【コラム】シカやイノシシもハチは苦手?養蜂業者 害獣対策装置開発
スズメバチの羽音やにおいを利用して有害獣を撃退するユニークな装置を福山市の養蜂業者が開発し、ベンチャー企業の取り組みを支援するJR東日本グループのプログラムに採択された。現在、岩手県のJR線で、列車と動物の衝突防止に向けた実証実験を行っており、成果が期待される。
ハチミツなどを製造・販売する「はなはな」(同市加茂町中野)が開発し「境界守(きょうかいもり)」と名付けた。スピーカーやにおいの発生装置が組み込まれたコントロールボックスと配管で構成。配管を通じて録音したスズメバチの「ブーン」という羽音や化学的に合成したにおいを流すことで、近くにハチがいると動物に錯覚させ、近寄らせないようにする。
野生動物の衝突事故対策にも応用できると考え、JR東日本管内でシカの衝突事故が最も多い岩手県のJR山田線で、昨年12月20日から3月まで実験を実施するという。線路脇約500メートルにわたって配管を敷設し、動物が立ち入らないか検証している。
同グループは、1月18日までの約1カ月間に衝突は起きていないとし、「フェンスを設置したり、ライオンの排せつ物をまいたりしたが決定打にはならなかった。全国の鉄道事業者が同じ悩みを抱える中、アイデアを生かせれば」と期待。「野生動物もハチに刺される恐ろしさを知っているのでは」と清水社長。「解決につながればうれしい。研究を進め、より効果が出る方法を探っていきたい」と話している。
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