- シロアリ予防の必要性について
- シロアリ予防をしないことによるリスク
- シロアリ予防をする際のポイント
「新築時にシロアリ予防をして5年間経ったけど、再施工が必要なのかわからない」
「これから新築戸建てを建てるところだけど、シロアリ予防って必要?」
「今まで定期的にシロアリ予防をしてきたけど、費用がもったいないので再施工をしたくない」
シロアリ予防のサービスを展開していると、日常的にこのような質問が私たちの元にやってきます。
この記事では、シロアリ予防をするかしないか悩んでいて、シロアリ予防の必要性について疑問を持たれている方向けに実態や一般論について解説していきます。
目次
シロアリ予防は必要?不必要?
結論から述べると、「シロアリ予防は、基本的にはやっておくべき」です。
シロアリ予防とは、建物や木材などをシロアリの被害から守るための対策のことです。薬剤処理やベイト工法など様々なアプローチでシロアリ被害を事前予防するための対策を施し、住宅などがシロアリに浸食されないようにするものです。
シロアリ予防の必要性が問われる理由としては、以下のようなものが挙げられます。
「施工コストが安くはなく、やらなくて済むならやりたくない」
「目に見えない床下の作業で、実際にはどうなっているのか素人にはわからない」
「そもそも、シロアリが発生すると住宅にどのようなデメリットが発生するのか知らない」
シロアリ予防が必要な理由を挙げると、主には以下の事項があります。
- 安全面:シロアリが木材を侵食することにより、建物の構造的強度が低下する
- コスト面:シロアリが発生した場合の駆除やシロアリ被害を受けた箇所のリフォームなどで費用がかかる
つまり、「消費者の目線からするとシロアリ予防をしないことによる将来の弊害が現時点ではイメージしにくいが、実際問題シロアリ予防をしないと住宅の安全性が損なわれたり、将来的に膨大なコストが掛かってくるリスクがあるため、先手を打っておくべき」ということなのです。
シロアリ予防をしないことによるリスク
前述したように、シロアリ予防を怠ることのデメリットとして、安全面とコスト面での将来的なリスクが発生します。
どちらもシロアリ被害が発生しなければリスクとしては顕在化しませんが、発生した場合の弊害は大きいと言えます。
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
リスク①:建物の強度が低下して安全性が損なわれる
シロアリ被害による建物への影響を簡潔に述べると、「シロアリが木材を食べてしまうことで腐朽してしまい、建物の強度が下がることで結果的に倒壊などのリスクが生じる」というものです。
シロアリが木材を食べる理由
シロアリがなぜ木材を食べるかというと、木材の主要成分の一つであるセルロースをエネルギー源としているからです。家屋やその他の建物の木部に侵入したシロアリは、内部から木材を食べ始め、その構造を徐々に弱体化させていきます。
建物の強度低下が発生するメカニズム
シロアリは外観からは損傷が見えにくい内部から木材を食べ進めるため、問題が発覚した時には既に深刻な損傷が生じていることが多いです。建物を支える梁や柱などの構造材がシロアリによって損傷すると、その部材の支持力が低下し、最終的には建物全体の安全性に影響を与えます。
実際に、1995年に発生した阪神大震災において倒壊した木造住宅の多くで、シロアリ被害による木腐朽が発生していたとされています。
災害後に行われた研究※でも、被害住宅では土台や柱の下部、モルタル壁内の柱などに腐朽やシロアリ被害が認められたという事実が確認されています。
※京都大学木質科学研究所の今村氏が芦屋市と神戸市周辺の住宅調査を行い、木造住宅の被害要因、特に腐朽およびシロアリ被害を検証。
出典:京都大学木質科学研究所 阪神大震災にみる住宅の腐朽およびシロアリ被害
リスク②:駆除費用や修繕費用など余計なコストが発生する
シロアリ予防をした場合と比べて、しなかった場合は当然シロアリが発生する可能性は高まります。
万が一シロアリが発生した場合のコスト観点でのリスクとしては、以下の2点が挙げられます。
- シロアリ駆除の費用がかかる
- 被害箇所の修繕費用がかかる
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
シロアリ駆除の費用
万が一シロアリが発生した場合、シロアリを駆除していかなければなりません。
