イタチは悪臭のする糞尿を家の中にバラまき、断熱材をはがして巣をつくります。このような悪行をはたらくこのイタチ、実は法律により、許可を得た人しか駆除できないってご存知でしたか?
駆除するには狩猟期間内であることが必要で、かつメスのイタチの駆除は狩猟期間内であっても禁止されています。
なぜ害獣であるイタチを駆除してはいけないのでしょうか。
イタチを保護しているのは「鳥獣保護管理法」。正式名称は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」です。
今回は、なぜイタチが保護されているのか、法律とその理由を調べてみました。
目次
鳥獣保護管理法の目的とは
鳥獣保護管理法の目的は、第一条に以下のように定められています。
鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するとともに、猟具の使用に係る危険を予防することにより、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化を図り、もって生物の多様性の確保(生態系の保護を含む。以下同じ。)、生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保及び地域社会の健全な発展に資することを目的とする。
【出典】鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律
この目的をざっくりとまとめると、「自然からの恵みを受けながら、快適な生活環境も守るために、生態系を管理していこう」ということになります。
イタチの駆除に関する法律は
イタチを勝手に駆除してはならない旨は、「鳥獣保護管理法」の第八条で定められています。
第八条 鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。
【出典】鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律
つまり前提として、「特定の動物は捕まえるのを禁止されている」のではなく、「そもそも動物は捕まえてはならないもの」なのです。
しかし、これには例外が設けられます。狩猟免許を持っている場合や、調査研究のための捕獲、生活に悪影響を与える害獣を駆除する場合です。これらに該当する場合は、特別な許可を得ることで、捕獲や駆除ができるのです。
ただし、ドブネズミやクマネズミ、ハツカネズミは衛生上重大な影響があるとして、許可がなくても捕獲や殺処分をしても良いことになっています。
なぜ害獣なのに勝手に駆除してはいけないのか
このように鳥獣保護管理法では、原則はほぼ全ての動物は勝手に駆除してはならず、許可を得た場合のみ捕獲や駆除ができる、という仕組みになっています。なぜこのような法律になっているのでしょうか。
それは、生態系を守るためです。生態系は、絶妙なバランスによって成り立っています。我々にとっては害獣と呼ばれる動物であっても、その動物がいなくなることで生態系のバランスが崩れ、大きな悪影響を及ぼす可能性があるのです。
たとえばイタチはネズミを食べますが、人間がイタチを「害獣だから」という理由で絶滅させると、今度はネズミが大発生する可能性があります。
イタチの駆除は法律を守って
今回紹介したように、イタチの駆除は法律により制限されています。そしてそれは、絶妙なバランスで成り立つ生態系と、我々の快適な生活環境を守るためでもあるのです。イタチの駆除を行う上では、法律を遵守しましょう。そして、詳細なルールを確認するのが大変であれば、我々トータルクリーンのような専門業者のご利用も検討くださいね。
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