新型コロナの流行以来、店内の出入りや日常生活の中でアルコール消毒は習慣になりました。
でも、「どのくらい効果あるの?」、「モノにも使えるの?」や「手が荒れるからできれば使いたくない」などの疑問や思いを持っている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、アルコール消毒の効果について、わかりやすく、簡単に解説します。
小難しい専門用語などは極力使わずに説明するので気軽に読んでくださいね!
子供にアルコール消毒の大事さを説明するときにも役立つと思います。
目次
アルコール消毒の効果
アルコールにはきわめて強い消毒効果があります。
なぜならアルコールには、ウイルスや菌の体を作っているタンパク質を壊す効果があるからです。
新型コロナウイルスにも効果があることは、すでに皆さんもご存知の通りです。
またアルコール消毒は、新型コロナウイルス以外にも、インフルエンザウイルスやHIVウイルスにも効果があります。
アルコール消毒が効果を発揮するウイルス
- インフルエンザウイルス
- HIVウイルス
- 風疹
- ヘルペス
また、食中毒の原因となる以下の菌にも高い効果を発揮します。
- 黄色ブドウ球菌
- サルモネラ菌
- 腸炎ビブリオ
- 病原性大腸菌
アルコール消毒が効果を発揮しないもの
アルコールは上記にも記載したとおり、多くのウイルスや菌に対して高い消毒効果を発揮します。
しかし、アルコール消毒は万能ではなく、例えば破傷風やボツリヌス菌には効きません。
また、ノロウイルスにも効果が弱いです。
アルコールによる消毒が、どのウイルスや菌に効果があるか、あるいはないのかを把握しておくことが大事です。
アルコール消毒が効果を発揮しないウイルスや菌
- ノロウイルス
- ノタウイルス
- 破傷風
- ボツリヌス菌
アルコール消毒の効果的な使い方
上記ではアルコール消毒が効果を発揮するウイルスと、そうでないウイルスや菌について解説しました。
しかし、アルコール消毒の効果が期待できる菌であっても、その使い方によっては効果が下がってしまうことがあります。
そこでアルコール消毒の特性を知り、効果的に使うための方法を解説します。
アルコール濃度に気をつける
アルコールでの消毒は濃度が高ければ良いというわけではありません。
例えば、濃度99%のアルコールは高い効果が期待できそうですが、実際は消毒効果がちゃんと発揮されない上に手にもよくないのです。
アルコールの消毒効果が発揮されるのは、濃度70%以上95%以下のエタノールと厚生労働省からも案内されています。
他にも日本薬局方は76.9〜81.4%、米国薬局方は68.5〜71.5%、WHOは60〜80%と消毒用のアルコール(エタノール)の濃度に関して適正値を示しています。
薬局で購入するときの参考にしてください。
自分で無水エタノールやエタノールを購入して消毒液を作る場合は、上記を目安にして作りましょう。
コスパよく自分で消毒スプレーを作りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
丁寧に手にすりこむ
アルコールで手指を消毒する時は、丁寧に手にすり込むことが重要です。
※品質・有効性・人体への安全性が確認された「医薬品・医薬部外品」(「医薬品」「医薬部外品」との表示のあるもの)を使用してください。
よくアルコール消毒スプレーのノズルを軽く押して、少しだけアルコールを手に付けている方を見かけますが、それでは十分な消毒効果はありません。
ノズルは下までしっかりと押し込み、手がびしょびしょになるくらいつけましょう。
特に指先、指の間、そして親指の周りへの消毒がおろそかになりがちなので気をつけてください。
液体タイプなら1プッシュ、ジェルタイプなら2プッシュ程度が適正な量です。(足りない場合は追加しましょう)
手があまりにも汚れている場合も効果を発揮しませんので気をつけてください。
都度消毒する
アルコール消毒は、手に付着した菌を消毒して感染などを防ぐことを目的としています。
極端な例ですが、ウイルスなどの飛沫が手に付着する場合を除き、なにも触れない状態であれば手の消毒をする必要はありません。
しかし、生活をする中ではそうはいきませんよね。