シロアリを駆除しようとすると駆除業者に依頼することになりますが、その費用は一般社団法人経済調査会の統計によると、1坪あたり10,725円(1㎡あたり3,250円)とされています。
日本の住宅の平均坪数は30~40坪程度とされており、30坪の場合で単純計算すると約30万円程の駆除費用がかかる計算となります。
ケースバイケースで駆除費用については多少の前後はありますが、消費者目線からすると痛い出費だと感じられる方も多いのではないでしょうか。
シロアリが発生した場合ほったらかしにするわけにはいかないですし、決して安い金額ではないため、もしシロアリが発生してしまった場合の費用として事前に認識しておくべきではあります。
被害箇所の修繕費用
シロアリが発生した場合、シロアリを駆除して終わりではなく、被害部分の調査をする必要があります。
具体的には、シロアリによって損傷を受けた箇所の範囲と深さを特定して木材の腐敗や損傷の程度を検索していきます。
家の支柱や梁などの構造部分が食害されている、床下の木材が食害され床がたわんでいる、内部や天井の木材が食害され壁に亀裂が入っている、窓枠やドア枠の木材が食害され変形や歪みが起こった、といった場合は修繕リフォームが必要になってきます。
その場合、柱の交換だと10万円以上、基礎部分だと20万円以上といった形で、かなりの費用がかかってきてしまいます。
ここまでで説明したように、シロアリが発生した場合は駆除費用だけでなく修繕費用が発生する可能性があります。
シロアリ予防施工にかかる平均費用は1坪あたりで約5,000円から10,000円で、30坪の場合は概ね8万円から15万円前後です。駆除費用やリフォーム費用にかかるコストと天秤にかけた場合、高いと感じる方は少ないのではないでしょうか。
このように、シロアリ予防を行わずに将来的な被害が発生した場合のコスト面でのリスクまで考慮にいれると、シロアリ予防を行うことの必要性が理解できるかと思います。
シロアリ予防を行う際のポイント
シロアリ予防を行う場合には、各業者が提供する予防サービスの特徴をよくヒアリングすると良いでしょう。
業者によって推奨する工法や薬剤が異なっていたり、保証内容が変動したりすることがあるため、強みや特徴を事前に尋ねることで納得して依頼することができます。
面倒くさい部分もありますが、相見積もりをした上で価格とサービス内容を比較し、一番納得できる条件で依頼すると失敗するリスクを低減できるでしょう。
シロアリ予防業者の選び方がわからない、変な業者に依頼して後悔したくないという方は、こちらの記事を参考にしてください。
まとめ|シロアリ予防の必要性は個人の判断だが、やっておくべき
本記事では、シロアリ予防の必要性やシロアリ予防をしない場合のリスクなどについて解説してきました。
シロアリ予防をするかしないかは、最終的には個人の判断になります。
シロアリ予防をしない場合でも運よくシロアリ被害に合わない可能性もありますし、当然被害にあう可能性もあります。
365日暮らす住宅の安全性を守りたい、将来的に余計なコストがかかる心配をしたくない、という方はシロアリ予防をやっておいた方がいいという判断になるでしょう。
関西エリアで業歴50年以上害虫駆除サービスを営む当社では、シロアリ予防分野での豊富な実績を有しています。保証期間が10年の予防サービスもご用意していますので、関西エリアでシロアリ予防をお考えの方はぜひ一度お問い合わせください。
- 場所
- 大阪市東住吉区の空き家
- 施工場所
- シロアリ防除
空き家戸建を改装工事をする工務店です。特にシロアリ被害は見当たりませんでしたが、築年数が古く、シロアリ予防の為に害虫駆除専門のトータルクリーンさんに依頼しました。改装工事中で、木材周辺や土壌を薬剤処理して頂きました。傷んだ木材などは改装工事で補強などするので問題無しです。シロアリ被害の予防施工をして頂いてありがとうございました!…もっと読む
- 場所
- 大阪府豊中市の個人宅
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- シロアリ防除
住んでいる家が随分古くなってきて、息子に家を継いでいってもらうにあたり、家について調べることが多くなりました。その中でシロアリの工事は今までしたことがなかったので、今後の為にお願いすることにしました。生活していく家がシロアリの餌食にならないよう、これからもお願いします。…もっと読む