- イタチの生態がわかる
- イタチ駆除情報のウソと本当を知ることができる
- イタチに関するあらゆる悩みが解決する
日本にはイタチが4種類いることを知ってましたか?
しかし、実は家に棲みついて害獣となるのは、ほとんどの場合シベリアイタチ(チョウセンイタチ)です。
本記事では、イタチの生態について解説するとともに、イタチに関するあらゆる悩みの解決方法について解説します。
役立つ記事のリンクもありますので、ぜひブックマークで保存してみてください。
目次
イタチは日本に4種類
日本には現在、主に以下の4種類のイタチが生息しています。
- 二ホンイタチ
- シベリアイタチ
- イイズナ
- オコジョ
二ホンイタチは北海道を含む全国に広く生息していますが、チョウセンイタチは元々いた対馬の他は主に本州以西に生息しています。
イイズナ、オコジョは北海道および東北地方の高山部にのみ生息しており、住宅地などで見ることは稀です。
上記で記述したイタチは、ほぼ全てその生息数が減少しており、絶滅が危惧されている保護動物です。
二ホンイタチは日本の固有種ですが、2016年から国際自然保護連合によりレッドリストの準絶滅危惧種に、シベリアイタチは2020年環境省により準絶滅危惧種から絶滅危惧種にそれぞれ指定されました。
イタチは人にとっては害獣とされることもありますが、その生息数は年々減少しているのです。
本記事では、主に住宅地などに現れ、害獣とされることも多い二ホンイタチとチョウセンイタチの生態について解説します。
イタチの生態
イタチは、ネコ目(食肉目)イヌ亜目クマ下目イタチ科イタチ属です。
イタチはネコ目の中でも小柄で、多くの種で2kg以下です。
しかし、小柄ながらも獰猛な肉食獣で、自分の体よりも大きなニワトリやウサギなどを捕食したり、ペットの猫やイヌを襲ったりすることもあります。
また、外敵から身を守るためにスカンクのように肛門腺から強い刺激臭を分泌します。
この発達した肛門腺が、多くの人が嫌うイタチの糞の悪臭の原因です。
イタチはネコ目ですが、水を苦手とせず、むしろ泳ぎは得意とされています。
本来、草地や水辺に生息していますが、近年、里山の開発などもあり、住宅地でイタチを見ることも多くなりました。
自然の中では巣穴を掘って住んでいますが、住宅地では以下のような場所にも棲みつく例が多くあります。
- 屋根裏・床下
- 庭
- 車
屋根裏・床下
イタチにとって家の中、特に屋根裏や床下は温かく、暗くて静かで、外敵から身を守ることができる最高の環境です。
特に繁殖期に子育てのために安全な場所を探している雌のイタチにとっては、もっとも望ましい条件を満たしています。
特に古い木造の一軒家などは隙間が多く、500円玉程度の隙間があれば通り抜けできるイタチにとっては難なく入り込むことができてしまうのです。
車
屋根裏や床下と同じ環境が手に入るのが車の中。
「えっ!?車の中?」「どこにそんな場所が?」と思われましたか?
試しに車のエンジンルームを覗いてみてください。隙間だらけのはずです。
車のエンジンその他の部品は性能が向上しており、小型化しています。
一方、車体自体のサイズはそれほど変わらないため、エンジンルーム内の隙間は昔より増えています。
しかも走ったあとは暖かい。
イタチにとって、車のエンジンルームは暗くて静かで外敵から身を守ることができるという家の屋根裏や床下と全く同じく快適な住まいになるのです。
庭
意外に思われるかもしれませんが、庭もイタチにとっては住みやすい環境の1つです。
土が柔らかいので巣穴が掘りやすく、また家の庭はイタチにとっての天敵である鷲や鷹、フクロウ、などの猛禽類が近づきにくいからです。
もちろん、イタチにとって人間も怖い存在の1つですが、他の要素がそろっているからか、庭に巣作りをするイタチは確かに存在します。
「庭だからいいや」と放置すると、家の中に入ってくる可能性もありますので、注意しましょう。
「それってホント!?」イタチを駆除する方法5つ
駆除する前に寄せ付けない、これがイタチとの最適な付き合い方です。
とはいえ、そもそもイタチが棲みつくまで、その存在に気づかないこともありますよね。
そこで、巷で言われているイタチの駆除方法の代表的なもの5つについて、その効果の有無を含めて解説します。
- バルサン
- 蚊取り線香
- 音
- クレゾール石鹸
- 木酢液
「それってホント!?」イタチを駆除する方法5つ | ①バルサン
イタチ、特に屋根裏などに棲みついたイタチに対してバルサンを焚くのが良いのではないか、という意見があります。
結論から言うとイタチを退治するのにバルサンを使うのはおすすめしません。
バルサンはイタチを駆除するのには、あまり効果を発揮しないからです。
繁殖期に使うとイタチの赤ちゃんが壁の隙間に落ちてしまうなど、思わぬハプニングが発生することもあります。
バルサンをイタチ退治には使用しないでください。
「それってホント!?」イタチを駆除する方法5つ | ②蚊取り線香
蚊取り線香もイタチを駆除するのに使用しようとする人がいますが、バルサン以上に効果がありません。
蚊取り線香に入っているのはあくまで殺虫成分(ピレスロイド等)であり、哺乳類には効かないからです。
動物用に特化した「獣除け線香」であれば、イタチにも効く可能性がありますが、残念ながら人にも影響するので屋内での使用はできません。また、火事の危険性もあり大変危険です。
「それってホント!?」イタチを駆除する方法5つ | ➂音
煙などを使った駆除方法には効果があまり期待できないことがわかりました。
それでは音はどうでしょうか?
