒もみ洗いして流水で15秒すすぐとウイルスは1万分の1に減らすことができます。
手洗いの時間が短いと十分な効果を発揮しませんので、トイレに手の洗い方や注意点を表示して、従業員の手洗いへの意識を喚起しましょう。
ドアノブ、テーブル、受話器などについては、次亜塩素酸ナトリウムを薄めた液体を雑巾などに染み込ませて吹き上げるのがウイルス対策として有効です。
家庭用漂白剤で良いので、次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.05%になるよう水で薄めて使いましょう。
拭いた後は水拭きをしてください。
金属製のものに使用すると腐食する可能性があるので注意してください。
なお、漂白剤は使用上の注意事項をよく読んでから使いましょう。
オフィスで新型コロナウイルスの感染者が発生した場合にすべきこと
オフィスで新型コロナウイルスの感染者が発生した場合は、速やかに以下の対応を実施してください。
- 関係先への報告
- 感染者の対応
- オフィスの清掃と消毒
関係先への報告
オフィスにおいて新型コロナウイルスの感染者が発生した場合、速やかに関係先への報告をしてください。
関係先とは、オフィスがある地域を管轄する保健所、医療機関、自治体そして取引先などです。必要に応じて産業医にも連絡をしましょう。
連絡する内容は、発症日、勤務した場所、濃厚接触者の有無などになります。
(最新の政府や自治体の方針の変更にも注意してください)
感染者の対応
感染者への対応に関しては、医療機関の指示に従ってください。
軽症や無症状の場合は以前と違い、宿泊もしくは自宅療養となることが多いです。
オフィスの清掃と消毒
感染者が発生したオフィスでは、上記の対応のほかオフィスの清掃や消毒も必要になります。
対応に迷う場合は、保健所の指導を仰ぎましょう。
費用は事業者の負担となります。
消毒は、従業員にさらなる感染者の拡大を防ぐためにも、プロの業者に依頼することをおすすめします。
消毒・除菌をしてくれる業者を調べてみてください。
自治体も相談に乗ってくれるはずです。
新型コロナウイルスの消毒はどんな業者に依頼すべきか
いざ、オフィスの新型コロナウイルスの消毒を業者に依頼するとしても、ここ1~2年で多くの業者が参入していることもあり、どこに依頼するべきか迷ってしまう人が大半です。
そこで、新型コロナウイルスの消毒をどんな業者に依頼すべきかを判断する上で3つのポイントを解説します。
3つのポイントを踏まえて判断すると失敗を避けられるはずです。
- 消毒・除菌作業の実績
- 自治体との関係
- 秘密保持への配慮
消毒・除菌作業の実績
新型コロナウイルスの消毒・除菌作業は実績のある業者に依頼しましょう。
最近は新型コロナウイルスの感染拡大をビジネスチャンスと捉えて、新規参入する業者がたくさんいます。
経験が少ない業者に依頼するとリスクが伴う場合もあります。
従業員の安全に関わることなので、しっかりとした実績のある業者に消毒をしてもらうのが1番です。
自治体との関係
自治体から紹介されるような業者は信用できる業者がほとんどです。
自治体の信用問題にも関わるので、業者も簡単には自治体との関係を構築することはできません。
紹介となるとさらにハードルが上がります。
従って、時間をかけて実績を積み自治体と良好な関係を築いた業者は、優良な業者である可能性が高いです。
少なくとも、ずさんな作業をしたり、法外な費用を請求する悪徳な業者ではありません。
秘密保持への配慮
現在は比較的多くの人の理解が広まり、必ずしも新型コロナウィルスの感染者が発生したことを隠す必要はありません。
ただし、企業として感染情報のコントロールをしたいと思うのは当たり前です。
少なくとも、意図しないところから情報が漏れることは避けたいですよね。
秘密保持に無頓着な業者ではなく、しっかりと配慮している、宣言している、そんな業者に消毒・除菌を依頼しましょう。
さらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
新型コロナウイルスの消毒を業者に依頼したときの費用
新型コロナウイルスの消毒を、業者に依頼した時に気になるのが費用ですよね?
消毒費用は一般的にオフィスの広さによって変わってきます。
㎡あたりの単価は狭いほど高く、広いほど割安になっていきます。
もちろん、オフィスの環境、設置物、業者などによっても費用は変わりますので、以下に掲載の表はあくまで参考としてください。
床面積 | 費用 |
---|---|
30㎡ | 30,000~50,000円 |
50㎡ | 50,000~70,000円 |
100㎡ | 80,000~100,000円 |
300㎡ | 200,000~300,000円 |
1000㎡ | 700,000~900,000円 |
新型コロナウイルスの流行はまだまだ続く
新型コロナウイルスの流行はまだまだ続くと思われます。
個人も企業も疲弊してきていますが、今後もいかに従業員を守りながら、事業を継続していくかが大事になってきます。
新型コロナウイルスへの対策は、感染者が発生した時の対応を敏速におこなうためにも、事前の準備が重要です。
「感染者が出てしまった」、「これから感染者が出てしまうかもしれない」と不安に感じてらっしゃる管理者の方に、本記事がお役に立てば幸いです。