「アシナガバチに刺された!」緊急事態ですよね。
すぐに結論を知りたいと思うので、前置きは短く、どうすればいいかお伝えします。
目次
アシナガバチに刺されたら最初にすべきこと5つ【放置NG!】
アシナガバチに刺されたら以下の5つのことをすぐにしてください。
絶対に放置してはいけません!
1. アシナガバチに刺されたらすぐにその場から離れる
アシナガバチに限りませんが、ハチに刺されたらすぐにその場から離れてください。
できれば、20mくらいは離れたいですね。
アシナガバチに刺される人の多くは、巣の近くに知らず知らずに近寄ってしまっていることが多いからです。
また、人を刺したアシナガバチはフェロモンを出して仲間を呼び寄せるので、巣が近くになくても、まずはその場から離れましょう。
2. アシナガバチの毒を水で洗い流す
アシナガバチに刺された現場から離れたら、次に刺された箇所を水で洗い流しましょう。
流水がいいですが、近くに水道がない場合は、ペットボトルの水などを使ってください。
ハチの毒は水に溶けやすいので、水をかけることである程度皮膚の表面の毒を洗い流すことができます。
3. アシナガバチの毒を絞り出す
アシナガバチに刺された箇所を水で流したら、次は毒を絞り出しましょう。
刺された箇所の周りを指で強く押して毒を絞り出してください。
ポイズンリムーバーを所持していれば、それを使うのが1番です。
登山やバーベキューなどアウトドア活動をする人は1,000円もしない道具なので、買っておくと安心ですね。
4. 軟膏など市販の薬を塗る
毒を絞り出したら、抗ヒスタミンかステロイド、またはその両方が含まれた軟膏を塗りましょう。
抗ヒスタミンやステロイドは、一般的な市販の皮膚薬の多くに含まれていますが、説明書で確認してみてください。
家にない場合は、薬局などで薬剤師に聞きながら買いましょう。
もちろん、この後に説明するアシナガバチの毒によるアレルギー反応など、体に大きな不調がないときの話です。
体調に問題がない場合でも、薬は誰かに頼んで買ってきてもらうことをおすすめします。
5. アシナガバチに刺されたところを冷やして安静にする
最後に患部を氷などで冷やして、体調を見ながら最低でも1時間くらいは安静にしてください。
症状によっては、この段階で病院にいきましょう。
アシナガハチに刺されたくらいで救急車を呼んでもいいの?
アシナガバチに刺されて体調が悪くなった場合は、遠慮せずに救急車を呼んでください!
特に全身症状が出たときは、躊躇せず119番にかけましょう。
全身症状には以下のとおり、軽いものから重いものまであります。
特に症状が重い場合は、命にかかわりますので躊躇せず電話してください。
- 軽い全身症状:汗・吐き気・めまい・ふるえ
- 中程度の全身症状:頭痛・喉のしびれ・息苦しさ、嘔吐
- 重い全身症状:じんましん・激しい動悸・血圧降下・呼吸困難・意識障害
全身症状が比較的軽い場合や、中程度の場合にどうすればいいか迷いますよね?
救急車を呼ぶべきか悩む場合は、電話番号#7119、救急安心センターの救急電話相談に電話をしてください。
#7119の救急電話相談では、医師や看護師などの相談員が症状を聞いて、「緊急性があるか」や「すぐに受診する必要があるか」などを判断してくれます。
相談員が「緊急性が高い」と判断した場合は、救急車を呼んでくれますし、必要がないと判断された場合でも、どうすればいいか相談に乗ってくれます。
アシナガバチに刺されて救急車を呼ぶべきか判断に迷ったときは、ぜひ活用してみてください。
アシナガバチに刺されたら病院に行くべき?何科を受診すべき?
