- トコジラミの抜け殻がどんなものかわかる
- トコジラミの抜け殻を見つけたらどうすればいいか判断できる
- 抜け殻以外のトコジラミのサインがわかる
「部屋の中で虫の抜け殻のようなものをみつけた」
もしかしたら、それはトコジラミの抜け殻かもしれません。
トコジラミは、日本では戦後に大流行しましたが、1970年代にはほとんど見られなくなりました。
しかし近年、日本からの海外渡航者や日本への外国人旅行者の増加により、その被害件数は増えています。
トコジラミが一旦家に入り、繁殖をはじめると、その駆除は非常に難しくなります。
見つけた抜け殻がトコジラミかどうか早急に確認して、対策をしましょう。
目次
トコジラミは脱皮を5回くりかえして成虫になる
トコジラミは幼虫から成虫になるまでに、5回の脱皮を繰り返します。
ただし幼虫といっても、トコジラミの場合、不完全変態といって、幼虫と成虫で形は変わりません。
トコジラミの幼虫は、いもむしのような形をしているわけではないのです。
そして、トコジラミは卵からふ化してすぐの幼虫の頃から人間の血を吸って成長する害虫です。
通常、トコジラミが成虫になるには1~3ヶ月程度かかりますが、気温が低いと成長速度は鈍化します。
ふ化した直後は約1.5mm程度と小さく、だんだん大きくなり、成虫になると5~8mm程度のサイズになります。
成長段階の初期でトコジラミやその抜け殻を見つけるのは難しいですが、成虫に近くなると目視でもはっきりと見えるサイズになるので、ダニよりは見つけやすいはずです。
トコジラミの抜け殻の特徴
トコジラミの抜け殻には3つの特徴があります。
- 薄い茶色で半透明
- 縦長の楕円形
- 大きさはまちまち
以下に簡単に特徴について解説します。
トコジラミの抜け殻の特徴① | 薄い茶色で半透明
トコジラミは赤褐色をしていますが、その抜け殻は薄い茶色で半透明です。
セミの抜け殻を見たことはありますか?
トコジラミの抜け殻も、似たような色をしています。
トコジラミの抜け殻の特徴② | 縦長の楕円形
トコジラミの抜け殻は、縦長の楕円形をしています。
足は腹側に揃っているのも特徴です。
トコジラミの抜け殻の特徴➂ | 大きさはまちまち
トコジラミは5回も脱皮するため、成長段階に応じて、その抜け殻の大きさはまちまちです。
そのためサイズだけでトコジラミかどうかを判断することはできません。
トコジラミの抜け殻は、1mm~5mmくらいで大きくはありません。
トコジラミの抜け殻を見つけたけどどうすればいい?
トコジラミの抜け殻を見つけた場合はどうすればいいでしょうか?
残念ながら、抜け殻があるということは、既にあなたの家の中で「トコジラミが繁殖をしている」ことになります。
幼虫のトコジラミが外から持ち込まれることも、絶対ないとは言えませんが、家の中で繁殖したと考える方が自然です。
では、どうすればいいでしょうか?
以下にトコジラミの抜け殻を見つけたときにすべきことを解説します。
- プロ業者に駆除を依頼する
- 自分で応急処置をする
- 薬を用意する
トコジラミの抜け殻を見つけたけどどうすればいい?① | プロ業者に駆除を依頼する
トコジラミの抜け殻を見つけたら、プロの業者に駆除を依頼しましょう。
上記でも説明したとおり、抜け殻があるということは、家の中でトコジラミの繁殖が行われている可能性が限りなく高いです。
トコジラミを駆除するのは専門家でも難しいと言われています。
被害が拡大する前に、早急にまずは相談だけでもすることをおすすめします。
トコジラミの抜け殻を見つけたけどどうすればいい?② | 自分で応急処置をする
いきなりトコジラミの抜け殻を見つけただけで、業者に依頼するのは「ちょっと躊躇する」という人もいるでしょう。
当然、業者に依頼すると費用もかかりますし、実害がない、あるいは少ない時点では「業者に依頼するほどではないのでは?」、「自分でなんとかできそう」と思うからです。
それによって被害が拡大するケースが多いのも事実ですが、心情はよく理解できます。
そこで最終的には業者に依頼するとしても、その前に自分でできる応急処置について解説します
例えば以下のようなことをすれば、トコジラミの被害をある程度抑えることが可能です。
- トコジラミトラップで生息を確認
- 殺虫剤による駆除
- 布団や衣類の熱によるトコジラミ駆除
- 部屋の整頓・掃除
トコジラミの抜け殻を見つけたけどどうすればいい?➂ | 薬を用意する
上記にて解説したのは、あくまで応急処置です。
応急処置だけでは、完全に駆除することはできませんので、トコジラミに刺される可能性が残ります。
トコジラミに血を吸われるとアレルギー反応により、激しいかゆみに襲われるので、絶対避けたいですよね
人によりますが、かゆみが酷い人は、トコジラミにまた刺されるかもという不安と共に、夜も眠れなくなる人も……。
そこで、事前に薬を用意しておくことをおすすめします。
薬は抗ヒスタミンやステロイド配合の塗り薬が市販されていますので、薬剤師に相談して購入しておきましょう。
以下の記事も参考にしてください。
抜け殻以外のトコジラミのサイン
トコジラミは抜け殻以外にも、さまざまなサインを出します。
次に挙げるものがあった場合は、それはトコジラミがいるサインかもしれません。
- 黒くて小さなシミ
- シーツなどの血の跡
- カメムシのような臭い
抜け殻以外のトコジラミのサイン① | 黒くて小さなシミ
黒く小さなインクのようなシミを見つけたら、それはトコジラミの残したサインかもしれません。
人や動物の血を吸うトコジラミは、インクを垂らしたような黒い点状の糞をします。
特にトコジラミが潜んでいる周辺には、無数の黒点が現れます。
血糞(けっぷん)といって、トコジラミが出す代表的なサインの一つです。
無数の黒い点を見つけたらトコジラミを疑いましょう。
抜け殻以外のトコジラミのサイン② | シーツなどの血の跡
トコジラミは、人が寝てる間に吸血します。そのため、トコジラミが血を吸った箇所から、固まっていない血がシーツにつくことがあります。
朝起きて、シーツに血の跡があったら、トコジラミに吸血されたあとかもしれません。
抜け殻以外のトコジラミのサイン➂ | カメムシのような臭い
トコジラミはシラミという名前で呼ばれていますが、分類学的にシラミ目ではなく、カメムシの仲間です。
「夜寝ている間に噛まれる」ことから、床(とこ)ジラミと言われるようになりました。
トコジラミはシラミよりも体が大きい、寿命が長い、飢餓に強いなどの特徴があります。
また、カメムシと同じように、人にとって嫌な臭いがします。
1匹程度では、実際に触ってみないと気づかない程度の臭いですが、繁殖を繰り返して大発生すると臭いは部屋に入っただけでも強く感じるほどになるでしょう。
そうなる前に何かしらの対策はしたいものです。
トコジラミの抜け殻を見つけたら早めにプロに相談しましょう
トコジラミの抜け殻を見つけたら、早めにプロの業者に相談することをおすすめします。
残念ながら抜け殻があるということは、ほぼトコジラミがあなたの家で繁殖をしているということだからです。
成虫になったトコジラミの雌は、生涯に300~500個の卵を産みます。その卵から孵った幼虫が成虫になる段階で脱皮を繰り返して、抜け殻を残しているのです。
早めに手をうって発生のサイクルを食い止めましょう。