音に関しては、イタチを追い払うのに一定の効果があります。
ただし、音だけでイタチを完全に駆除することは難しいでしょう。
イタチを音で追い出した後に、再侵入防止策をとったり、この後に紹介する方法などと組み合わせることで効果を発揮しますので、試してみるのもいいかもしれません。
「それってホント!?」イタチを駆除する方法5つ | ④クレゾール石鹸
次に紹介するのはクレゾール石鹸。
クレゾール石鹸も結論から先に言いますと、イタチに対する効果はありますが、使用はおすすめしません。
というのも、クレゾール石鹸は使用上とても注意を要する劇薬であり、かつ人にとっても不快な臭いがする薬剤だからです。
そもそも、製造メーカーは獣対策への使用を推奨しておりません。
「それってホント!?」イタチを駆除する方法5つ | ⑤木酢液
最後に紹介するのが、木酢液。
木酢液は強烈な臭いを発し、イタチだけでなく、様々な動物の忌避剤として効果が認められています。
また木酢液は木材を燃やすときに得られる天然由来の成分のため環境への負荷が少なく、安全に使えるのが利点です。
木酢液単体での効果は限定的になりますが、上記で解説した音による忌避効果と一緒に組み合わせるなどすると効果を発揮します。
安価で手に入るため、おすすめの駆除方法の一つです。
自分でイタチを駆除できない場合
イタチの生態や自分で駆除する場合の方法や道具を紹介してきましたが、「自分で駆除するのはちょっと……」という人も多いでしょう。
そこで、業者などに依頼するときの費用や業者の選び方についても解説します。
市役所
害獣の駆除について市役所などの自治体に依頼をしようとする人が一定数います。
しかし、少なくともイタチに関しては市役所などでは駆除してくれません。
駆除するためのアドバイス、捕獲の許可、器具などの貸し出しや業者の紹介などはしてくれます。
知っている駆除業者が地元にいない場合は、まずは市役所に相談してみるのも良い方法です。
イタチを駆除する費用
イタチの駆除には5万円~20万円程度の費用がかかります。
「1万円から駆除を請け負います!」みたいに書いている業者のホームページをよく見ますが、実際はもっと掛かったり、あるいは完全に駆除をするための対策ができていないことがほとんどです。
以下にイタチを駆除する際の作業と費用をまとめてみました。
これらの作業を省略したり、簡易的にすることはできますが、その分イタチを駆除することは困難となります。
なぜなら、どれもイタチを駆除するのには必要な作業で、省略することができないからです。
作業内容 | 費用 |
---|---|
イタチの罠を設置 | 27,500円~ |
点検・エサの交換 | 3,850円~ |
イタチを捕獲・回収 | 22,000円~(1匹) |
侵入口を塞ぐ | 16,500円~(位置や数による) |
死骸などの回収 | 16,500円~ |
フン清掃・消毒や殺菌 | 33,000円~(範囲や汚れ方にもよる) |
なお、戸建ての屋根裏にイタチが住み着いた場合の参考として以下に見積もりの例を記載します。
スタッフ1名で駆除対応
罠の設置 + 点検・エサの交換2回 + 1匹捕獲
完了まで2週間程度
上記のケースでの費用は5~6万となります。
イタチを家から完全に駆除するには、最低限この程度の費用はかかることを覚えておいてください。
この価格よりも安く見積をする業者がいたら、一旦立ち止まって考える、他の業者にも確認をすることをおすすめします。
イタチを駆除してもらう業者の選び方
それでは信頼できる業者はどのようにして探せばよいのでしょうか?
ここでは簡単なポイントを3つ紹介します。
- 安いことを売りにしている業者には注意する
- 再発したときの保証をつけない業者は避ける
- 見積の作業内容や費用があいまいな業者は選ばない
少なくともこの3つを意識することで、悪徳業者に捕まる可能性は相当減らすことができるでしょう。
さらに細かく業者の選び方について確認したい方は以下の記事でチェックリストを使いながら業者を探してみましょう。
イタチで困ったら自分だけで対処しない
本記事ではイタチについて、さまざまな観点から解説、参考になる記事の紹介をさせていただきました。
イタチは見た目の可愛さとは裏腹に非常に厄介な害獣となり得ます。
もし困ったら自治体やプロの業者に相談することを強くおすすめします。
また本記事がその際の参考になれば幸いです。