そこで最適な消毒頻度は、「都度消毒する」となってしまうわけです。
手荒れなど気になりますが、感染防止という観点で見ると残念ながら、「モノに触れるたびに都度アルコール消毒をする」のが効果的な消毒方法となります。
手洗いと上手に組み合わせましょう。
以下の「政府インターネットテレビ」の動画で正しい手の洗い方が観られます。
正しい手洗いの仕方
アルコール消毒のメリットとデメリット
本記事で解説してきたとおり、アルコール消毒にはウイルスや菌に対して効果を発揮します。
しかし、ウイルスや菌を消毒する上で、必ずしもアルコールを使う必要はありません。
例えば石けんによる手洗いや次亜塩素酸水など、他にも手やモノを消毒する方法はあります。
消毒する上で、最適な方法を選んでいくのが良いのですが、どうやって選べばいいかパッと答えられる人はそれほど多くないはずです。
そこで、アルコール消毒のメリットとデメリットについて解説します。
メリットとデメリットを把握することで、どのような場面でアルコール消毒を使えばいいか判断できるようになります。
メリット1│汎用性があり効率がいい
アルコール消毒のメリットの1つめは汎用性があることです。
アルコールは手や指の消毒に使える上に、モノの消毒も可能です。
例えばスーパーの入口で手の消毒をしつつ、カートの握り手の部分も一緒に消毒もできますよね。
次亜塩素酸ナトリウムだと手に害なので、そうはいきません。
アルコール消毒ひとつで、体もモノもカバーできるのは、アルコール消毒の1番のメリットではないでしょうか?
メリット2│携帯できるのでどこでも使える
アルコール消毒のいいところは小さなボトルなどに入れれば、携帯できること。
新型コロナウイルスを防ぐには手洗いと消毒が1番と言われていますが、手洗いはどこでもできるわけではありません。
そんなときに携帯ボトルに入れたアルコールがあれば、消毒ができます。
会社やスーパーの入口、エレベーターの前など、様々な場所にアルコールスプレーが設置されているのも、アルコールの携帯性が成せる技ですね。
メリット3│揮発性があり不快感がない
アルコールは揮発性があるのがメリットです。
手にスプレーをして、すりこめば数秒で手が乾きます。
これが揮発性がなく、いつまで経ってもビチョビチョだと不便ですよね。
すぐに乾くところがアルコールの使いやすさの1つでもあります。
デメリット1│効果を発揮しない菌やウイルスがいる
本記事で既に解説していますが、アルコールは菌やウイルスの体を作っているタンパク質を壊す効果があります。
しかし、中には硬い殻に覆われていたり、アルコールが壊す脂の膜(エンベロープ)がそもそもないウイルスもいます。
そういった菌(破傷風菌やボツリヌス菌)やウイルス(ノロウイルスやノタウイルス)にはアルコール消毒は効きません。
アルコールは万能ではないんですね。
デメリット2│アレルギー体質の人は使えない
アレルギー体質でアルコール消毒をできない人もいます。
症状は様々ですが、免疫反応によって引き起こされるアレルギー反応の場合は、呼吸困難を起こすなど命に関わる場合もあるので、手への消毒とはいえ、アレルギー体質の人は避けなくてはいけません。
従ってアルコールアレルギーがある人の場合、他の方法で消毒をする必要があります。
デメリット3│揮発性があるため効果が継続しない
アルコールには高い揮発性があります。
これはメリットでもありますが、デメリットにもなります。
アルコールは揮発性が高いため、その消毒効果は持続しません。
消毒した後、アルコールが飛んでしまった手で菌やウイルスが付着したものを触ると、消毒効果が発揮されないのです。
従って、改めて消毒をしないと手に菌やウイルスは付着したままになります。
モノに触れたとき、都度消毒をしなくてはいけないのが、アルコール消毒のデメリットです。
アルコール消毒についてのまとめ
本記事では、アルコール消毒の効果と限界、そしてメリットやデメリットについて解説してきました。
アルコールは菌やウイルスを除去するのに非常に便利なモノですが、それだけに頼らず、手洗いやその他の消毒方法と併用していくことで十分な効果を発揮していきます。
アルコールのメリット・デメリットを把握した上で、有効活用していきましょう。
消毒に関しては、以下の記事も参考になるのでご覧ください。