シロアリ駆除は高額な費用がかかります。いくら安心して家に住むためとはいえ、躊躇せずに数十万円を出せる人はそんなに多くありません。
そこでなんとか費用を抑える方法はないか調べてみると「補助金」というキーワードがヒット。
本記事を読んでいる人は、
「自治体から補助金がでるなんて話を聞いたけど本当なの?」
「補助金がダメでもなんとか費用を抑える方法を知りたい」
そんな悩みを持っていませんか?
もし当たっていたら、そのまま読み進めてください。
本記事では、「シロアリ駆除に補助金が出るのか?」や、「雑損控除を使ってシロアリ駆除の負担を減らす方法」などを解説します。
記事を読むとシロアリ駆除にかかる高額な費用を抑えるヒントを得られます。
シロアリ駆除で損をしたくない人は、ぜひ読んでみてください!
目次
シロアリ駆除に自治体からの補助金はでません
いきなり冒頭で希望を打ち砕くようで申し訳ないのですが、シロアリの駆除に関して国や自治体から補助金はでません。
一部記事において、高知県香美市の場合「害虫駆除補助金」が出ると記載がありますが、実際に市役所に電話をして確認したところ、残念ながらシロアリは補助金の対象外ということでした。
他にも調査をしましたが、シロアリに補助金を出してくれる自治体は見つかりませんでした。
シロアリを駆除する費用で補助金をもらうことは諦めましょう。
シロアリ駆除に補助金がダメなら保険は使えないの?
「シロアリ駆除で補助金がダメなら、保険は使えないの?」と思い浮かぶ人がいるでしょう。
残念ながら、補助金の代わりにシロアリ被害に適用できる保険も皆無です。
唯一、火災保険が使える可能性がありますが、条件は非常に厳しいものがあります。
シロアリの被害自体は、火災保険の補償対象の範囲外だからです。
シロアリ被害に火災保険を適用するには、台風などの自然災害が原因で雨漏りが発生し、「その雨漏りが原因でシロアリの被害にあった」と証明できなければ、保険金はおりません。
シロアリ被害の原因が自然災害と証明するハードルは非常に高いですが、対象と思われる場合はシロアリ駆除業者に、まずは相談してみるのがいいでしょう。
【結論】シロアリ駆除で損しないためには雑損控除をしましょう
シロアリの被害では補助金は出ないし、保険もおりませんが、雑損控除という方法があります。
シロアリ駆除費用で損をしないためには雑損控除をしましょう。
「雑損控除ってなに?」という人のために、雑損控除とはなにかと、雑損控除をするための条件を以下に解説します。
雑損控除とは
国税庁のHPには雑損控除について以下のとおり記載されています。
雑損控除とは、災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等に受けることができる所得控除です。
また、国税庁のHPでは、シロアリの駆除費用について、雑損控除の対象となることが明記されています。
ただし、シロアリの「駆除」が対象で、「予防」は対象外なので注意が必要です。
シロアリ駆除費用を雑損控除する3つの条件
シロアリ駆除費用で雑損控除を受けるためには条件が3つあります。
- 家屋の所有者である
- 日常生活を送っている家である
- 業者に依頼をしてシロアリを駆除した
ひとつひとつ解説します。
1.家屋の所有者である
1つ目の条件は、シロアリの被害を受けた家の所有者であることです。
(または総所得が48万円以下の親族が家の所有者であること)
厳密には以下のように国税庁のHPに記載があります。
- イ 納税者
- ロ 納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)の方
当たり前ですが、「家が自分のものでない場合などは雑損控除できませんよ!」」ということです。
2.シロアリ被害を受けたのが日常生活を送っている家である
次にシロアリの被害を受けた家が「日常生活を送っている家」でないと雑損控除はできません。
国税庁のHPには
棚卸資産もしくは事業用固定資産等または「生活に通常必要でない資産」のいずれにも該当しない資産であること。
などと難しく書いてありますが、要は別荘や倉庫代わりに使っている家で、そこに住んでいない場合は、雑損控除できないということです。
現にそこに住んでいるのであれば問題ありません。
3.業者に依頼をしてシロアリを駆除した
最後の条件は、業者に依頼をしてシロアリを駆除しないと雑損控除はできないというものです。
最近はホームセンターなどで、自分でシロアリを駆除できる道具の購入ができます。
DIYでシロアリを駆除すると費用は安く済みますが、その場合、雑損控除はできないので注意してください。
また、業者に依頼をした場合でも、駆除作業は雑損控除できますが、予防は雑損控除できないので覚えておきましょう。
プロの業者は、そこらへんについて慣れているので依頼するときに聞いてみましょう。
ちなみに、雑損控除できる範囲などを丁寧に説明してくれない業者には依頼をしない方がいいです。
控除される金額の計算方法
雑損控除でシロアリ駆除の費用の一部が戻ってくるのはわかったけど、一体いくら戻ってくるのでしょうか?
