トコジラミは南京虫とも呼ばれ、古くから人に寄生して生きてきた昆虫です。人の血を吸いかゆみをもたらす害虫ですが、駆除が難しいことでも知られています。
なぜトコジラミは駆除が難しいのでしょうか。その理由は、トコジラミのやっかいな習性にあるんです。この記事では、トコジラミの特徴や生態、駆除が難しい理由について解説します。
目次
トコジラミ(南京虫)とは
トコジラミは、トコジラミ科・トコジラミ属に分類される吸血性の昆虫です。主に鳥類やコウモリ、人の血を吸って生活しています。
日本では「南京虫」と呼ばれることも。「南京虫」と呼ばれる由来としては、かつて中国南部から伝わってきたからという説や、「南京豆」「南京錠」などと同様に「海外由来の小さいもの」を意味するという説があります。
英語ではbed bug(ベッドバグ)と呼ばれます。由来はトコジラミが人の寝ている間に被害を与えるからでしょう。英語圏のみならず、温帯地域を中心とする世界中に分布しています。トコジラミのかゆみは全世界共通の悩み、というわけですね。
たとえばマラリアを媒介する蚊とは異なり、伝染病を媒介する例は見られていません。ただし、人の血を吸う時にアレルギー物質を注入し、激しいかゆみをもたらします。
トコジラミの駆除が難しい5つの理由
トコジラミのもつ習性が、駆除を難しくしています。
スキマに逃げ込む
トコジラミの体は平たい形をしており、家の中のあらゆるスキマの奥まで入り込むことができます。たとえば畳のスキマやカーペットの下、雑誌のスキマなどです。そのため、バルサンのようなくん煙剤を焚いても殺虫成分が届かず、なかなか駆除ができません。
殺虫剤への耐性がある
遺伝により殺虫成分への耐性をもつ「スーパートコジラミ」も存在します。殺虫剤に耐性があるトコジラミは、少し殺虫剤に触れただけでは死にません。
症状が出ず拡散される
トコジラミにはじめて噛まれた人は、ほとんど症状が出ません。2回目以降に噛まれた際にアレルギー反応が起き、かゆみが発生します。その際もかゆみが発生するのは数日後とタイムラグがあります。
そのため人の体や持ち物にトコジラミやその卵が付着していても、被害がないから気づかないなんてことも。気づかずに各所に拡散されてしまうのです。
繁殖力が強い
トコジラミは繁殖力が強いことでも知られています。トコジラミは1匹のメスが生涯に渡り数千匹の子どもを産みます。室内の成虫だけではなく、幼虫や卵もしっかり根絶しないと、トコジラミの繁殖を止めることはできません。
生存力も強い
他の害虫や害獣の場合、家の中からエサがなくなれば家から出ていきます。しかしトコジラミの場合は、ずっと家に居据わる可能性があるのです。トコジラミは食料である血を吸わなくても半年以上生き延びることができます。
トコジラミの駆除は業者におまかせを
このようにトコジラミの駆除はなかなか難易度が高いものです。無理に自分で駆除しようとすると家の中で大繁殖し、手がつけられない状態になってしまうかもしれません。
もし家の中でトコジラミを見つけたら、はやめに害虫駆除業者に相談することをオススメします。
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