害虫駆除コラム

スズメバチの巣の見分け方と駆除の方法についてプロの駆除業者が解説

「家の軒下にスズメバチの巣みたいなものができた」
スズメバチの巣だったら大変!不安ですよね?
そこで「スズメバチの巣ってどんなの?」とか「自分で駆除できるの?」
そんな悩みを解決します。
結論から言うと、スズメバチが巣を作り始める4~5月の時期で、巣の大きさが10~15センチ未満であれば、自分で駆除することは可能です。
一方、スズメバチは巣を守るためにとても攻撃的になり、また強い毒も持っていて危険なので、巣の大きさが15センチを超える場合は安易に駆除しようとせず、自治体に相談するか、プロの業者に依頼してください。

本記事では、まずはスズメバチの巣の見分け方、次に自分でスズメバチの巣を駆除する方法をステップで解説します。
最後にスズメバチの巣を駆除するときの注意点も記載していますので、ぜひ読んでみてください!
自分で駆除する方法や駆除できるかの判断基準を知っていると安心して過ごせますよね。

駆除する前に、まずはスズメバチの巣を見分けよう

スズメバチの巣みわけかた
日本国内には4,000種類以上の蜂が生息していると言われていますが、人を指す可能性があり、かつ家屋に巣を作る蜂の種類は主に3種類です。

  1. スズメバチ
  2. アシナガバチ
  3. ミツバチ

特に危険なのがスズメバチ。
3種類の蜂の巣の特徴を解説するので、まずはそれぞれの巣の特徴を把握しておきましょう。

1.スズメバチの巣の特徴

スズメバチの巣は、初期の頃は徳利を逆さまにしたような形で、巣への入口が下についています。
以下に解説する他の蜂の巣と違って、入口は一つだけというのも大きな特徴です。
6月半ばを過ぎて働きバチが巣作りをするようになると急激に大きくなり、丸い形に変わっていき、大きなものだと直径1メートルくらいのボール状になります。
マーブル模様の巣はとても綺麗で、愛好家の間では観賞用として高値で取引されています。
家の軒下、ベランダなどの他、屋根裏、床下やウッドデッキの奥など狭い空間にも巣を作ってしまうのがやっかいです。

2.アシナガバチの巣の特徴

アシナガバチの巣はシャワーヘッド、レンコンを切った状態や蓮の蓮台とかに形状が似ています。
穴が外に露出していて、白い幼虫が外からも見える状態です。
巣はそれほど大きくならず、最大でも20センチ程度で完成形です。
巣の壁が紙のように薄いため、柔らかく、重量もありません。
白もしくは茶色っぽい色をしていて、雨や風を避けられる家の軒下、テラスや庭木にアシナガバチは巣を作ります。

3.ミツバチの巣の特徴

テレビで観たことのある人も多いと思いますが、ミツバチの巣は平らな板状です。
一つの巣に最大で6万匹のミツバチの群れがいるため横幅は1メートルになることもあり、それが何層にも並びます。
ミツバチは外敵から巣を守るために狭い場所に巣を作る傾向があり、床下や屋根裏の他、庭木の穴や植え込みなどにも巣を作ります。
ミツバチは花からとった蜜を巣に保管するので、大きくなった巣にはたくさんの蜜が貯蔵されているのが特徴です。

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市役所がスズメバチの巣を駆除してくれるってホント?

スズメバチの巣を見つけたら、まずは住んでいる自治体に相談してみてください。
「えっ!?自治体?」、「スズメバチと関係あるの?」と思われましたか?
スズメバチの巣はとても危険なため、自治体によっては無料で駆除してくれるところがあります。
無料駆除はやっていなくても、相談に乗ってくれたり、防護服を貸してくれたり、あるいは優良業者を紹介してくれる自治体もあるので、まずは相談してみましょう。
ただ無料で駆除をしてくれていた自治体も、最近は無料駆除をやめるところが多くなってきているので、過度に期待せず、まずは気軽にアドバイスをもらう程度で連絡をしてみてください。

スズメバチの巣の駆除料金ってどのくらい?

スズメバチの巣の駆除料金の相場は10,000円~50,000円です。
スズメバチの巣の駆除は、危険性の低いアシナガバチやミツバチよりも高くなるのが一般的です。
また巣の場所、大きさによっても料金が異なるため、実際には現場を見てもらってから正式な料金が出ます。
特に巣が高所にある、ウッドデッキや床下の奥にあるとか、巣のサイズが1メートルくらいなど、危険が増す場合は追加で料金がかかります。
業者に依頼する場合は、まず電話で巣の状況を聴取されるので、大まかな説明ができるようにしておくとスムーズに料金の概算が得られるはずです。

スズメバチの巣を駆除する方法 | スプレーなんかで退治できるの?

スズメバチの巣を駆除する方法について解説します。
そもそも「スプレーなんかで素人がスズメバチの巣を駆除できるの?」という疑問があると思います。
結論から言うと可能です。
そのための条件や方法について、解説します。
スズメバチの巣に困っている方は確認してください。

ステップ0 | 自分で駆除できる巣か判断する

「素人でもスズメバチの巣を駆除することは可能です」と書きましたが、条件があります。
条件はスズメバチの巣が4~5月頃の初期段階であること。
初期段階の巣は、女王バチが単独で巣を作るので、比較的危険性が低いので素人でも注意して作業をすれば駆除することができます。
「4~5月頃」、「徳利型の巣」、そして「サイズが15センチ未満」という条件を満たせば女王バチだけ、あるいは少ない数のスズメバチだけの可能性が高いと判断できます。
逆にこの条件を満たさない場合は、危険ですので自分で駆除しようとせずプロに任せましょう。