あまりにも金額が少ないなら、面倒だし止めようと思う人もいるでしょう。
そこで、雑損控除の計算方法を以下のとおり2種類解説します。
- 計算1.控除金額=(差引損失額)-(総所得金額)×10%
- 計算2.控除金額=(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円
上記の計算のうち大きい方を控除額として使います。
例えば、総所得が350万円のサラリーマンがシロアリ駆除を業者に依頼して駆除や修繕費用で45万円かかったケースでみてみましょう。
- 計算1.45万(差引損失額)-350万(総所得金額)×10%=10万円
- 計算2.45万(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円=40万円
この場合、計算2が採用されて、40万円が控除されます。
この40万円に総所得350万円の人の所得税率20%をかけた金額、8万円が所得税から控除されます。
つまり、翌年支払う所得税の金額が8万円少なくて済むんです。
8万円は大きいですよね!
シロアリ駆除費用を雑損控除するための方法
雑損控除をやった方がいいことはわかったけど、実際はどうすればいいのでしょうか?
シロアリ駆除費用を雑損控除するには、まず以下の3点の書類を準備してください。
- シロアリ駆除業者に支払った領収書
- 確定/還付申告書
- 源泉徴収票(給与所得がある人)
シロアリ駆除とともに、家の修繕工事を行った場合は、その領収書も雑損控除できますので用意しましょう。
予防も行った場合は、業者に依頼をして駆除にかかった費用と予防にかかった費用の領収書を分けてもらってください。(予防は雑損控除できないので抜く)
あとはシロアリ駆除を行った翌年の2月16日~3月15日の間に、上記書類をもって確定申告をすれば、雑損控除の手続きは完了です。
確定申告書の書き方がわからない場合は、税務署に電話をするか、訪問して聞けば丁寧に教えてくれますよ。
なお、還付申告という手続きで雑損を控除することも可能です。
還付申告はシロアリ駆除を行った翌年1月1日から5年間の期限がありますので、期間内に申告しましょう。
シロアリ駆除の補助金や控除については、以下の記事も参考になります。(外部参考サイトへ移動します。)
シロアリ駆除後の保証
シロアリ駆除をしたら、一般的に業者は5年間の保証をつけてくれます。
この5年間の間にシロアリが再度発生した場合、無料もしくは割引などで駆除してくれるものです。
ただ、この保証内容は業者によって違いますので、良く確認してください。
駆除作業はするけど、シロアリの被害にあった家の修繕は別というケースも多くあります。
定期点検の頻度も重要です。
半年や1年に1回程度、しっかりと定期的に点検してくれる業者だと、再度シロアリが発生しても、家への被害を少なく抑えることが可能でしょう。
補助金や保険が使えないからこそ、駆除後の保証は大切です。
シロアリ駆除に補助金はでないので雑損控除をしよう
本記事では「シロアリ駆除に補助金がでるのか?」という疑問にお答えするとともに、シロアリ駆除で損をしないための雑損控除の方法などを解説してきました。
結論、シロアリ駆除には補助金はでないし、保険も対象外となるケースがほとんどなので、雑損駆除だけはしっかりと行いましょう。
少しでもシロアリ駆除にかかる負担を減らせるよう本記事が役に立てば幸いです。