ネズミが関係して起こる病気のきっかけは主に2つ。ひとつはネズミの体液や糞尿に含まれる菌・物質を体内に入れてしまうこと。もうひとつはネズミに寄生しているダニやノミに刺されることです。今回は最初に挙げたネズミが持つ菌などが原因で起こる病気についてそれぞれの症状を中心に書き出しました。
目次
ネズミが原因で起こる病気1:食中毒(サルモネラ感染症)
ネズミの体内や排泄物にはたくさんのサルモネラ菌が含まれています。この菌が人に感染すると食中毒(サルモネラ感染症)が起こり、発熱、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が出ます。致死率は高くありませんが、小さいお子様やご高齢の方は重症になりやすいので注意が必要です。
ネズミが原因で起こる病気2:腸チフス/パラチフス
腸チフスはチフス菌、パラチフスはパラチフスA菌によって引き起こされる病気です。症状が出てから概ね1週間ごとに症状が変化するのが特徴で、最初は体温が40℃くらいまで徐々に上がり、次に咳、下痢、意識障害や難聴(重症の場合)が発生し、さらに高熱と微熱を繰り返します。合併症で死亡する場合もあります。
ネズミが原因で起こる病気3:レプトスピラ症/ワイル病
レプトスピラ症はネズミの排泄物(主に尿)に含まれるレプトスピラ菌が水や土壌を介して人間に感染する病気で、主な症状は高熱、頭痛、目の充血、筋肉痛、黄疸などです。この病気でとくに重症な場合をワイル病と呼びます。ワイル病の死亡率は20~30%になると言われています。
ネズミが原因で起こる病気4:E型肝炎
E型肝炎は主にウイルスに汚染された食品から感染する病気で、2000年代の日本では野生のイノシシ肉を食べた人の感染例があります。症状は発熱、消化器症状(悪心・腹痛など)、肝腫大などがあり、多くの場合で肝機能の悪化による黄疸を伴います。妊娠中の方は劇症化しやすいことが知られています。
ネズミが原因で起こる病気5:ハンタウイルス肺症候群
ハンタウイルス肺症候群は、ネズミなどのげっ歯類に咬まれたりすることで感染します。発熱、嘔吐、下痢などを伴って急激な呼吸不全を発症し、致死率が最大で50%にもなる恐ろしい病気ですが、今のところ日本での発症例はありません
まとめ
当コラムではネズミなどの害獣に加え、シロアリやゴキブリなどの害虫による健康被害についてたたびたび紹介してきました。あらために見てみると致死率が高い病気もあり、単純に自分で駆除すれば良いと考えるのは危険ということがお分かりいただけるのではないでしょうか。病気の感染に不安がある方はまずプロに相談してみることをおすすめします。
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