アシナガバチに刺されたら応急処置をして、病院に行きましょう。
全身症状などが出ていない場合は皮膚科、重い全身症状ではないが少し体調が悪い場合は、内科もしくはアレルギー科を受診しましょう。
重い全身症状の場合は救急科になりますが、その場合は上記で解説したとおり、すぐに救急車を呼んでください。
なお、刺されたのが子供の場合は小児科になります。
アシナガバチに刺されたあとのNG行為
アシナガバチに刺されたときにやりがちな、昔からある間違った治療法が2つあります。
それは、「毒を口で吸いだす」と「刺された箇所に尿をかける」です。
危険ですので絶対にやらないでください。
アシナガバチの毒を口で吸いだす
アニメや映画などで、毒を口で吸って「ペッと」地面に吐くシーンを見たことありませんか?絶対にやめてください。
口の中の傷や粘膜から毒が体内に入ると凄く危険です。
毒はポイズンリムーバーで吸い出すか、指で絞り出すようにしてください。
刺された箇所に尿をかける
ハチに刺された箇所に尿をかけるのも昔からよく言われていますが、効果に関する医学的根拠はありません。
アンモニアがハチの毒に効くという“言い伝え”のせいですが、ハチ毒の成分は既に解明されていて、その中にアンモニアが効く成分は含まれていないことがわかっています。
刺された箇所から雑菌が入って化膿すると、かえって症状が酷くなるのでやめましょう。
アシナガバチに刺されたあとは安静にする
アシナガバチに刺されたあとは体調が悪くならなかったとしても、安静にしてください。
また、刺された当日は以下の3つに注意して過ごしましょう。
アシナガバチに刺された日はお酒を飲まない
アシナガバチに刺された日は、お酒を飲まないでください。
登山中にハチに刺された場合などは、運動後で喉も乾きますし、体調が悪くなければビールの一杯でも飲みたくなる気持ちはわかります。
しかし、アルコールを飲むと血流が良くなり、あとから毒が体に回って体調を崩したり、アレルギー症状が出たりする可能性があります。
患部に腫れがなく、体調に問題がないとしても、アシナガバチに刺された日はお酒を飲まないようにしましょう。
アシナガバチに刺されたらお風呂に入るのは控える
アルコールと同様、お風呂に入ると血の巡りが良くなってしまいますので、アシナガバチに刺された日はお風呂に入るのは控えて、濡れタオルで身体を拭く程度にしておきましょう。
どうしても気持ち悪くて体を洗いたい場合は、水やぬるめのお湯で身体をサッと流す程度にとどめてください。
激しい運動はアシナガバチに刺された日は避ける
アシナガバチに刺されたら、ともかく患部を冷やして、毒を体に回らせないようにすること、そして安静にすることが大事です。
激しい運動も避けてください。
刺されたあと、痛みも少なく体調も変化がないので、そのままランニングなどの運動をして、発疹などのアレルギー症状が後から出てきた例もありますので気をつけましょう。
アシナガバチに刺されたときに気になるQ&A
アシナガバチに2回刺されると危険って聞きましたが本当ですか?
アシナガバチに刺されたときに怖いのは、アナフィラキシーショックです。アナフィラキシーショックは、ハチの毒が体内に入ったときなどにおきるアレルギー反応で、2回目の方が初めて刺されたときより起きやすいです。
アシナガバチに刺されるとアナフィラキシーショックになりますか?
アナフィラキシーショックは1度ハチに刺されたことがある人、もともとアレルギー疾患のある人などに起きやすいアレルギー症状です。アシナガバチに刺されたからといって必ず起きるわけではないですが、注意は必要です。アレルギー反応が心配な人は血液検査で抗体を検査できます。
アシナガバチに刺された跡が酷く腫れているのですが、いつまで続きますか?
アシナガバチに刺されると多くの場合、当日~翌日が腫れや痛みのピークです。ただ稀に2日以上経ってから腫れや痛みが出てくることもあります。腫れが酷い場合や、腫れが引かない場合は、病院を受診しましょう。
アシナガバチに刺されたら焦らずに応急処置をしましょう
アシナガバチは決して、獰猛な性格のハチではありません。巣に必要以上に近づいたり、手で払ったりしない限り刺されることはめったにないでしょう。
とはいえ、毎年アシナガバチに刺される人がいるのも事実です。
万が一刺されたら落ち着いてやるべき応急処置をして、早めに病院にいくようにしてください。
家の軒下やベランダなどの生活圏にアシナガバチの巣があって刺されてしまった人は、治療を終えたらアシナガバチを駆除しましょう。
アシナガバチの駆除方法は以下の記事に詳しく解説しています。