- トコジラミの生態と卵の特徴や危険性がわかる
- トコジラミの卵が洗濯だけではダメ理由と正しい対策の方法を知れる
朝、目がさめたら首や腕、足首のあたりがとてもかゆい。
かゆい部分に赤い斑点が無数にできていたら、トコジラミの仕業かもしれません。
トコジラミは、人の皮膚から吸血し、噛まれるとひどいかゆみを感じます。
個人差はありますが、かゆみと赤い斑点はすぐには消えません。
トコジラミは卵で繁殖しますが、普通に洗濯するだけでは死滅しないのです。
吸血と言われると不安になりますが、本記事を読めばトコジラミと卵の特徴や洗濯以外の対策方法がわかります。
目次
トコジラミの生態と卵の特徴や危険性を知ろう
トコジラミは南京虫とも呼ばれ、日本でも60年くらい前までは家や旅館などにあたり前にいました。
現在、日本国内では激減してますが、最近は海外からの旅行者や荷物を経由して国内に忍び込むケースが増えています。
そのため海外旅行をしなくても国内の旅館・ホテルなどで衣類や荷物に付着したトコジラミを自宅に持ち帰ってしまうのです。
トコジラミは光を嫌う「負の走光性」ため、人が寝ている間に肌の露出している部分に寄生し吸血します。
朝起きてかゆみを感じるのは、寝ている間にトコジラミに噛まれたからかもしれません。
特に夏場のトコジラミは、繁殖と活動が活発になるうえに、薄着で寝る人が多いので噛まれる範囲も広くなりがちです。
トコジラミはベッドや布団などの周辺に潜んでいて、人が寝静まった夜間に吸血します。
メスは毎日5〜6個の卵を産み、生涯で最大500個くらいまで産卵を続けるのです。
基本的に1個の卵から1匹しか孵化しませんが、放っておくとトコジラミはどんどん増殖するでしょう。
トコジラミは高温多湿を好み、日本では春先から繁殖を続け夏にピークを迎えます。
トコジラミの卵は、気温が高い時期になると1週間前後で孵化して成虫になり、吸血しながら生き延びるのです。
冬場でも暖房のきいた部屋なら生存し、繁殖も続けるのでやっかいですね。
トコジラミの卵が洗濯だけではダメな理由と正しい対策の方法5つ
トコジラミと卵を死滅させるには、50℃で30分・60℃で10分・80℃なら5分・100℃でも数秒の熱と時間を必要とします。
通常トコジラミや卵を洗濯で駆除するには、70℃以上のお湯で洗濯する必要があります。
温度 | トコジラミが死滅するまでの時間 |
---|---|
50℃ | 30分~ |
60℃ | 10分~ |
80℃ | 5分~ |
100℃ | 数秒~ |
水やぬるま湯ではトコジラミは死滅しないのです。
また、トコジラミは布団・マットレス・カーペット・畳の縁(へり)など、繊維の奥や隙間に卵を産みつけるので、衣類やシーツを洗濯しただけでは全滅しません。
さらに、真夏に布団やマットレス・座布団などを干しても、繊維の奥に入り込んだトコジラミは、直射日光から逃れるため死滅しないのです。
では、トコジラミや卵を発見したらどうすればよいのか?プロが教える正しい対策を5つ解説します。
1.高温で死滅させる
トコジラミは成虫も卵も50℃のお湯であれば30分で死滅しますから、バケツや浴槽に熱湯を溜めて衣類やシーツなどを浸けると効果があります。(やけどに注意)
乾燥機があれば、60℃〜80℃で30分以上乾燥して加熱するとトコジラミは駆除できるでしょう。
乾燥機がない場合でもスチームアイロンがあれば蒸気で衣類などのトコジラミを駆除することが可能です。
ただし、厚手の枕や座布団などには効果を発揮しませんので注意してください。
畳やベッド・ソファには、100℃の高温スチーマーの蒸気を数秒あてると効果的です。
ただし、トコジラミが畳やベッドなどの奥に潜んでいた場合は、完全に駆除することは難しくなります。
以下の記事も参考にしてみてください。
2.直接捕獲する
トコジラミは小さくて見つけにくいですが、寝る前に周囲を掃除機や粘着コロコロで捕獲すれば減らせます。
トコジラミの成虫と卵を捕獲したら袋に入れて密封し、すぐにゴミと一緒に家の外に出しましょう。
ただ、全てのトコジラミを直接捕獲するのはなかなか難しく、一時的な対策として考えてください。
3.家具などを動かさない
トコジラミや卵が生息する部屋の家具や備品を移動すると、他の部屋にも広がってしまいます。
引っ越しや模様替えなどで家具の移動をする際には、良く確認して駆除をしてから移動しましょう。
リサイクルショップなどで、中古の家具や本などを購入する場合も要注意です。
4.部屋を暗くしない
トコジラミは光を嫌う「負の走光性」なので、お昼の明るい時間帯はあまり活動しません。
宿泊先でトコジラミを発見したが、掃除機もコロコロもなく捕獲できない場合は、照明を点けたまま寝ると被害を防げる可能性があります。
荷物や衣類も暗い場所を避けて置けば、トコジラミの侵入や卵を産みつけられるのを阻止できるでしょう。
5.殺虫剤を使用する
トコジラミの駆除に殺虫剤を使用する場合、人体に影響の少ないピレスロイド系の使用をおすすめします。薬局で相談してみましょう。
なお、トコジラミの卵は5〜8日で孵化するので、おおむね1週間おきに、くり返し殺虫剤を散布する必要があります。
トコジラミは暗くて狭い場所に潜んでいるので、以下のような場所に散布してください。
- ベッドやマットレスの隙間
- 畳の縁(へり)
- 壁掛けの額やカレンダーの裏側
- カーテン
- 柱と壁の継目
ただし、家具などの隙間の内部や畳の奥に潜んでいる場合、殺虫剤でも有効成分が届かず十分な効果を得られません。
さらに、最近は耐性がついたスーパートコジラミが増殖しており、市販されている殺虫剤・燻煙剤では効果が得られない場合もありますので注意が必要です。
トコジラミの駆除が面倒くさい・時間や自信がないときは早めに専門業者に依頼が得策
トコジラミに噛まれたからといって、重篤な症状にはなりにくいです。
しかし、かゆみと赤い斑点が無数にできて辛い状態が続き、ゆっくり寝れないでしょう。
夏場に多く発生するので、かまれた肌が見られると周囲にも不安を与えかねません。
自分で駆除できないと判断したら、早めにプロの業者に依頼することをおすすめします。
プロの業者なら専門知識はもちろん、市販品にはない薬剤やスチームクリーナーなどの道具も揃っています。
さらに、駆除後の予防や注意点、最近の傾向や近隣情報など的確なアドバイスをもらえるので安心できるでしょう。
トコジラミと卵は生態をよく知って気をつけて掃除や洗濯をすれば怖くない
この記事ではトコジラミの卵や成虫に関する生態と、洗濯や掃除以外にも駆除する方法をまとめました。
「トコジラミは人の血を吸う害虫!」と言われると恐怖を感じますが、卵の段階では被害はありません。
日常生活でトコジラミの成虫や卵の潜んでいそうな場所を意識して洗濯や掃除をすれば、ある程度の被害は防げます。
トコジラミは春から夏にかけて繁殖しやすいので、暖かくなってきたら寝室は特に念入りに掃除をしましょう。
それでも外から持ち帰ってしまい、一度繁殖すると完全駆除が難しいのがトコジラミです。
「これってトコジラミかな?」と不安になったら、まずはプロの業者に対処法などを相談してみましょう。