ステップ1 | スズメバチの巣を駆除するための装備と道具を揃える

上記で上げた条件を満たすスズメバチの巣の場合、自分でも駆除ができるので、駆除をするための装備と道具を揃えましょう。

スズメバチの巣を駆除するための装備

スズメバチを駆除するのに最強の装備は防護服です。
とはいえ、防護服を持っている人は稀でしょう。
ただ、自治体によっては貸出をしているので、確認してみましょう。
以下に防護服が準備できない場合に準備すべき装備を記載いたします。

  • 厚手の帽子もしくはヘルメット
  • ゴーグル
  • 首に巻くタオル
  • 長袖と長ズボン
  • カッパ
  • 厚手の軍手やビニール製の手袋
  • 長靴
スズメバチの巣を駆除するための道具

装備を揃えたら、今度は道具です。
揃えるべき道具は以下のとおりです。

  • 蜂用の駆除スプレー2本
  • 長い棒
  • 梯子
  • 懐中電灯
  • 大き目のビニール袋
  • トング
  • ホウキとチリトリ

ステップ2 | 日没を待ってスズメバチの巣を駆除する

装備と道具の準備ができたら、駆除を開始します。
といっても、いきなり日が出ているうちに駆除しようとしないでください。
スズメバチは日中、外で活動している可能性が高いので、全ての蜂が巣に戻る日没以降に駆除をしないと、また巣を作られてしまう可能性があるからです。
また、外から戻ってきたスズメバチと遭遇すると凄く危険です。
なのでできれば、日没後1時間程度経ってから駆除作業を開始しましょう。
装備を整えて、巣から2~3メートル離れた位置からスプレーを十分に噴霧してください。
10~30秒程度スプレーをすれば十分でしょう。

ステップ3 | 後処理は翌日に行う

充分にスプレーをして蜂を駆除できたら、後処理は翌日にやってください。
暗い中での作業だと思わぬ怪我をしたり、まだ動いている蜂に刺されたりと危険だからです。
翌日、明るくなったら蜂の巣を取り除き、地面に落ちているはずの蜂とともにビニール袋に入れて紐で縛ります。
巣のあった場所に蜂が戻ってきて、また巣を作らないように、もう1度スプレーをして駆除完了です。(蜂用の駆除スプレーには蜂を忌避する効果があります)
蜂の巣の入ったビニール袋は燃えるゴミとして出してください。(自治体のルールに従ってください)

スズメバチの巣を駆除する時の注意点5つ

ハチ駆除の防護服

最後にスズメバチの巣を駆除する時の注意点を5つ解説します。
スズメバチは猛毒を持つ大変危険な昆虫ですので、小さい巣でも油断しないでください。

  1. 肌の露出しない服を着る
  2. 巣の真下から駆除しない
  3. 懐中電灯には赤いフィルムを
  4. スズメバチが動かなくなっても油断しない
  5. スプレーは予備を用意しておく

1. 肌の露出しない服を着る

スズメバチを駆除するとき、防護服を準備できればベストですが、用意できない方は、肌を露出しない服を着るようにしてください。
長袖、長ズボンを着るのはもちろん、刺されても針が届きにくいように厚手の服を選ぶのがポイントです。
服の上からカッパを着ると、安全性が増すので暑くても羽織るようにしてください。
首や顔の周辺を刺されないようにタオルなどでガードもしましょう。
蜂対策用のネット付きの帽子があると安全性が増しますね。
袖から入られないように軍手を袖にかぶせて、ズボンと長靴のすき間も塞ぎます。

2. 巣の真下から駆除しない

軒下などの高い位置にスズメバチの巣がある場合、真下からスプレーをかけてはいけません。
スズメバチが落ちてきて危険だからです。
必ず2~3メートル離れた斜め下の位置からスプレーするようにしてください。

3. 懐中電灯には赤いフィルムを

上記でも説明したとおり、スズメバチの巣は日没後に駆除をするので懐中電灯などの照明器具が必須です。
しかし、懐中電灯をそのまま使うと、光に向かってスズメバチが突進してくる可能性があり非常に危険です。
そこで、懐中電灯の明かり部分に赤いフィルムをつけましょう。
赤い光は蜂が認識しづらいため、安全に巣などを照らすことができます。

4. スズメバチが動かなくなっても油断しない

スズメバチが死んで動かなくなっても、油断して手で触ったりしないでください。
蜂が動かなくなっていても刺される可能性はあるし、死んでいても体の反射によって針が体から出てくる可能性もあります。
スズメバチを袋に入れるときはトングで拾うか、ホウキとちりとりを使って回収しましょう。

5. スプレーは予備を用意しておく

スプレーの容量によりますが、500ml前後の一般的なサイズの蜂用の駆除スプレーは40~50秒前後スプレーを噴霧できます。
充分な量ではありますが、万が一に備えて、予備のスプレーを用意しておくと安心です。
使わなかったとしても未開封の状態であれば、製造後4~5年程度は使えます。
また、蜂用の駆除スプレーにはスズメバチを対象とするものと、そうでないものがありますので注意してください。
スズメバチ用の駆除スプレーの方が強力で、値段が少し高めに設定されています。
説明書きをよく読んでから買いましょう。

スズメバチは土の中にも巣を作る

万全を期してスズメバチの巣を駆除しよう

本記事では、スズメバチの巣の見分け方や駆除方法を解説してきました。
スズメバチは大変危険な昆虫です。
特に巣に対して危害を加えてくる存在に対しては、とても攻撃的になります。
記事で解説したとおり、小さい巣のときのみ万全の準備をして駆除することは可能ですが、決して無理をしないでください。
少しでも不安がある場合は、プロの業者に依頼をして駆除してもらいましょう。

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