- トコジラミは冬を越すのかがわかる
- トコジラミの被害が冬に少ない理由が理解できる
- なぜ冬のうちにトコジラミの駆除をした方が良いのかがわかる
多くの害虫が冬を越すことができない中、トコジラミは越冬します。
そのため「冬になってトコジラミの被害が減った」と思っていても、実はトコジラミがいなくなっているわけではありません。
本記事では、トコジラミが冬を越す理由や冬に被害が減り、いなくなったと「勘違いしてしまうのはなぜか?」について解説します。
また、トコジラミを冬のうちに駆除しておくことをおすすめする理由についても、説明します。
季節が暖かくなって手がつけられなくなる前に、トコジラミの冬の生態を知っておきましょう。
目次
トコジラミは冬を越します
冒頭でも解説したとおり、残念ながらトコジラミは冬を越します。
それは、トコジラミに以下の3つの特徴があるからです。
- トコジラミは寒さに耐えられる
- トコジラミは飢餓状態でも長期間生きる
- 現在の住宅はトコジラミにとっては快適
ひとつひとつ解説しますね。
①トコジラミは寒さに耐えられる
トコジラミは気温25℃前後、日本では春から夏にかけて、その活動がピークを迎えますが、実は寒さに強い害虫です。
寒い時期は活動量が低下しますが、死滅するわけではなく、じっと身を潜めて温かくなるのを待ちます。
研究によると0℃で6ヶ月、10℃で2年近く生存したという報告もあるほどです。
トコジラミは日本の冬の寒さには耐えられるのです。
②トコジラミは飢餓状態でも長期間生きる
トコジラミは成虫も幼虫も人間や動物の血液を栄養源として生きていますが、その血液を摂らなくても相当な期間生きていくことができます。
特に成虫は飢餓に強く、温度が低くなればなるほど活動量が低下しエネルギーを使わないため、血を吸わなくても生きていくことができます。
トコジラミは冬の間、じっと身を潜めて飢餓に耐え、春に活動を再開するのです。
➂現在の住宅はトコジラミにとっては快適
冬は活動量を低下させるトコジラミですが、日本の現代住宅は高気密・高断熱な構造の家が多いので、トコジラミにとっては、とても快適な環境と言えます。
そのため、本来、冬の間はじっと身を潜めていたトコジラミが冬でも活動をして、人やペットなどの血を吸う被害が増えています。
人間にとって快適な環境は、トコジラミにとっても快適な環境というのが厄介なところです。
現代住宅ではトコジラミは冬を余裕で越すことができるのです。
トコジラミの被害が冬に少ない理由
夏に比べて冬は、トコジラミの被害が少なくなる傾向にあります。
それは上記で解説したとおり、基本的にトコジラミの活動量は寒くなると低下するからです。
寒さ以外にも、冬にトコジラミの被害が少ない理由がありますので、以下に解説します。
- トコジラミは6~9月に活発に活動する
- トコジラミは夏に繁殖する
- 服装が薄手になる
トコジラミの被害が冬に少ない理由① | トコジラミは6~9月に活発に活動する
トコジラミにとって最適な環境は25℃前後で湿度が60%以上です。
まさに日本の夏(6~9月)はトコジラミにとって1番快適な環境になるわけです。
トコジラミの駆除依頼もこの時期がピークとなります。
冬は夏ほどトコジラミの活動が活発ではないため、被害が少ないと感じるだけなのです。
トコジラミの被害が冬に少ない理由② | トコジラミは夏に繁殖する
トコジラミの活動のピークが夏という解説をしましたが、それは繁殖も増えるということです。
トコジラミのメスは生涯に300~500個の卵を産みますが、産卵の多くは夏に行われます。
トコジラミは交尾をすると5日程度で産卵し、1日に5~6個の卵を産み落とします。
産み落とされた卵は1週間程度でふ化するため、夏の時期は爆発的にトコジラミが増えていきます。
一方、冬は活動を抑え、産卵をすることも少ないため、冬はトコジラミの被害が
鎮静化するのです。
トコジラミの被害が冬に少ない理由➂ | 肌の露出部分が減るから
日本の現代住宅は、冬でもトコジラミにとって快適な環境なので、活動を継続するというお話をしました。
とはいえ、それでも人間にとって冬は寒いので、Tシャツ、短パンで過したり、あるいは寝たりする人は少ないでしょう。
多くの人が温かい服装で過ごすはずです。
トコジラミが吸血するのは、その多くが肌の露出部分のため、長袖や長ズボンを履いていると、トコジラミの被害に合いづらいのです。
そのため、冬にはトコジラミによる被害が少なく感じるという人間側の事情もあります。
トコジラミを冬のうちに駆除した方がいい理由
トコジラミは冬のうちに駆除することをおすすめします。
理由は2つ。
トコジラミが繁殖してからだと駆除が困難になる
確かに日本の現代住宅の快適な環境により、冬もトコジラミが活動をすることが増えています。
とはいえ、やはり夏場に比べると、その活発さは段違いです。
特にトコジラミの産卵が活発になる夏は、その駆除が困難になっていきます。
トコジラミの数が増えれば増えるほど、駆除は難しくなります。
なぜなら薬剤の散布をしても、薬剤が効きづらい卵が残ってふ化をするからです。
トコジラミの繁殖期は6月~9月ですので、夏場より冬場の方が比較的トコジラミの駆除が容易になります。
業者へトコジラミの駆除を依頼する費用が抑えられる
トコジラミの駆除を依頼する費用も冬場なら抑えられる可能性が高いです。
それは、上記でも解説したとおり、夏と冬ではトコジラミを駆除する難しさが違うから。
トコジラミの数が少なければ少ないほど、その駆除費用は抑えられます。
また、トコジラミの駆除依頼は、その被害の多くが発生する夏場がピークのため、駆除依頼の日程調整も比較的スムーズにできるはずです。
トコジラミの駆除依頼は冬場にしましょう
残念ながらトコジラミは、日本の冬を越す強さを持っています。
冬に死滅することはありません。
そのため、温かくなって大量に発生してしまう前、すなわち冬のうちに駆除してしまうことをおすすめします。
「被害が少ないから」と油断をしないでください。
トコジラミを放置せず、まずは相談だけでもしてみてはいかがでしょうか?